【UFC114】ミドル級実力者対決は、ビスピンに軍配
■第10試合 ミドル級/5分3R
マイケル・ビスピン(英国)
Def.3R終了/判定
ダン・ミラー(米国)
【写真】試合前には額を付け、にらみ合った両者。米英を代表する実力者同士の対戦はビスピンが勝利を挙げた (C) ZUFFA
オクタゴン中央で額を合わせ睨み合った両者、インスペクターが割って入るほど力が入っている。自らパンチを放つとき、ディフェンスが甘くなるビスピンは、左を打つときは右で顔面を守っているが、右を出す際には左手がダラリと下がるため、そこにミラーの右を受けてしまう。
ボディ、右ローと前進するミラーの右ストレートがビスピンの顔面を捉える。ビスピンの左ストレートに、ローを合わせるミラーは、ビスピンよりも初期動作の小さい打撃で僅かながらペースを掴む。左ジャブに受けるが、直後に左右のフックを返したビスピンが距離を詰めようとしたところで最初の5分間が終わった。
2R、互いに距離を計るなか、ミラーのローが3発ほどビスピンを捉える。それでも前に出るビスピンだが、ローを続けて受けると、やや姿勢を乱すようになる。同士打ちで打ち勝ったビスピンは、右を打ち込みすぐに距離を取る。ピスピンは左ハイを見せ、ミラーのテイクダウン狙いを切る。右フック、左ハイキックと勢いづくビスピンは、打撃の精度が上がり流れを掴むと同時に、パンチの切れが増し右ストレート、右アッパーを放っていった。
試合序盤と比較しても、動きが柔らかくなったビスピン。最後に右ストレートを受けたが、確実にこのラウンドを取り、最終ラウンドへ。
3Rミラーはローを軸にパンチを打っていくと、右ストレートがビスピンの顔面を捉え、一瞬動きを止める。前に出てくるミラーに対し、ビスピンはショートフックで迎え撃ち勢いづかせない。
残り3分、足を使い、カウンター狙いのビスピンから、ミラーがテイクダウンを奪うことに成功する。ケージに押し込み腰をコントロールしたミラーだが、ビスピンは立ち上がってクラッチを切り距離を取る。残り試合タイム70秒、場内にUSAコールを起こるも、ミラーのテイクダウン狙いを潰したビスピンは、ミラーの打撃を迎え撃つように戦い続けたが、タイムアップ間際にパンチを受けて姿勢をやや崩す。
ここで試合は終了し、ジャッジは30-27が2人、29-28が1人と、意外なほど一方的なポイント差をつけ、10カ月ぶりのラスベガスでビスピンが判定勝ちを手にした。