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【UFN206】ポリアナ・ヴィアナと対戦、タバタ・ヒッチ「自分の足で歩いて生きていけると日本で学んだ」

【写真】日本の思い出を本当に懐かしそうに話してくれたタバタ (C)MMAPLANET

21日(土・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでUFN206:UFN on ESPN+64「Holm vs Vieira」が開催される。

今大会ではLFAを経てUFCと契約を果たしたタバタ・ヒッチがポリアナ・ヴィアナと対戦する。日本の道着着用カスタマイズMMA、SEI☆ZAを拠点に活動していたタバタに日本での日々を振り返ってもらった。


――タバタ、UFC3戦目となるポリアナ・ヴィアナ戦が今週末に迫ってきました(※取材は16日(火・同)に行われた)。今の気持ちを教えてください。

「試合が楽しみでしょうがないわ。ポリアナのようにUFCで4年も戦っている選手と戦う機会を得ることができて嬉しい。しっかりと準備してきたわ」

──LFAでタイトル挑戦目前というところで、フライ級でマノン・フィオホと戦うことに同意しUFCと契約をしました。

「ホントにクレイジーよね。試合の3日前にサインして。マノンは今やタイトル・コンテンダーだし、どれだけの力を持っているのかも理解していたわ。1階級上の彼女の武器に私が苦労することも分かってサインしたの。UFCは私の夢だったし、あそこで断って後悔するようなことをしたくなかった。毎日練習していて、体調に問題はなかったから。

実際、そうなったけど……あの試合で負けても、そこからUFCのストロー級で戦うことができる。このストロー級での戦いが私にとって本当の勝負ね」

──ではヴィアナの印象を教えてください。

「柔術ベースで、ハイレベルのグラップラーよね。打撃も良いところがあるけど、やっぱり寝技が強い選手。下になることもいとわない。でも、私もそういう展開は望むところよ。この試合はMMAだけど、柔術ゲームになるかもね」

──そんなヴィアナ戦、やはり柔術がポイントになると踏んで準備してきたのでしょうか。

「そうね。今はカリフォルニアに住んでいて、色々なところで練習しているけどメインジムはパラゴン柔術ベンチュラよ。それとブラックハウスのムエタイ・セッションで準備してきたわ。

日本を離れてノーギワールドに出場して紫帯ミドル級で優勝した時、フランジーニャ(ヒカルド・ミラー。パラゴン柔術総帥)が私をパラゴンに誘ってくれて、それから彼の家で居候をさせてもって私は米国に拠点を創ることがデキたの。全てはフランジーニャのおかげよ」

──フランジーニャはもともとアリアンシの柔術家ですが、タバタもアリアンシ系のアカデミー出身で縁があったのでしょうか。

「いいえ、私はマルコス・バルボーザ柔術系のアカデミー出身だから、フランジーニャはそういうことに関係なく私のサポートをしてくれたの」

──そんなタバタはなぜ、2017年にSEI☆ZAで来日したのですか。

「私がブラジルでムエタイを練習していたジムの指導者ムニ・アドリアーノに、コンタクトがあって。川崎に約1年間住むことになったの」

──日本とブラジル、全く文化も習慣も違います。戸惑うことばかりだったのではないですか。

「そうね、言葉もできないし。本当に大変だった。ネパール人女性2人(ラジーナ・ビスタとラダ・マナンダー)と、リトアニアからやってきたユリア・ストレアレンコと共同生活をして。それでも川崎に住んでいるブラジリアン・ファミリーと知り合ったし、何よりユリアの存在が大きかった。彼女は英語を話せたから、私に英語を教えてくれて。ユリアが米国で試合がある時は、私はいつもコーナーに就いているの。昨日も電話で話したし、ほとんど毎日のようにユリアとは話をしているわ(笑)」

──川崎でリトアニア人の親友ができるって、最高ですね。

「本当にMMAのおかげね。格闘技の本分よ。確かにコミュケーションを取るのは大変だったけど、日本は最高だったわ。本当に美しい国で。サムライの国で積むことがデキた経験は、私の大きな財産になっているわ。なんといっても食事が素晴らしくて。日本の一番好きなところは、ご飯かな(笑)」

