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【Gladiator020】ここにもいたっ!! 愛しの格闘バカ=江木伸也─01─「空手~柔道~テコンドー~MMA~柔術」

【写真】掌底をバンバン打てる要因が分かるインタビューです(C)SHOJIRO KAMEIKE

22日(日)、大阪府豊中市の176Boxで開催されるGladiator020で、江木伸成がPROGRESSコンバット柔術ルールで竹本啓哉と対戦する。

江木は全日本選手権優勝、アジア選手権3位という実績を誇る黒帯柔術家だ。現在は藤田柔術やレオス柔術アカデミーでインストラクターを務めながら、プログレスのコンバット柔術ルールに参戦して2戦2勝。昨年9月には初のフォークスタイル・グラップリング戦にも挑み、MAGISAをヒールフックで仕留めている。

そんな江木に、柔術家になるまでの道程を訊くと、そこには幼少期から格闘技が好きで、ひたすらに強さを求めてきた男の姿があった。


――プログレスのコンバット柔術に連続出場中の江木選手です。竹本戦に関するお話の前に、今回は当初MMAを戦う予定であったと聞きました。

「はい。最初はプログレス実行委員会の長谷川(賢)代表から『グラジエイターでMMAを戦いませんか?』というお話を頂きました。実は以前からグラジエイターの櫻井(雄一郎)代表にも『MMAに興味があります。MMAをやりたいです』と伝えていまして。それもあったので、長谷川代表からオファーを頂いてからMMAに照準を合わせていました。ただ対戦相手が決まらず、今回はコンバット柔術の試合になったんです」

――以前からMMAを戦いたいという希望があったということですが、江木選手はMMAを戦うために柔術を始めたのでしょうか。

「いえ、実は柔術を始める前にアマチュア修斗やアマチュアパンクラスにも出ているんです。MMAで強くなるために柔術を始めたら、柔術のほうにハマってしまいました。それが2014年ごろですね。最初は打撃から始めて、MMAから柔術という流れです。それから競技柔術をやっていましたが、やっぱりMMAをやりたいという熱が高まって。ここ1年ぐらい、ずっと藤井章太先生からMMAの指導を受けています」

――そうだったのですね! ちなみに最初に始めた打撃というのは……。

「小学校の6年間、フルコン空手をやっていました。中学と高校は柔道部に入り、大学ではまた打撃で――テコンドー部に入部しました。大学時代は4年間、みっちりテコンドーをやってからアマチュア修斗に出るようになっています」

――空手~柔道~テコンドー~MMA~柔術というのは、凄いキャリアですね。まず空手を始めたキッカケと、そこから柔道に移った理由を教えていただけますか。

「自宅の隣に空手道場があり、近所の男の子たちは皆その道場に通っていたので、僕も自然と入門しました。中学から柔道を始めたのは、見ていてカッコよかったからという単純な理由です(笑)。僕は広島県の福山市出身なのですが、地元の中学校はメチャクチャ柔道が強い学校で。さらに高校も柔道の強い学校に進みました」

――当時は、将来は空手や柔道で生活していこうとは考えていなかったのでしょうか。

「柔道をやっていた頃は、県警に入って柔道を続けようと考えていました。でも高校時代は県大会ベスト8ぐらいの実績で。そこから大学に入った時、テコンドー部を見て『これは面白い。テコンドーをやってみんといけんわ!』と思ったんです。そこから5年間ぐらいはテコンドーにハマりました」

――ということは、大学は柔道の推薦で入ったわけではなかったのですね。

「推薦ではなく受験して入りました。だから柔道部に入らなければいけないというわけではなくて。それよりもテコンドーの蹴り技が、すごく魅力的だったんです。もともと空手をやっていたので、テコンドーも始めやすかったですね」

