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【Bu et Sports de combat】武術で勝つ。型の分解、ナイファンチン編(05)「手刀、刀の理合い」

【写真】笑わば、笑え。刀も理を知るためのツールだ(C)MMAPLANET

武術でMMAを勝つ。空手でMMAに勝利する──型を重視する剛毅會の武術空手だが、岩﨑達也宗師は「型を使って戦うということではない」と断言する。型稽古とは自身の状態を知り、相手との関係を知るために欠かせない。

サンチン、ナイファンチン、セイサン、パッサイ、クーサンクーの型稽古を行う剛毅會では、まずサンチンから指導する。そんな剛毅會の稽古には站椿が採り入れられている。

全ての根幹となる武術の呼吸を学ぶことができる──サンチンで創られた、空手の体をいかに使うのか。その第一歩となるナイファンチンの解析を行いたい。目線と体の向き、足の小指が正しくなることでナイファンチン立ちが成り立つ。前回はナイファンチンの型の動きに基づく「二挙動の手刀受け→ヒジ当て」の手刀受けを分解した。

このナイファンチンの型の動きに基づく手刀受け→ヒジ当は、二挙動の手刀受け、一挙動の手刀(内と外)、一挙動のヒジ当てという3つのプロセスがあるが、「シンプルな動きのなかに、重要なことを詰まっています」(岩﨑)ということで、今回は「二挙動の手刀受け→ヒジ当て」の手刀受けを改めて深掘りしたい。

<ナイファンチン第4回はコチラから>


相手の突きに対し


下がってからの


手刀では


左ハイや


左の追い突きを受ける

相手が打って来ることに対し、そのタイミングで下がってからの手刀だと相手の間になっているので、攻撃を受けてしまう。「相手の追撃を許してしまいます」(岩﨑)

ナイファンチンは首里手の代表的な型であり、首里手の始祖・拳聖=松村宗棍が薩摩で示現流の免許皆伝を得たことで、刀の理合いに通じることがある。ここでは刀の理解を通じて「二挙動の手刀受け→ヒジ当て」の手刀受けの理解を深めたい

右足前の攻撃に対し


下がってから


抜刀しても既に斬られている。「本来は攻撃されて、この状態で刀を抜くことはできないです。車の運転に例えると、下がる時にギアを入れて動くこと。下がってからギアを入れても、もう遅いということです」(岩﨑)


「間を制しておらずタイミングで動くと、下がって→抜くという動きになるが、さがるときには抜く状態になれば斬られることはない。刀がない、手刀受けでも同じことが言えるということです」(岩﨑)

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