【OFC14】鈴木信達がウェルター級王者に。日本人で3階級制覇
【写真】初代OFC世界ウェルター級王者となった鈴木信達。朴光哲、青木真也、大石幸史に続き、日本人4人目のOFC世界王座戴冠となった(C)ONE FC
<OFC世界ウェルター級王座決定戦/5分5R>
鈴木信達(日本)
Def.3-0
ブロック・ラーソン(米国)
鈴木は左下段を見せ、右の蹴りのフェイントを入れる。サウスポーのラーソンは右ジャブを伸ばし、ショートフックで一気に距離を詰めてくる。 距離を取り直したラーソンが再びワンツーを伸ばす。テイクダウンを考えると、打撃に真っ直ぐ下がりたくない。左ローを入れた鈴木は、右ミドルを入れる。やや効いた様子のラーソンが下がる。ワンツーを入れるラーソンだが、距離が遠い。ミドルを掴ませない鈴木、ラーソンは左を伸ばす。ケージ際にローソンを追い込んだ鈴木はミドルを取られるも、首相撲からヒザを突き上げる。
離れてからの飛びヒザをキャッチされるも、足を外側にして耐えた鈴木だったが、ダブルに切り替えられテイクダウンを許す。残り1分、ケージに背中をついた鈴木の足をコントロールしたラーソンが立たせない。パウンドからヒザを入れたラーソンが、パウンドを連続して落す。終盤の攻めでラーソンが初回を取った。
2R、距離を計る両者。ラーソンが左を伸ばすも、鈴木の右ローでバランスを崩す。肩を振った鈴木に反応するラーソン。大きな振りのラーソンの左を受けそうになった鈴木、ポイントを考えると手数が少ないが、狙いはそこではないはずだ。右の三日月のような蹴りを入れた鈴木は、ラーソンの首相撲からのヒザを流して、右ストレートを打ち込む。残り2分、ラーソンのシングルにヒザを入れた鈴木は、さらにヒザを続ける。懸命にシングルに出るラーソンを首相撲に捉える鈴木。たまらず距離を取ったラーソンだが、鈴木の右ヒザをボディに受けて前方に沈む。頭部にヒザを受け、ガードを取ったラーソンにパンチを落した鈴木が、ラウンドを取り返した。
3R、ラーソンの左前蹴りを捌いて、プレッシャーを与える鈴木が左ローを入れる。右ローで態勢が崩れるラーソンに対し、鈴木は続けざまに左ローを入れる。スイッチを見せた鈴木はオーソに戻し左ローを入れる。ラーソンは手を出すが、体重が後に乗っており威力はない。残り1分、右三日月を受けて下がるラーソンは、テイクダウンを切られガードへ。鈴木はスタンドで待ち、ブレイク後に右ミドルを狙う。三日月を効かせた鈴木だが、手数が少なかったこともあり、微妙な3Rとなった。
4R、左ジャブを見せて左ローを蹴った鈴木。鈴木の前進を懸命に左ストレートで止めようとするラーソンは、右ストレートを被弾する。強い左ローで、ラーソンの右回りを止めに掛かる鈴木。ここでレフェリーからアクションを求めるブレイクを両者が受ける。再開後、右ミドルで倒れたラーソン、鈴木はスタンドで待つとが引き込む。ラーソンはダメージの回復に掛かるが、レフェリーにブレイクを命じられ、スタンドに戻る。鈴木は右ハイへ。しゃがんだラーソンの顔面に蹴りを入れた鈴木が、距離を取ってスタンドで待つ。残り2分、テイクダウン狙いから引き込んだラーソンに対し、鈴木は徹底してグラウンド戦を避ける。組みから引き込みを続けるラーソンが、ヒザを受けてまたもガードへ。鈴木が4Rを圧倒した。
最終回、ラーソンはショートフックを見せるが、鈴木の右ミドル受けて、懸命に組みついていく。ラーソンにケージに押し込まれ、アンクルを取られた鈴木だったが、頭を押して足を引抜くことに成功する。ここで気持ちが完全に折れたか、ラーソンは組んでは切られ、ガードを取るという展開を続けるようになる。そのテイクダウン狙いに、鈴木は頭にヒザを入れる。
残り2分、ついに鈴木は、引き込んだラーソンにパウンドを落してから離れる。ここで5Rもタイムアップに、終了ともに勝利を確認し、両手を挙げた鈴木。対照的に椅子に座り込むラーソン。勝利者コールを受け、「勝てると思っていませんでした。皆さんの応援があって勝てました」と語った鈴木が、ライト級の青木真也、フェザー級の大石幸史に続き、3階級目の日本人OFC世界王者=ウェルター級王者に輝いた。OFC世界王者はバンタム級のビビアーノ・フェルナンデス以外は、全て日本人が巻くこととなった。