――ただ、空手とテコンドーの蹴りは異なります。それでもテコンドーを始めた時、6年間離れていた空手の記憶が蘇ってくるものなのでしょうか。

「空手にはないテコンドーの蹴り方が魅力的で(笑)。テコンドーは下段がなく、蹴りは顔面に集まるじゃないですか。距離も違いますし、テコンドーは回し蹴りが多くて。フルコン空手は下段が多くなりがちですが、僕は子供の頃から中段や上段の蹴りが得意だったんです。おかげで蹴り方は違っても、すぐに慣れることができました。テコンドーでは大学時代に、西日本の大きなトーナメントで優勝しています。でも、なぜかそこからMMAに対する熱が出てきて……」

――MMAに対する熱は、何かを見て生まれたのですか。

「それが分かりません(苦笑)。なぜかMMAというものが頭に入ってきて。そんな感じで、気持ちが移りやすいんですね。柔道やテコンドーのように、パッと見てパッと始めたくなってしまいます。ただ、実は大学時代に一度、グラップリングの大会には出ていました。柔道の延長で寝技の試合をやりたくなって」

――柔道からテコンドーに移っているのに(笑)。

「大学時代にパラエストラ広島でグラップリングの練習をさせていただいて、2011年に岡山県で開催された修斗グラップリングのワンマッチに出場しました。当時からMMAの練習にも混ざらせてもらっていて。

その頃、MMAで強くなるために柔術を始めています。大学を卒業してからもテコンドーは続けていましたが、何か新しいことに挑戦したくなりました。そこで思い出したのが、グラップリングで勝てなかったことと、アマチュア修斗に出場したかったけど出られなかったことでした。そういうことが、何かのキッカケでフッと頭をよぎり……」

――それだけ多種多様な格闘競技を経験している選手は、現在では稀なタイプかもしれません。やはり格闘技が好きだったのか、あるいは強さを求めていたのか。

「どちらもあったと思います。子供の頃から格闘技をやっていて好きでしたし、やっていくには強くならないといけないと考えていました。柔道やテコンドーを見て、『これをやれば強くなれる』と思って始めました。それはMMAも柔術も同じです。

大学を卒業して、県警ではなく消防士になりました。当時はTKエスペランサからアマチュア修斗の試合に出て、1勝1敗という戦績でした。プロになるつもりだったのですが、消防士としてプロの活動はできなかったのと、あとは柔術にハマりすぎてしまって。

柔術をやりたいって、パッと頭が切り替わりましたね(笑)。そこから柔術に専念したいと思って、TKエスペランサの岡田剛史代表とも相談し、2015年ぐらいに藤田柔術に移籍しました。あの頃から藤田柔術には強い柔術家がたくさん来ていて、そこで揉まれて強くなりたいと思ったんです」

<この項、続く

■視聴方法(予定)
1月22日(日)
午後2時20分~THE 1 TV YouTube

■ Gladiator020対戦カード

<フライ級/5分2R>
坪内一将(日本)
陸虎(日本)

<バンタム級/5分2R>
今村豊(日本)
秋田良隆(日本)

<ウェルター級/5分2R>
藤田大(日本)
スティーブン・ギレスピ(英国)

<Gladiatorフェザー級王座決定戦/5分3R>
中川皓貴(日本)
チョ・ソンビン(韓国)

<Gladiatorライト級選手権試合/5分3R>
[王者]キ・ウォンビン(韓国)
[挑戦者]グスタボ・ウーリッツァー(ブラジル)

<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級王座決定戦/5分3R>
森戸新士(日本)
ジョセフ・チェン(台湾)

<フライ級/5分3R>
宮城友一(日本)
久保健太(日本)

<バンタム級/5分3R>
笹晋久(日本)
ジョン・オリニド(フィリピン)

<キック・ウェルター級/3分3R>
璃久(日本)
イゴール・シルバ(ブラジル)

<バンタム級/5分2R>
溝口司(日本)
ガッツ天斗(日本)

<ヘビー級/5分2R>
大場慎之助(日本)
チョン・ホチョル(韓国)

<Progressフォークスタイル・グラップリング79キロ契約/5分2R>
山田崇太郎(日本)
井上啓太(日本)

<Progressコンバット柔術バンタム級/5分2R>
竹本啓哉(日本)
江木伸成(日本)

<アマMMA女子アトム級/3分2R>
住村斉明里(日本)
MIYU(日本)

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