【ONE130】デニス・ザンボアンガと再戦へ、ハム・ソヒ「楽しんで戦う。それが本来のハム・ソヒ」
【写真】勝敗はついてくるもの。だからこそハム・ソヒらしさをあの舞台で見せてほしい (C)MMAPLANET
26日(土・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE130「ONE X」で、ハム・ソヒがデニス・ザンボアンガとの再戦に挑む。
昨年9月に女子アトム級ワールドGP初戦でサンボアンガに判定したハム・ソヒだが、その判定が論議の対象となった。加えて準決勝=スタンプ・フェアテックス戦は負傷で欠場を強いられた。
因縁の相手との再戦を前に、ハム・ソヒにインタビューを試みた。ハム・ソヒが我々の知るハム・ソヒであり続けるために、彼女はサークルケージでの戦いを楽しむと言い切った。
――重症化の恐れが少ないとはいえ、韓国ではコロナの陽性者が1日に30万以上という状態になっており、練習などに影響は出ていないでしょうか。
「ホントに凄く多くの人が感染しています。実際、ジムの仲間も数多く陽性になっているので、凄く用心しています。ただし、練習をしないわけにはいきません。感染対策をしっかりとしたうえで、今は全体練習を行わなくなりヘッドコーチ、トレーニングパートナーと限られた人数で練習をしています。
とにかくこれまでの試合前と比較しても、しっかりと準備し、しっかりと練習してきました。心身ともに最高の状態です。自信も凄くあります。一つだけ心配なのは試合までにコロナで陽性にならないこと。それだけです」
──この状況も本当に長くなりました。精神的にストレスは、それでもなかったのですね。
「こういうことは人類が経験してこなかったことです。最初はこんなに長引くとは思っていなかったですよね。でも、もうこれだけ続いているんだから、この現状に合わせるしかないと思うようにしました。制限のある生活、繰り返されるテスト。それが普通なんだと。以前はこうだったと考えると、ストレスになってしまいますからね」
──素晴らしいです。ところでGP優勝を目標にONEとサインをしたハム・ソヒ選手ですが、ケガで準決勝を欠場し目標を果たせなかったです。欠場が決まった時は、どのような気持ちになりましたか。
「ケガをした時は『どうしよう?』、『どうすべきかな』と凄く動揺していました。でも少し時間が経つと、もう起こってしまったことだと考えるようになって。きっと、私が勝負を賭けるのは、このタイミングじゃなかったんだと思えるようになりました。時間が過ぎると共に平静さを取り戻し、『さぁ、次に向かおう』っていう気持ちになっていきました」
──9月のデニス・ザンボアンガ戦ですが、判定問題以上にハム・ソヒ選手の動きの悪さが気になりました。あれはハム・ソヒではない。どこかケガでもしていたのでしょうか。
「ケガはしていなかったです。ただハイドレーションテストにパスしたのが、試合当日の朝だったことが影響したんじゃないかと思います。リカバリーの時間が十分ではなかったです。試合中、そのことが頭に残っていて『力を使いたくない』という気持ちがずっとありました。体調が100パーセントじゃない、頭のなかがそういう風になっていて。
だから積極的に動けていなかったですよね。自分の力を出し切って戦うということができていなかったので。それとGPトーナメントなので、『ケガをしちゃいけない。準決勝がすぐにあるから』という精神状態だったことも大きく影響していたかと思います。結果、あのような試合展開になってしまいました」
──今回の試合でもハイドレーション、計量に不安はないですか。
「あの大変だった経験が生きています(笑)。もう、絶対に大丈夫です」
──韓国料理はショッパイですよね(笑)。
「私、韓国料理は好きじゃないんです(笑)」
──えっ!!! あんなに美味しいのに!!
