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【POUNDSTORM01】世界に立ち向かうJ-MMAファイター(05)宇佐美正パトリック「好きに言っとけって」

【写真】デビューは9月、それを考えるとあり得ないマッチアップで大尊としては絶対に負けられない試合だ(C)MMAPLANET

24日(日)、東京都墨田区の両国国技館で開催されるPOUNDSTORM01。アレアンドロ・カエタノ対戦する中村倫也と共に宇佐美正パトリックが第3部に出場し、大尊伸光と戦う。

Road to UFC出演、修斗では環太平洋ライト級のベルトを巻き、現在もランキング1位の大尊にデビューから半年、プロ4戦目のパトリックが挑む。現代MMAの軸であるレスリングがワールドクラスであった中村に対し、卓越したボクシングセンスを持つパトリックだが、組み技という軸を養成する必要がMMAファイターとしてあった。その点を踏まえると、ゼロの部分から創り上げてきた成長の疾走感は──基礎があった中村以上ともいえる。

2022年、春~世界に立ち向かうJ-MMAファイター特集~。第5弾は、「2022年は自分のキャリアが動く1年」と断言する宇佐美正パトリックに話を訊いた。


──これが記者会見のセットかという、会見でした(※取材は3月3日に行われた)。

「本当にそうですよね」

──ある意味、色々な人に見守られての会見でもありましたね。

「緊張し過ぎて、何を喋ったら良いかも飛んじゃっていたんですよ。とにかく記者会見が終わってホッとしています。試合も発表されたので、これからしっかりとスイッチを入れて倫也さんと一緒に勝ちたいです」

──試合が決まってから、発表まで間があったような気がします。

「そうですね、僕は大尊選手が受けてくれると聞いていたのは2週間ほど前でした」

──対戦相手が大尊伸光選手と聞かされた時の気持ちは?

「激熱ッ!!っていう気持ちですね(笑)。来たぁっ!!──て、感じですね。だって修斗のランキング1位ですよ。それを取ってしまえば、指名試合で挑戦もできるし」

──LDH martial artsの1年生が修斗をぶっ潰していますね。

「いやいや、そんなことないですよ。全然ッスよ。むしろ、僕は修斗のおかげで色々な選手と試合をさせてもらって、感謝の気持ちでいっぱいです」

──そこで修斗らしいのが、大尊選手にしてもこの試合を受けるということですよね。普通は避けたくなるでしょうに。

「断られないですよね、そうやって指摘されたら。ソレ、嬉しいです。もっと感謝の気持ちでいっぱいになります。それだけの気持ちで、デビュー4戦目の選手と戦ってくれる大尊選手もそうだし、これまで戦ってくれた選手にもリスペクトの気持ちでいます。

そういう気持ちでいても、試合って勝ち負けはついてしまうものなので。尊敬できる選手だからこそ負けたくないので、自分は練習していくだけなんです」

──なぜかライト級チャンピオン西川大和選手と対戦相手が被るような気がします。以前は、西川選手の試合内容に負けないようと意識していた部分がありましたが、今回はいかがですか。

「西川君、階級上げるじゃないですか。日本ではウェルター級で戦っていくという話が入ってきて。そういうのは面白くないなって。だから、もう彼を意識することなく強い人と戦って倒していくだけです。

髙谷さんと岡見さんから与えられた相手には、『俺はやります』って答えるだけです。しっかりと意味のある試合を組んでくれるので。そうやって戦っていきます。それだけ自信を持っているので。それも髙谷さん、岡見さんにメチャクチャ練習で追い込まれているからで。そしてLDHのサポートがある。だから、どんな状況でもしっかりと動いて勝てると思っています」

──大尊選手も意地があるはずです。どこに気を付けないといけないと思っていますか。

「振って来るパンチとテイクダウンじゃないですかね。レスリングがバックボーンでパワーがあると思います。体もゴツイし。でも僕はそういうところでなくて、細かい部分をジリジリと詰めてしっかりと勝ちます。

大尊選手にはおいしくない試合かもしれないですが、僕は自分にはランキングに入れる力があることをアピールする戦いになります。だからこそ、そういう細かいことの積み重ねで勝ちます」

──去年の今頃、「倒されたら……」という不安があったかと思います。その場合は相手の打撃も見えづらくなるかと。

「今はもう組まれてからの対応に自信があるので、めちゃくちゃパンチも見えています。トップレスラー、えげつないレスラーが練習仲間にいますからね。レスリングのことは何を聞いても、答を用意してくれています。それがあるだけで、どんどん対戦相手のことが分かってきます。もちろん、レスリングの動画とか視て勉強もしています。倫也さんがいるのは、大きいです。

それにデビュー戦でテイクダウンされて、立ち上がることができた。アレが大きかったです。以前はテイクダウンされて、上を取られると怖かったです。でも、あの試合で立てたことで凄く自信になりました」

──グラウンドに持ち込むと、何とかなると思われているとすれば?

「好きに言っとけって思います。俺はちゃんと練習しているし、皆さんが思っている以上に成長しています。それをちゃんと見せつけたいです」

──ところで倫也選手はPOUNDSTORMという大舞台ですが、ステップアップするためのフィーダーショーです。現状、倫也選手とパトリック選手ではキャリアアップに関して、同じスピード感ではないかと思われますが、パトリック選手はPOUNDSTORMで戦うこととキャリアアップをどのように捉えていますか。

「アピールできるなら、どこででもアピールしたいです。それは海外も含めて。2022年は自分のキャリアが動く、そういう1年になると思っています。そういう風に僕がなるためにもPOUNDSTORMでは、相応しい相手と戦わないといけなくて。それが大尊選手だったんだと。

POUNDSTORMは、これから世界を目指す人間が集まるところです。結果、レベルの高い大会にんる。本物の格闘技が好きな人は、絶対にチェックしてくれるはずです。このイベントがあることで、色んな意味で良い影響を日本の格闘技界に与えられる。そういう大会になると思っています。

EXFIGHTもそうですし、完全に格闘技として成り立っていますからね。選手のことしか考えていない。だから試合も厳しい。厳しいから意味があると思っています。そこを乗り越えていかないといけないので。世界に行くために、自分から好き好んで厳しい状況に身を置きたいです。達成感を感じたいので。嫌々やっているわけじゃないですからね」

──弟の宇佐美秀メイソン選手も昨年のパトリック選手のように、世界を目指し挑戦を始めました。一緒に練習することも増えたかと思いますが、その辺りはプラスになっていますか。

「練習の時は弟としては見ていないです。1人の選手として、見ています。メイソンに追いつかれるのは絶対嫌なので……。僕の方が先に始めているわけですし、寝技のスパーリングでも一本を取るようにして、メイソンにアドバイスできるよう先を進もうと心掛けています。

ただ、凄く良い刺激になります。メイソンも組む度に成長していますし。力もついてきて。向き合った時の圧もそうですね。弟が日に日に強くなっているからこそ、僕も負けたくないという気持ちで練習に向き合えます」

──なるほど。では大尊戦、何を狙って戦いますか。

「今回は✖✖✖で行きます(笑)。菅原(和政)戦の前も、左じゃなくて右で倒すって言って……伏字にしてもらっていたけど、右で倒したじゃないですか。今回は✖✖✖で倒します」

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