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【DEEP108】石塚雄馬の挑戦受けるライト級正規王者─大原樹理「DEEPのベルトは誰にも渡す気はない」

【写真】言葉の端々の自信が感じられる──ミスターDEEP直前の大原樹理(C)SHOJIRO KAMEIKE

10日(日)、東京都文京区のTDCホールで開催されるDEEP108のメインイベントで、DEEPライト級王者の大原樹理が、石塚雄馬を挑戦者に迎えて初防衛戦を行う。
Text by Shojiro Kameike

昨年7月に暫定王座を獲得した大原は、今年3月に正規王者の武田光司がベルトを返上したため、大原が正規王者に認定された。これまで勝利と敗北を繰り返してきた大原は現在、DEEPとRIZINで7連勝中。大原の中で、どのような変化があったのだろうか。そしてホームであるDEEPのベルト防衛戦で、大原が王者として目指すものとは。


――次の試合に関するお話を聞く前に……お名前の表記が「樹里」から「樹理」になっていますが、改名されたのでしょうか。

「いえ、実はもともと本名は樹里ではなく樹理なんです。たぶん『じゅり』と打ち込んだら最初に変換されるのが里のほうなので、みんなそっちを使っていたと思うんですよね。表彰状とかは樹理で書いてもらっていました。まぁ、どっちでもいいかなぁと思いながら(笑)」

――DEEPからのリリースも今回から「樹理」となっていますので、MMAPLANETでも今後は大原樹理と表記します。その大原選手が保持しているDEEPライト級王座は、今年3月に正規王者の武田光司選手がベルトを返上し、暫定王者であった大原選手が正規王者に認定されました。

「できることなら統一戦で正規王者になりたかったです。でも、こうなった以上は仕方ないので……。まずは欲しかった正規王者の肩書を取ることはできたので、これから正規王者として頑張っていきたいです」

――武田選手にリベンジしたいという気持ちは、今でも持っていますか。

「何て言うんでしょうね……。これは当事者同士しか分からない気持ちかもしれないです。リベンジしたい気持ちはありますけど、今後もう交わることはないだろうなと思っています。それでも正直なところ、今はオレのほうが上だと思っていますから。もし今、試合することがあれば――3回負けても4回目に勝てば、それが勝ちですからね」

――2019年12月の武田戦で敗れて以降は7連勝しています。この期間に大原選手の中で、何か大きな変化などはあったのでしょうか。

「前チャンピオンに負けて、よりベルトへの執着心が強くなったことが一つあります。あとはお世話になっている接骨院で毎朝、体幹トレーニングを見てもらっていて。その影響がすごく大きいなと思っています」

――体幹トレーニングですか。ここ最近の試合で大原選手のスタンスが変化してきていて、オーソドックスでもサウスポーでもなく、正面立ちに近いスタンスでナックルを当てきるパンチが増えているように思っていました。

「あぁ、そうですね。ここ2年ぐらい体幹トレーニングをやっていて、その効果が少しずつ出てきています。おかげで以前よりも強いパンチを打ち込むことができていると思いますね。あとはパンチと蹴り、蹴りとパンチの繋ぎも良くなりました。どんな体勢からでも強く殴ることができています。

完全な体幹トレーニングなので、外の筋肉ではなくインナーマッスルを鍛えているんですよ。身体の大きさはそんなに変わらないんですけど、組まれた時に倒されにくくなりましたし、倒されても立ちやすくなったりとか。そういったところが、だいぶ変わりました」

――それは大原選手にとって、大きな自信に繋がっているのでしょうか。

「はい。RIZINの2試合は、その成果が大きく出ていたと思います。毎朝毎朝、キツいトレーニングで……。トレーニングは1日30分ぐらいなんですけど、その30分はエグいぐらい追い込まれています」

――体幹トレーニングを始める前は、そういった体づくりは取り組んでいなかったのですか。

「……筋トレが嫌いなんですよね(苦笑)。それで先生に1日15分から30分ぐらいならできるだろうと言われて、短い時間でキツいメニューをやることになりました」

――その結果7連勝を飾っていますが、ご自身の中では過去のインタビューで発言している、ミスターDEEPに近づいていると思いますか。それともすでに……。

「まだ近づいている段階かなぁと思います。どうなったらミスターDEEPなのかと言われたら、DEEPと聞いたら誰の名前を連想するのか、ということだと思うんですよ。その点でいうと、まだDEEPと聞いたらいろんな名前が出て来るじゃないですか。皆が皆、DEEP=大原樹理だと思ってくれたら、ミスターDEEPになれるのかなと」

――今回はDEEPのビッグマッチでメインを務める。それもミスターDEEPへの階段を一歩ずつ上っているのではないかと思います。

「DEEP100回目の大会で自分はセミに出たんですけど(2021年2月のDEEP100で北岡悟にKO勝ち)、あれから5戦やってビッグイベントのメインを任せてもらえるようになった。そこは少しだけ成長できたのかなって思います」

――今回の試合にあたり、DEEP佐伯代表からは、どのように声をかけられたのでしょうか。

「それが試合順を聞いたのは、煽りVを撮っている時だったんですよ(笑)。しかもプレッシャーをかけられました。興行が成功するか失敗するかはメインにかかっているから、って。『頑張りまーす』と答えましたけど(苦笑)」

――現在の大原選手にとっての目標は、DEEPのベルトを防衛することなのでしょうか。それとも他の舞台で勝つことですか。

「RIZINで勝つことは、素直に嬉しいですよ。見ている人の数が違うし、勝てば反響も大きいので。でもDEEPで勝ってもRIZINで勝っても、応援に来てくれる人や親、彼女はみんな喜んでくれる。それが一番だし、やっぱり自分の中ではDEEPのベルトを防衛することが大切なんです。10年以上このベルトを追いかけてきて、やっと獲ったものですから。たとえRIZINに出続けることになっても、DEEPのベルトは誰にも渡す気はないです」

<この項、続く

■視聴方法(予定)
7月10日(日)
午後2時30分~SPWN PPV
午後2時30分~ニコニコ生放送

■ DEEP108対戦カード

<DEEPライト級選手権試合/5分3R>
[王者] 大原樹理(日本)
[挑戦者] 石塚雄馬(日本)

<ライト級/5分3R>
北岡悟(日本)
上迫博仁(日本)

<フェザー級/5分3R>
中村大介(日本)
ユータ&ロック(日本)

<バンタム級/5分2R>
渡部修斗(日本)
内山拓真(日本)

<フライ級/5分2R>
本田良介(日本)
杉山廣平(日本)

<女子ストロー級/5分2R>
ケイト・ロータス(日本)
ARAMI(日本)

<メガトン級/5分2R>
赤沢幸典(日本)
アンディコング(日本)

<バンタム級/5分2R>
雅駿介(日本)
海飛(日本)

<フライ級/5分2R>
原虎徹(日本)
風我(日本)

<バンタム級/5分2R>
山本有人(日本)
濱口奏琉(日本)

<ライト級/5分2R>
泉武志(日本)
野村駿太(日本)

<フェザー級/5分2R>
劉獅(日本)
鷹辰(日本)

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