【ONE FF13】必見、ラカイ✖トンガー! フィリピン=セビジェーノ✖モンゴル=エンフオルギル
【写真】フィリピン✖モンゴル。こういうマッチアップがルンピニーで見たかった。ムエタイの殿堂から、アジアの殿堂へ (C)MMAPLANET
明日、21日(金・現地時間)にタイはバンコクのルンピニー・スタジアムで開催されるONE Friday Fight13で非常に興味深いバンタム級マッチが組まれている。
それがフィリピンのアドニス・セビジェーノとモンゴルのエンフオルギル・バートルフーという一戦だ。前者はチーム・ラカイ、後者はチーム・トンガーという先人がサークルケイジで活躍し、それぞれの国のMMAを引っ張ってきたという歴史がある。
セビジェーノとエンフオンギルの顔合わせは、勝てば次がある。そのようなシンプル構造&消化型イベントのONE FFにあって、両者が今後ONE本戦にステップアップできるか否かという論点だけでない、背景を加えてストーリーラインが見える生産型マッチアップといえる。
セビジェーノはONE Warrior Series Philippinesで、エンフオルギルはRoad to ONE MongoliaとONEの人材派遣シリーズからONE本隊と契約を果たしたファイターだ。ONE FNが月一イベントとなり、立ち技とグラップリングの選ばれたファイター達に指定席が用意されるなか、MMAファイターはなかなかFN出場の機会を得ることができない。結果的にFFで戦うことになるのだが、選手としてはハングリー精神に火がつき、イベントは実の有るカードが増えるという利点がある
しかもフィリピンとモンゴルは、アジアにおいてそのポテンシャルの高さは誰もが認めるアジア最強国家候補だ。その一方で、期待通りにMMA産業が発展していないというお国事情にも似通っている。そんな現状を打破する機会こそ、両者が勝ち上がったONE WS PHとRoad to ONE MNであった。
セビジェーノは同シリーズ優勝後にチーム・ラカイに移籍し、昨年12月のマニラ大会で同朋のドレックス・ザンボアンガと対戦。打からテイクダウン&スクランブル、そしてポジションと極めというウェルラウンディットMMAを展開したが、判定負けを喫している。
この試合、勝ったザンボアンガ、敗れたセビジェーノともに全ての局面で戦おうという意欲が感じられた一方で、MMAをしようという意識が強すぎるのか、ストロングポイントを押し付けるのではなく、自分が強くない部分でも攻勢に出ようという無理からMMAを戦っているという風でもあった。
その点。エンフオルギルはフィリピンとモンゴルの格闘事情の違いもあり、組み技と打撃という個々の競技で強さを背景にMMAを組み立てている印象がある。
スイッチヒッター、ロングレンジのパンチで構えを変えて組みにいくような動きもでき、エンフオルギルの攻撃は重量感でセビジェーノを上回る。
その一方で、朴訥に強さを求めるジャダンバ・ナラントンガラグと門下生のエンフオルギルは、待つときは待つだけにルンピニー大会では、イエローを受ける可能性は十分にある。
対して、ラカイに移って2戦目のセビジェーノがルールと裁定基準をより研究し、スコアリングに長けたラカイ流儀に従って戦うことができれば、攻め過ぎてピンチに陥る展開は減るはずだ。
肉体的ポテンシャルの高さは絶対のアジア最強候補国の2人が、ゲームと精神力をいかに融合させるか。その辺りが勝負の鍵を握る一戦になる。
■放送予定
4月21日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
■ONE FF13MMA対戦カード
<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
アドニス・セビジェーノ(フィリピン)
エンフオルギル・バートルフー(モンゴル)
<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
カルロス・アルバレス(フィリピン)
レザー・アバシ(イラン)