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【Grachan54】蹴られそうで、蹴られない原口伸。テイクダウンを重ね、植田豊を下し暫定ライト級王者に

【写真】崩れない。ポスチャーの強さが際立っていた(C)MMAPLANET

15日(日)に東京都港区の品川インターシティホールでGRACHAN54&55が開催された。

J-MMA新時代を告げるようなマッチアップ、重量級の戦い、そしてタイトル戦と今のグラチャンが詰まったダブルヘッダーから──ここではGrahan54のメインイベント=Grachan暫定ライト級王座決定戦の模様をお伝えしたい。

念願の王座奪取へ、キャリア3度目のタイトル戦に臨む植田豊に対し、原口伸はデビューから8カ月&4戦目の選手権試合になる。


<GRAND暫定ライト級王座決定戦/5分3R>
原口伸(日本)
Def.3-0:30-27.30-27.30-27
植田豊(日本)

サウスポー同士、原口の右ローを植田がチェックする。原口は右カーフ、植田は右ミドルを蹴る。ローから前に出た原口は、ヒザ蹴りにもダブルレッグで組んでテイクダウンを決める。ハーフの植田にパンチを入れる原口は、右腕を差されても右手をついてバランスをとる。

煽る植田はウィザーでアンダーフックを殺され、煽り切れずに動きが止まる。起き上ることができず、右のパンチを断続的に被弾する植田は背中をつけるまで動くと、原口が連打で右を打ちつける。潜り切れず、パンチを連打された植田がフルガードを取ろうと正対するが、原口は足を捌いてパス、上四方へ。

原口はアームロック狙いも、頭を跨ぐことができない。最後に植田はハーフから右腕を差してスクランブルに持ち込み、原口をケージに押し込むところまで挽回。オープンスコアでジャッジ3者とも、原口を支持した。

2R、植田は右ハイ、原口は右カーフからジャブを伸ばす。植田の右ハイが顔面を捕らえたように見えた刹那、原口は蹴り足をキャッチしボディロックから豪快にテイクダウンを決めると、間髪いれずパウンドを連打する。

ハーフで左足にしがみつき、右腕を差した植田は小手を決められ下になりそうな場面で、原口の勢いを利用し右足を持ち上げてスイープを仕掛ける。一瞬尻もちをつきながら原口はすぐに体を起こしてトップを取ると、ハーフでパンチを連打する 。

ここもハーフで動きが止まった植田は、エルボーを落とされ、ワキ腹から顔面を殴られると状態を起こすことができない。なんとか両足を戻した植田に対し、原口は立ち上がって足首を掴んだ状態が続く。ここでレフェリーがブレイクを命じ、植田がスタンドに戻った。

しかし蹴り足をキャッチされ、テイクダウンを許した植田はエルボーを受けながらクローズドを取り、腕十字へ。腹ばいになるが、原口は腕を抜いて上四方で殴り続ける。植田は足を絡めるも、捌かれる。正座状態の原口は、クローズドに戻されると動き始めパウンドを落とし──この回もジャッジ3者の支持を得た。

最終回、左フックから右ハイを蹴る植田。蹴りはキャッチされる可能性があるが、原口のガードが甘いという判断か。その原口はここでは左ストレートに組みつき、ダブルからボディロックでテイクダウンを決める。

がぶりに背中をつけた植田は、上四方で抑えられる。植田が腹ばいになると原口はがぶってワキ腹と頭部を殴る。立てない植田は展開を変えることできない。

サイドバックを許しガードを取った植田は、ようやくスクランブルに持ち込んで立ち上がることに成功する。原口はケージに押し込み、ボディ打ちとヒザを腿に入れ、レベルチェンジからダブルレッグ──植田が尻もちをつく。

両足を束ね、ワキ腹を殴る原口は時計回りに動き植田に背中をつけさせる。植田は最後までハーフでシングル&立ち上がることを狙ったものの原口は根を張ったようにびくともせず、時間を迎えた。

判定は当然のようにフルマークで原口に凱歌が挙がり、兄・央のグラジエイター・フェザー級王座に続き、弟・伸がグラチャン・ライト級王者に就き、兄弟で2つの大会のベルトを巻くこととなった。

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