「アハハハハ。とにかく、もうハイドレーションは大丈夫です。体重ももう問題ないです」
──日本のファンも100パーセントのハム・ソヒをONEという舞台で見せてほしいと思っているに違いないです。
「前回の試合は、本来の力を出せなかったです。ただ、そこに関しては何も言うことはありません。26日、ケージのなかで証明します」
──押忍、力強い言葉です。
「ハム・ソヒを見せます。今のハム・ソヒ、これまでの全ての経験を生かした動きをして、自分の動きができなかった前回の試合の印象を払拭してみせます」
──デニスとの再戦に集中しないといけない状況なのは百も承知ですが、メインのONE世界女子アトム級選手権試合の予想をしていただけないでしょうか。
「……」
──そんな顔をせずに、ぜひ(笑)。
「正直に言うと……スタンプの最近の成長ぶりは目を見張るモノがありますよね。だからスタンプが案外、一方的に勝つのではないかと。ただアンジェラ・リーにもきっと、彼女がチャンピオンであり続けている何かを持っているはずです。そういう部分をアンジェラ・リーは試合中に見せるでしょうし……。
う~ん、難しいですね。スタンプが楽勝しそうだけど、アンジェラが何か決定的なことをするかもしれない。予想は難しいです」
──とはいえ、その勝者がハム・ソヒ選手のターゲットになります。
「ベルトを巻くためにONEで戦うことを決めました。唯一の理由が、チャンピオンになるためです。ただ戦うためにONEに来たんじゃありません。ここでベストになり、チャンピンになることしか考えていないです。ベルトを奪う。それしか考えていないです」
──カムサハムニダ。ハム・ソヒ選手、最後に日本のファンに一言お願いします。
「本当に日本の皆に分かって欲しいのですが、私は今も心の底から日本で戦いたいです。でもコロナ危機、パンデミックがあってそれがなりませんでした。それでも最終的には絶対に日本で試合をします。その日が来るまで、ハム・ソヒ本来の力を出せるようサークルケージでベストを尽くします。
と同時にファイトを楽しみたいと思っています。戦うことが楽しい、それが本当のハム・ソヒだと日本のファンの皆さんは理解してくれていると思います。引き続き、応援よろしくお願いします。カムサハムニダ、アリガトウ」
■放送予定
3月26日(土・日本時間)
午後1時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時00分~ABEMA PPV ONLINE LIVE
■ONE130 「ONE X」対戦カード
<ONE世界女子アトム級(※52.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]アンジェラ・リー(米国)
[挑戦者]スタンプ・フェアテックス(タイ)
<フリースタイル・フライ級(※61.2キロ)/3分4R>
ロッタン・シットムアンノン(タイ)
デメトリウス・ジョンソン(米国)
<ONE世界フライ級 (※61.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]アドリアーノ・モライシュ(ブラジル)
[挑戦者] 若松佑弥(日本)
<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
秋山成勲(日本)
<ムエタイ・ライト級/3分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
ウェイン・パー(豪州)
<ONEキックボクシング世界フェザー級選手権試合/3分5R>
[王者]スーパーボン・シンハマウィーン(タイ)
[挑戦者]マラット・グレゴリアン(アルメニア)
<ムエタイ世界バンタム級選手権試合/3分5R>
[王者] ノンオー・ガイヤーンハーダオ(タイ)
[挑戦者] アラヴェル・ラマザノフ(ロシア)
<ONEキックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
【王者】カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)
【挑戦者】秋元皓貴(日本)
<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ハム・ソヒ(韓国)
デニス・ザンボアンガ(フィリピン)
<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(日本)
ジヒン・ラズワン(マレーシア)
<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
キジュ・ジェウン(韓国)
タン・カイ(中国)
<キック・フェザー級ワールドGP決勝/3分5R>
チンギス・アラゾフ(アゼルバイジャン)
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)
<グラップリング・ミドル級 (※93.0キロ)/15分1R>
ライニア・デリダー(オランダ)
アンドレ・ガルバォン(ブラジル)
<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
ジャレミー・ミアド(フィリピン)
<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
アミール・カーン(シンガポール)
高橋遼伍(日本)
<ヘビー級(※70.3キロ)/5分3R>
カン・ジウォン(韓国)
ポール・エリオット(英国)
<グラップリング女子アトム級(※52.2キロ)/12分1R>
山口V.V芽生(日本)
ダニエラ・ケリー(米国)
<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
澤田龍人(日本)
仙三(日本)
<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
アシャ・ロカ(インド)
アリス・アンダーソン(米国)