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【RIZIN LANDMARK05】太田忍と対戦、倉本一真─02─「岡田選手に負けてから、MMAと向き合えるように」

【写真】昨年11月とは違う倉本が見られるはず、彼にはその素養と環境がある(C)MMAPLANET

29日(土・祝)、東京都渋谷区の代々木第一体育館で開催されるRIZIN LANDMARK05で、太田忍と対戦する倉本一真のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

両者の対戦が決まって以降、何やらインターネット上で騒ぎが起きていた。レスリング時代に対戦経験のある2人に対して、煽り煽られのコメントが寄せられる。太田忍が倉本について語る動画がアップされたり、SNSでやり取りが行われたり――といった流れに対し、倉本自身は「因縁の対決」であることを否定する。レスリングはレスリング、そしてMMAはMMAだからだ、と。では、MMAファイターとして彼は太田戦で何を見せるつもりなのかを尋ねた。

<倉本一真インタビューPart.01はコチラから>


――ファイト・レディーで練習することになった経緯のなかで、「元谷選手に負けた直後に行きたい気持ちが強くなった」とありました。それは、元谷戦の試合内容が影響していたのでしょうか。

「それはあります。前回の試合は、勝てるっていう気持ちしかなかったです。でも負けて、自分の弱いところが分かって……。負けた日にマネージャーから『米国で練習しましょう』と言われて、僕もすぐ『お願いします』って答えました」

――自分の弱かったところ、敗因は何だったと思いますか。

「打撃をもらいすぎですね。今まで負けた試合は、全部ガードが低くなっていました。相手のパンチが速いとか、そういうことよりも僕のガードが緩くなることが多すぎて。それは今までもずっと言われていることなんです」

――相手のパンチが効いているからガードが上がらないのか、スタミナの問題なのか、それとも癖なのか……。

「ガードを上げすぎると、自分のスタイルが変わっちゃうところがあるんです。動きづらくなる、テイクダウンに行きづらくなってしまいますよね。もちろんレスリングでガードを上げることはないし、空手も伝統派だったのでガードは低いじゃないですか。それで試合中も『ガードを上げろ! ガードを上げろ!!』と言われても、気がついたら下がってしまっていて」

――だからこそ米国で、レスリングを生かしながら打撃でも勝つMMAを再確認する必要があったのですね。

「はい。そこはガッチリ修正しています。細かいことは言えないですけど、とにかくガードは大切に(笑)」

――なるほど。時系列が分からなかったので、太田忍戦に向けて米国でレスリング特訓をしているのかと思っていました。

「対策とか、そういうことではないですね。本当にもうイチから、自分のMMAを見直しています」

――ではその太田戦について……SNS上では太田忍選手との間で煽ったり煽られたりという話があり、因縁の対決とも言われています。

「別に煽ったりしたことはないですよ。いろいろ言われているみたいですけど、僕はトラッシュトークに興味がなくて……。彼も会えば挨拶して、普通に話かけてきますしね。僕の嫁さん(リオ五輪女子48キロ級金メダリストの登坂絵莉)は、彼と同級生ですし」

――レスリング時代の対戦成績は、倉本選手の2勝1敗です。2013年と2014年の全日本選手権で倉本選手が勝利し、翌年の国体では太田選手が勝っています。

「うーん……、それもレスリング時代の戦績だから、今は関係ないですよ。過去に僕がレスリングで勝っているからどうというのはないです。今回はMMAの試合なので」

――ではMMAの話をすると、太田忍選手がRIZINでMMAデビューした時はどのように感じましたか。

「もともと彼がMMAをやりたいというのは知っていて、実際デビューして『いずれ対戦することもあるかな』とは思っていました。過去にレスリングで対戦しているので、プロモート側も煽りやすいでしょうし。でも、こんなに早く対戦することになるとは考えていなかったです」

――ではMMAファイターとしての太田忍選手の印象を教えてください。

「……まだこれからじゃんじゃないえすか。なんか彼の気持ちも分かる気がするんです」

――というと?

「彼はすごく運動神経が良いんです。レスリングという競技は、瞬発力やセンスも大事な部分で。レスリング時代も、そういうセンスの良さがありました。今はMMAでもそのレスリング力とセンスで戦っているところがあると思います。それは僕も、人のことは言えないんですよ。自分自身がそうだったので」

――以前、自衛隊体育学校のレスリング部を取材させていただいた時、オリンピック級の選手の身体能力に驚かされました。MMAでもデビュー当初は、その身体能力だけで勝ててしまうのではないかと……。

「ある程度勝てると思います。僕自身も修斗でデビューした頃は、そんな状態で勝てていました。岡田選手に負けて(※2020年5月、岡田遼にKO負け)ようやく、MMAの基礎をちゃんとしっかり学び始めました。テイクダウンしてグラウンドに持ち込んでから、どう進めるのか。ギロチンを取られたり、バックマウントを奪われたらどうするか。力や運動能力だけでは、どうしようもない。本当に一つひとつ細かい技術が必要になって」

――……。

「それって当たり前のことなんですよ。当たり前のことだけど、そうやってMMAと向き合えるようになったのが、岡田選手に負けてからで。それでも、今も試合中にガードが下がってしまい、負けることがある。だから米国へ行って練習する。そうやってきたんです。……何だろう? あんまり人のことを、とやかくは言いたくはないんですけど」

――インタビューでは冷静に語ってくれてきた倉本選手の語気が、いつもより強くなっていることに少し驚いています。

「うん、そうですね……、彼はいきなりRIZINという大舞台でデビューして、MMAではまだそういう経験をしていない。自分自身が通ってきた道なので。『レスリングの対戦成績は関係ない』と言ったのは、そういう意味です。これはMMA。だからこそ僕も『ここで負けたら終わり』という気持ちでいますし、絶対に勝ちます」

■視聴方法(予定)
4月29日(土)
午後2時30分~ABEMA, U-NEXT, RIZIN100CLUB,スカパー!

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