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【ONE158】和田竜光と対戦、カイラット・アクメトフ「国土の奪い合いがカザフスタンの歴史」

【写真】淡々と丁寧にインタビューに答えてくれたアクメトフ (C)MMAPLANET

6月3日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE158で、カイラット・アクメトフが和田竜光と対戦する。

渋い実力者同士のタイトル戦線サバイバルマッチを前に、そのアクメトフに和田戦に向かう気持ちとタイトル戦線について尋ねた。


――金曜日に和田選手と戦います。今の調子はいかがですか。

「ハラショー。もう精神的にも肉体的にも完全に準備はできている。いつでも試合ができるよ」

──今回はどこでファイトキャンプを行ったのでしょうか。

「カザフスタンのアルマトイにある自分のジムだよ。打撃、レスリングを通常通りトレーニングをしてきた。何か特別な準備をしたわけではなく、いつも通りの調整をしてきただけだよ。いくつかタツミツ・ワダの特性を考えてね。彼のスキルを理解したうえで、しっかりと注意して戦いたい」

──ウクライナ問題で、中央アジアのカザフスタンにいる選手は何か影響を受けることはなかったですか。

「ないよ(笑)。カザフスタンはロシアの支配下にあるわけじゃない、独立国だからね。ロシアと中国、キルギス、ウズベキスタンとの国境があり、ロシアの問題は関係ない。もし中国で何かあったとしても関係ない。カザフの人間は自由に国を行き来出来る」

──それはそうですね。スミマセン。ところでここ2試合はコロナ・プロトコル下でシンガポールではバブル内で過ごす状況でした。ようやくホテルの外に自由に行き来できるようになったと聞いています。気分的に違いますか。

「まずロックダウンが行われている時でも、ONEはしっかりと選手に戦う機会を与えてくれた。ホテルで隔離されても、僕らは戦うことができた。ONEには心から感謝している。今回、隔離もバブルもなく自由に外に出ることができるけど、だからと言って前もホテルのなかでコーチと顔を合わせることはできたし、トレーニングもできたから問題はなかった。

今回、外の空気を吸える。でも、僕はシンガポールに観光に来たわけじゃない。戦いに来た。だから、大きな変化とは捉えていないよ」

──ところで昨年12月にダニー・キンガドを破った際、次のタイトルチャレンジャーは自分になるという気持ちはなかったですか。

「ワカマツは素晴らしいファイターだ。彼も12月に良い仕事をして、しっかりと勝利を収めた。ランク的にも彼が上だったし、ワカマツが王座に挑戦したことで何か思うということはなかった。

彼が世界王座に挑戦した時、ちょっと体調を崩していたけど、僕はワカマツの応援をしていたんだ。何度か顔を合わせたこともあるし、良い感じなんだよ。タイトル挑戦については、今は考えないようにしている。とにかく目の前の試合に集中したい。そのことを考えるのは、この試合を終えてからだ」

──この試合後にどう進むか、青写真は描けているようですね。

「もちろんだよ。ワダに勝ってタイトル挑戦権を手にしたい。それは絶対だ。でも、今言ったようにそこは考えないようにしている。ちゃんとこの試合に向き合いたいからね。そこをクリアしてから、次のことを話すようにするよ」

──では和田選手の印象を教えてください。

「打撃もレスリングもできるウェルラウンダーだ。経験豊かな選手だし、本当の意味でMMAファイターといえる。凄く尊敬しているよ。ただしケージに入って、ドアが閉まると何も関係ない。強い方が勝者になるだけだよ。

僕のファイトの基礎はレスリングだ。彼もレスリングがベースだと知っている(※和田のバックグラウンドは極真空手と柔道)。日本のレスリングとカザフスタンのレスリング、どちらが上か腕比べだ(笑)。最初は打撃戦になり、そこから徐々に組み合いの勝負になるんじゃいかと思っている」

──カイラット、今日はありがとうございました。最後に今、ONEに限らずUFCなど国際舞台でカザフスタンの選手が活躍をしています。そのカザフの選手として、海外で戦うようになったパイオニアの1人であるカイラットは、カザフ・ファイターの強さの要因はどこにあると考えていますか。

「カザフスタンではMMAはとても新しいスポーツで、その歴史は10年ほどしかない。君が言ってくれたように、僕はカザフスタンでMMAに興味を持った最初の世代だ。自分が頑張ることで、次の世代の選手がグローバルな大会で戦う機会を得られるよう戦ってきた。

今は世界中でそういう選手たちが試合をしているけど、僕らの頃はそうでもなかったから、今よりずっとチャレンジングだったと思う。

カザフスタンのファイターが強いのは、常に戦場だったという歴史が関係していると思う。国土の奪い合いがカザフスタンの歴史だ。恐怖を克服する精神力を国民が持っている。色々なスポーツが盛んに行われているけど、MMA人気は短期間で高まった。それも僕らの血のなせる業だろう。

国際戦でカザフスタン国旗の下で戦うことを、選手全員が光栄に思っている。それもあって、カザフスタンの選手は大きな舞台の国際戦で強いんだと思う」

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