──好物は何でしたか。

「ラーメンよ(笑)」

──ラーメン……アスリートがダメじゃないですか。

「分かっているわ(笑)。でも、SEI☆ZAはほとんど無差別級だったし、私はたくさん食べて体を大きくしないといけなかったから。本当にラーメンは美味しかった(笑)」

──ラーメンをすするのって、難しくなかったですか。

「あの食べ方は、私たちの国だと最悪のマナーだけど。日本の人は美味しいモノを食べる時は、音を出すのよね(笑)」

──和食の麺類のみですけど(笑)。

「本当に私の常識からはかけ離れていたわ(笑)。絶対に日本以外では、しちゃだめよ。でも日本ではそうしないといけないって思って、音を出してラーメンを食べていたわ(笑)。それにフィッシュマーケットを訪れるのも大好きだった。SEI☆ZEのチームメイトとは家族のような関係になって、普段の生活から練習まで互いに助け合い、泣いて、笑って本当に濃密な時を過ごせたわ」

──先ごろ引退した小見川道大さんは、現役生活最後の試合前にタバタとユリアがUFCで頑張っていることが凄くモチベーションになると言っていました。

「おお、アイ・ラブ・オミガワさん。オミガワさんは凄く豪快で楽しい人、でも心遣いができる優しい人で。随分と夕食も御馳走になったわ。私とユリアは引退するオミガワさんにビデオレターを送って、感謝の気持ちを伝えたの。オミガワさんと初めて会ったのは巌流島を見に行った時で。彼はジムに招待してくれて柔道だけでなくMMAの指導もしてくれたわ。そしてオミガワさんの助けがあって、私は講道館の黒帯を巻くことができたの。

私の父は柔道をやっていて日本に行くことが夢だった。その父に代わって日本に行き、黒帯になれたことを誇りに思っているわ。父も私を誇りに思ってくれているはず。それまでずっと家族と一緒に生活してきて、1人で日本に行って1年近くを過ごしてことで私は自信を手にすることができたの。

どこに行っても人間は生きていけるんだってことに、ね。誰も知らない国で、自分の足で歩いて生きていけることを日本で学べたわ。結局、理由も聞かされずSEI☆ZAが活動停止になり、もう日本に住むことができなくなって……実は沖縄でMMAを戦うという選択もあったけど、地球の逆側に戻って米国でまずは柔術家として活動しMMAを戦おうって決めたの。

でもSEI☆ZAでの経験は本当に役立っているわ。何よりSEI☆ZAからはユリアと私、2人のUFCファイターが生まれたんだもの、ね。日本の日々があったから、私もユリアも今があると思っているわ」

──素晴らしいです。ポリアナ・ヴィアナ戦後は、どのようにキャリアアップを狙っていますか。

「ポリアナとの試合でUFCの信頼を勝ち取り、今年中にランキング入りを果たしたい。そのためにポリアナ戦では打撃を見せて、一本勝ちかKO勝ちしないとね」

──タバタ、今日はありがとうございました。では日本のファンにメッセージをお願いします。

「今も日本のファンから応援のメッセージが届いて、とても嬉しくて。少しでも早く日本で試合がしたいと思っているわ。日本で教わった気持ち……リスペクトをもって戦って、皆が喜んでくれるような試合になるようベストを尽くすわ。アリガトウゴザイマス」

■視聴方法(予定)
5月22日(日・日本時間)
午前5時00分~UFC FIGHT PASS

■UFN206対戦カード

<女子級バンタム/5分5R>
ホーリー・ホルム(米国)
ケトレン・ヴィエイラ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
サンチアゴ・ポンジニビオ(アルゼンチン)
ミシェウ・ペレイラ(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
チディ・ンジョグアニ(米国)
ドゥスコ・トドロビッチ(セルビア)

<女子ストロー級/5分3R>
ポリアナ・ヴィアナ(ブラジル)
タバタ・ヒッチ(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
エリク・アンダーソン(米国)
パク・ジュンヨン(韓国)

<ミドル級/5分3R>
ジョセフ・ホームズ(米国)
アレン・アメドフスキー(マケドニア)

<ヘビー級/5分3R>
パーカー・ポーター(米国)
ジャイルトン・アルメイダ(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
オマル・モラレス(ベネズエラ)
ウロス・メディッチ(セルビア)

<バンタム級/5分3R>
ジョナサン・マルチネス(米国)
ヴィンス・モラレス(米国)

<フェザー級/5分3R>
チェイス・フーパー(米国)
フィリッピ・コラレス(ブラジル)

<女子ストロー級/5分3R>
エリース・リード(米国)
サム・ヒューズ(米国)

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