【GRACHAN59×BRAVE FIGHT27】再起戦 、山田哲也「普段は90キロ、ONEのフェザー級はキツかった」
【写真】 ウェルター級で26カ月ぶりの実戦となる山田(C)SHOJIRO KAMEIKE
12日(日)、東京都江東区のTFTホールで開催される『GRACHAN59×BRAVE FIGHT27』で、山田哲也が韓国在住モンゴル人ファイターのブレンゾリグ・バットムンクとウェルター級契約で対戦する。
Text by Shojiro Kameike
山田といえば2016年12月の石原裕基戦を最後に海外へ。2018年以降はONEを主戦場としていた。しかし2020年12月のキム・ジェウン戦で敗れてから、約2年2カ月ぶりの試合をグラチャンで迎えることとなった。ONEとの契約、ウェルター級での復帰、そしてグラチャンでの戦いなど、山田が現状を包み隠さず語ってくれた。
――2020年12月のキム・ジェウン戦以来2年2カ月ぶりの試合を、日本のグラチャンで迎えます。まず現在、ONEとの契約はどのような状態にあるのでしょうか。
「去年の2月にONEとの契約は切れ、その後は9月までマッチング期間でした。ONEから契約更新の連絡がなかったんです。僕自身も更新するつもりはなかったので、契約はそのまま終了となっています」
――ONEとの契約を更新するつもりがなかった──。その理由を教えていただけますか。
「それは単純に、全く試合が組まれなかったからですね。2018年に3試合したあと、2019年と2020年はそれぞれ年1試合のペースで――それだと厳しいと思いました」
――さらにコロナ禍もあって試合が組まれることは厳しかったでしょう。
「自分としては最低でも年4試合はやりたかったです。それで試合が組まれなかったので、やり甲斐を感じられなくなっていきましたね……」
――年4試合ですか! MMAでその試合数は、多くはないですか。
「いえ、専業でMMAファイターをやっているのであれば、それぐらいは試合をしたいです。2017年には8試合やっていましたからね(笑)」
――ONE参戦当時でいえば、敗れたとはいえマラット・ガフロフやキム・ジェウンのような強豪を相手に、年4試合も戦える自信があったということですね。
「はい。フェザー級(ONEは70.3キロ以下)は減量がキツかったですけど……。それでも、いつでも試合ができるように普段から体重には気をつけていました。試合間隔が空かないほうが減量も楽なので、どんどん試合をしたかったです」
――そのようななかで、2018年にはONEで2連勝後に2連敗を喫しました。その戦績については、どのように感じていますか。
「最初に言ったとおり、ちょっとモチベーションの問題で――負けたのは、気持ちが落ち込んでいる時期でもありました。もちろんONEのトップにいる選手たちはレベルが高いですし、試合はしたかったです。ただ、体重的にONEのフェザー級で戦うのは難しかったと思います。最後のほうはウェルター級(ONEは83.9キロ以下)での試合を希望していたぐらいで」
――えっ、通常体重は何キロなのですか。
「90キロぐらいですね。ONEのフェザー級だと、そこから20キロ落とすことになります。わざわざ弱くなって試合に出ているような感じでした。1階級変わると、コンディションも大きく変わってきます」
――ONEを離れて、初めての試合がグラチャンになりました。
「日本に帰国してからは、長岡弘樹選手の総合格闘技DOBUITAでも練習させてもらっているんです。ONEを離れて……マッチング期間が終わって、初めて声をかけてくれたのが、グラチャンの岩﨑(ヒロユキ)代表でした。DOBUITAの長岡選手はグラチャンに出ているので、岩﨑代表も長岡さんから、僕の現状を聞いていたのかもしれません(笑)」
――ONEとの契約が終了した時点で、どこか出場したいプロモーションなど希望はあったのでしょうか。
「いえ、特に何も考えず、声がかかるのを待っていました。日本でやるなら、どうやってRIZINに出ようかなと考えていたぐらいで……。そんななかで、最初に声をかけてくださったのがグラチャンだったんです。ありがたくオファーを受けさせていただきました」
――もう他の海外プロモーションで戦うという選択肢はなかったのですね。
「はい。それと、以前からグラチャンの川中選手に興味がありました」
――現GRANDウェルター級王者の川中孝浩選手ですか。
「そうです。1年半ぐらい前に――まだONEとの契約下にある頃、群馬のINFIGHT JAPANで合宿をしていました。INFIGHT JAPANでは、DEEPに出ている大山釼呑助選手と一緒に練習させていただいていて。その大山選手から『山田君、強いね。そういえば練習したなかでは、川中孝浩選手も強かった。山田君と川中選手、どっちが強いかなぁ?』と言われたんです」
――その大山選手の一言から……。
「そう言われた時は、まだ川中選手と対戦したいとは思っていなかったです。でも、ずっと川中選手のことは頭の中にありました。それで今回グラチャンに参戦させていただくにあたり、川中選手の試合映像を全て見ました」
――いきなり全試合を見ましたか!
「すごく体の力が強い選手ですよね。試合映像を見るにつれ、対戦したい気持ちが強まりました。次の試合は別の相手ですけど、いま一番興味あるのは川中選手です」
<この項、続く>