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【UFN223】1週間スライド。シモン戦へ、ソン・ヤードン「僕がどれだけ優れたグラップラーか知らない」

【写真】一応通訳と携帯をつなぎ待機してもらってはいたが、15分間のインタビューをソン・ヤードンはほぼ自身の英語力で対応しきった(C)MMAPLANET

29日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN223 :UFN on ESPN+81「Song vs Simon」。イベント名通り、メインでソン・ヤードン✖リッキー・シモンのバンタム級5回戦が行われる。

実はこの1戦、1週間前に22日大会で組まれれていたが、直前になって今大会にスライドされた。1週間延期が調整終盤に入っていたファイターにどのような影響を与えるのか。また3R制から5R制になることについて、ソン・ヤードンはどのように考えているのかを尋ねた。


──この試合は本来、先週の週末の大会で組まれていましたが、1週間スライドされました。試合の延期はいつ頃知らされたのでしょうか。

「本来戦う予定だった日の1週間前かな。ランニングをしている時に電話があって、『試合は1週間ずれることになった』と知らされたんだ。驚いたけどメインイベントになるって話だったから、これはチャンスだと思った。より多くの人に注目されるからね」

──とはいえ1週間前に戦うよう気持ちも体も創ってきたと思いますが、1週間という微妙な延期で気持ちが途切れることはなかったですか。

「減量も進めていたから、また1週間は食事をして水を飲める。そして、余裕を持って体重を落とせることになったので良かったよ(笑)。試合に向けての練習、コンディショニング・トレーニングも終わっていたし、あとは減量だけだったから。逆に気持ちに余裕を持てるようになった。

減量に余裕を持てるということは、凄く精神的にポジティブに働いたよ。試合に関しては、もう準備はできていたからね」

──とはいえ3Rから5Rマッチへの移行です。僅か1週間で、その準備ができるものでしょうか。

「それは気持ちの持ちようだよ。出来ないと思うと、それまで。もう心が折れてしまっている。僕だけが急に5Rを戦うことになったわけじゃないし、対戦相手も同じ条件だからね。もしリッキー・シモンだけが先に知っていて、準備しているようなことがあればアンフェアだけど、どちらも公平なことだから」

──素晴らしい精神力です。ところで昨年9月のコリー・サンドハーゲン戦では試合続行不可能になりました。流血を気にする仕草も見られましたが、もう相手との距離等を測れないなど、目の状態は戦えない状況に陥っていましたか。

「試合を続けられなかったのは、左目尻のカットが原因ではなくて、右の眼窩底骨折があったからなんだ。そのせいでサンドハーゲンの動きを見るのが、左目だけになって。右目が見えないから、左目だけでも見られるよう血が入らないようにしていたんだ」

──そこまでの状態だったのですね。

「左目で見るしかなかったから。でも、4Rになると血の量が増えてしまって。もう、サンドハーゲンが見えなくなってしまった。距離も角度もタイミングも何もない。ただ、前に出て攻め続けるしかなかったんだ」

──結果、4RでTKO負けでしたが、あの試合の経験が生きることはありますか。

「何もない。試合開始早々カットなんて、しないでくれってことぐらい(笑)。それだけかな。カットはMMAの一部なんて思わないで、戦っていく」

──では今週末に戦うリッキー・シモンの印象を教えてください。

「強い選手だ。背が低いレスラーで、打撃もできるウェルラウダ―だよ。タフな対戦相手になる。でも、僕の打撃は彼より上だ。それにリッキー・シモンは自分のグラップリングが、僕よりずっと上だと信じているだろう。

僕は打撃が好きだから、いつも打撃戦を戦っているだけなのに。レスリングもグラップリングの練習も、毎日思い切りやっている。彼は試合でグラウンドの展開になるまで、僕がどれだけ優れたグラップラーが理解できないでいるんだよ」

──この試合の鍵はどこになると思っていますか。

「タイミングだろうね。彼を捕えて、重いパンチを打ち込む。倒して、削っていく」

──シモンのスタミナはどのように考えていますか。彼はノンストップで動き続けることができます。そのうえで過去2試合ではフィニッシュ勝利を挙げています。試合を決めに懸かった時の強さも相当かと思います。

「確かに寝技のスキルは以前より上がっているね。でも、グラップリングでは僕の方が優れている。打撃はもっと上だけどね。僕がやるべきことは、KOすること。シンプルにそれだけだよ」

──ところでRoad to UFCが今年も行われます。中国、韓国、日本、インド、インドネシア勢の争いになりますが、ソン選手が期待している中国人ファイターは誰になりますか。

「まず、もっと多くの中国人選手がUFCと契約して戦ってほしいと思っている。そういう意味でRoad to UFCが行われることは、より多くの選手にチャンスを得ることになるのでとても嬉しい。

僕が期待しているのはイー・チャアだよ。前回のトーナメント、決勝戦で彼は勝っていた。UFCは彼と契約すべきだったと今でも思っている。今回のRoad to UFCでも戦うことが決まったけど、イー・チャアは優勝してUFCで戦うことができるファイターだから、僕は彼のことを引き続き注目していくよ」

──ソン選手、今日はありがとうございました。では最後に日本のファンにメッセージをお願いします。

「次の試合、絶対にKOするので日本のファンも僕の試合を楽しみにしてほしい」

■視聴方法(予定)
4月30日(日・日本時間)
午前5時00分~UFC FIGHT PASS
午前4時30分~U-NEXT

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