【Gladiator020】コンバット柔術で江木伸成と対戦、竹本啓哉「掌底を落とすことが一番勝利に近づく」
【写真】見た目にも注意を払うようになった竹本。とはいえ意識のなかった外見と違い、格闘技感には自分があるので簡単にはいかない(C) MMAPLANET
本日22日(日)、大阪府豊中市の176Boxで開催されるGladiator020で、江木伸成とPROGRESSコンバット柔術ルールで対戦する竹本啓哉。
我がために戦うスタイル、生き方の元バンタム級王者は21日(土)に行われた計量にこれまでとは違い髪型を整え、よれよれではないシャツを着て現れた。竹本にどのような心境の変化があったのか。プロスポーツと純粋競技者の間で心が揺れた――いや揺れている心境を計量直後に尋ねた。
――今日は綺麗な髪形ですね。いつもは、計量の時はもっとボサボサの髪の毛だった印象が強いです。
「これは個人的な話なんですけど、プロスポーツって難しいなって。僕はアマチュアの序盤に5連敗しています。プロなら、もう終わりですよね。だから、自分の勝ち筋というモノを見つけてきて、勝てば良いというスタイルで戦ってきました。それだとお客さんを納得させることはできないし、ちょっと修正をしようと思っています」
――それは昨年9月の笹晋久選手との試合が起因となっているのでしょうか。
「そうですね。社長(鈴木陽一アライブ代表)にも、しっかりと注意をされました」
――勝ち筋を見つけ、そこに邁進することは良いと思います。お客さんの理解がなかったとしても一生懸命ポジションを取り続け、抑え込んで勝ったとしても。ただ前回の試合は勝っているかどうか分からないなかで、下で時間稼ぎをしていた。それも一生懸命の表れかもしれないですが、サッカーに例えると勝たないといけない状況でボール回しをしたような感じに見ている人は思ったかもしれないです。あからさまな時間稼ぎは、良い感じではないですよね。でも、それも鈴木社長のようにMMAを理解している人の意見だったかもしれないです。
「ホント、もうメチャクチャ叱られました」
――おお注意から叱られたと表現が変わりましたね(笑)。でも勝利を目指すことは絶対ですし、その可能性が低くなることをするのも違うかと……。
「もう少し、勝敗に関して気楽に構えても良いのかと思いました。良いように考えると、戦績も勝ち越しているので」
――ところで今回は竹本選手に敗れている笹選手の試合が一足先に、国際戦で発表がありました。
「僕自身もう1月に試合はないと思っていました。めちゃくちゃ怒られたので……それもしょうがないかと」
――ついには怒られたという表現になりましたね(笑)。
「……。実際、そういう試合をしてしまったと思っています。色々な人に言われたので、それだけ重要なんだと心に受け止めることができました。でも結果的にコンバット柔術で江木伸也選手と戦うという良いオファーを貰えました。オファーがあることは本当にありがたいです。そことは別に僕自身はコンバット柔術を戦うこと自体、凄く楽しみでした」
――前回の反省云々ではない部分で、コンバット柔術には興味があったと。
「ハイ。色々なルールで戦いたいと思っているので、コンバット柔術も戦ってみたかったです」
――江木選手はコンバット柔術で既に2勝をしていますし、フォークスタイルレスリングと合わせるとプログレス提供試合ではヒールで2度勝っています。MMAグラップラーとは違う、組み技の強さを持っているかと思われますが、その辺りはどのように考えていますか。
「ヒールで2勝……そこに関しては、僕が相手ではなかったから取れる、取れないは分からないです。そこは特別、気にしないです。MMAをやりたいコンバット柔術をやったことがある人と、MMAをやってきてコンバット柔術をやったことがない人間の試合という点で面白いかなって。
柔術家とコンバット柔術で戦い、MMAファイターとフォークスタイル・グラップリングで戦った江木選手に対して、MMAファイターの僕がコンバット柔術ルールで戦う。江木さんはMMAで戦いたいようですが、そこに対して僕が壁になろうと思います」
――意地が感じられる言葉ですね。試合まで1カ月を切り、コンバット柔術とはいえカテゴライズはグラップリング。実は竹本選手が、どういう体重で戦うのかは注視していました。
「それはグラップリングだから減量をせずにキャッチで戦うと思ったということですか」
――そうするのか、バンタム級で戦うのかは注目していました。
「あぁ……僕は今も釜谷(真)さんには本当に申し訳ないことをしたと思っています(2021年9月に釜谷の挑戦を受けた竹本は、計量失敗で王座はく奪。変則王座決定戦となり釜谷をRNCで下した)。あの時は8月に手塚(基伸)選手との試合があって、2カ月連続では体重が落とせないことが分かりました。もう、そういうことはしないと。
今回、それほど時間がなくキツイはキツかったです。ただし、連続ではないのでバンタム級で戦えると思ってキャッチは望まなかったです」
――グラップリングの時は減量を避けたいMMAファイターも多いかと思いますが、そこでバンタム級にこだわったのは?
「この試合がMMAにも通じているからです。ここで負けることはできないですし、勝って次につなげたいので」
――この試合に向けて、足関節や柔術的な練習を増やしましたか。
「アライブの柔術家で、仲良くさせていただいている山脇(悠佑)さんに付き合ってもらってやってきました。基本的にはMMAの練習をやってきたのですが、今回は立ちの打撃はない。なので、その時間はもどかしく感じていましたが、レスリングを強化してきました」
――レスリングを強化。江木選手は立ちを重視するでしょうか。
「引き込んでくることは気にならないですし、江木さんは引き込んでこないと思います。生田(誠)先生との試合や松本(一郎)選手との試合からしても、下にならないのではないかと。互いに上を取って叩きたい。そういう勝負になると思います」
――上を取って叩く。それはMMAファイターの矜持ですか。
「いえ違います。勝つためです。修正しようと思っていると言いましたが、やっぱり勝ちたいです。ルールと僕らの特性を考えると、上を取って掌底を落とすことが一番勝利に近いと思います」
――というのが、髪型が綺麗になった竹本選手の心境ですね。
「これも服も、全て彼女に選んでもらいました(笑)。そうですね、良い試合をしたい……明るく、強く、楽しいコンバット柔術をします」」
■視聴方法(予定)
1月22日(日)
午後2時20分~THE 1 TV YouTube
■ Gladiator020計量結果
<バンタム級/5分2R>
今村豊:60.95キロ
秋田良隆:60.8キロ
<フライ級/5分2R>
坪内一将:56.15キロ
陸虎:56.3キロ
<ウェルター級/5分2R>
藤田大:76.5キロ
スティーブン・ギレスピ:76.95キロ
<Gladiatorフェザー級王座決定戦/5分3R>
中川皓貴:65.7キロ
チョ・ソンビン:65.8キロ
<Gladiatorライト級選手権試合/5分3R>
[王者]キ・ウォンビン:70.25キロ
[挑戦者]グスタボ・ウーリッツァー:69.55キロ
<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級王座決定戦/5分3R>
森戸新士:75.2キロ
ジョセフ・チェン:76.8キロ
<フライ級/5分3R>
宮城友一:56.5キロ
久保健太:56.45キロ
<キック・ウェルター級/3分3R>
璃久:69.9キロ
イゴール・シルバ:70.00キロ
<バンタム級/5分3R>
笹晋久:61.05キロ
ジョン・オリニド:61.2キロ
<バンタム級/5分2R>
溝口司:60.85キロ
ガッツ天斗:60.75キロ
<ヘビー級/5分2R>
大場慎之助:99.5キロ
チョン・ホチョル:96.2キロ
<Progressフォークスタイル・グラップリング79キロ契約/5分2R>
山田崇太郎:78.6キロ
井上啓太:78.6キロ
<Progressコンバット柔術バンタム級/5分2R>
竹本啓哉:61.6キロ
江木伸成:59.8キロ
<アマMMA女子アトム級/3分2R>
セアリ:47.55キロ
MIYU:46.45キロ