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【UFN199】アスンソン戦へ。止まらないリッキー・シモン「抑え込んで疲れるのはエネルギーの無駄使い」

【写真】一見の価値がある──シモンのMMA (C)MMAPLANET

18日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN199:UFN on ESPN+57「Lewis vs Daukaus」でリッキー・シモンが、ハファエル・アスンソンと対戦する。

レスリングベース、打撃と柔術を加えたシモンは止まることを知らない回遊魚のようなMMAスタイルの持ち主だ。レスリング力を軸にした──先を取るスクランブルゲームで時代を切り開く──リッキー・シモンに初インタビューを試みた。


──長年バンタム級戦線のトップで活躍していたものの現在3連敗中のハファエル・アスンソンと戦います。

「凄く自信があるよ。今、僕は3連勝中で3連敗中のアスンソンはプレッシャーを感じているだろう。と同時にずっと彼の試合を見てきたし、彼のような選手と戦えることが嬉しいよ」

──今回の準備はアーバインのチーム・オーヤマ、それともグレイシーバッハ・ポートランド、どちらで行ってきたのですか。

「どちらも、でだよ。半々で準備をしてきた。コーチ・オーヤマ、アレックス・ペレスと練習し、アレックスの試合が1週間前にあって皆がベガスへ行き、アレックスは試合後は休息にはいるだろうから、最後はポートランドで活きの良い若い選手たちと調整をしてきたんだ」

──チーム・オーヤマには堀内佑馬選手も在籍しています。

「ユーマ!! 彼とも少し練習した。ベガスに来ていたし、こっちでも再開できて良かったよ。ユーマとのトレーニングはいつだって激しくて、楽しいんだ。こないだ、LFAで素晴らしいKO勝ちをしているし、きっとUFCで彼の試合を見ることができるようになるだろう」

──ところでリッキーのノンストップMMAは、今のMMAを象徴するアグレッシブな戦い方で、いつも楽しみにしていました。とにかく止まることがないですね。この戦いはある意味、テイクダウンを最終目標としていたフランキー・エドガーやドミニク・クルーズのスタイルをさらに進化させ、テイクダウンをしても止まらないという領域に入ったように感じます。

「とにかく僕のスタイルは、相手が望まないことを仕掛けることなんだ。スタンド、バック、グラウンドでも自分のレスリングで攻め続ける。テイクダウン、サブミッション、自分の可能な攻撃を仕掛けるんだ。僕自身、MMAを始める前からドミニクやフランキーをチェックしていた。GSPとともに参考にしてきたといっても良いよ」

──確かに打撃を交えた彼らのテイクダウンは神業レベルでした。とはいえ時代は変わり、今のMMAファイターのテイクダウン防御力、そして倒されても立ち上がるスクランブルの力はGSPの時代とは違います。リッキーは相手に動く隙を与えて、その動きに合わせてコントロールするようなファイトに見えます。

「凄い分析だね(笑)。確かに僕はテイクダウンし、相手が動いたところでその先をいく仕掛けを狙っている。打撃もテイクダウンも交えてね。スタンドに戻ろうとしても、そこを衝いて動くし、相手よりもより多くの仕掛けを用意しているんだ」

──このスタイルは動きを止めないハードなモノだと思いますが、それでも強引に抑え込んだりするよりも、自分のペースとリズムで戦うことができてエネルギーをセーブできるということはないですか。

「それが僕の戦い方だよ。抑え込んで疲れるのはエネルギーの無駄使いだ。そのために壁レスをファビアーノ・シャウナーと徹底的に練習してきた。毎週、何十ラウンドとね。レスリングを使って、15分間戦い切るのが僕のスタイルだからね」

──いくら素晴らしい抑え込みができても、ファンやプロモーターはアクションを求めます。そこも考慮したスタイルなのでしょうか。

「そういう意味では動きのなかで、パウンドでダメージを与え、カットも狙っている。しっかりとポスチャーすれば、良いパンチやエルボーを落とすことができるからね」

──グラウンド&パウンドを使う際、スペースが出来ます。そこで相手が起き上ることも想定して殴っていますか。

「気にしていないよ。立ち上がって来るなら、そこに対処すれば良いだけで。目の前にある標的に攻撃するだけだから」

──なるほどぉ。ところでSUGでタッグチーム戦に出場しています。あのルールで戦うことは、何かMMAに役立つことはあるのでしょうか。

「まずチームメイトのチェール・ソネンが望んだから出た。従弟のジョン・シモンとのタッグチームをチェールが見たいって言ってきたんだ。MMAの試合の合間に、ああいう形式のグラップリングを戦うのも楽しかったよ。結局のところ、僕はファイターなんだろうね」

──タッグチーム戦でない試合をSUGで戦うこともあるでしょうか。

「そうだね。チームメイトの多くが戦っているし、機会があればSUGで戦ってみたいよ」

──それと個人的にリッキーがトップ15に入っていないのが信じられないです。だからこそ、アスンソン戦が重要になってくるかと。

「ありがとう。ホント、自分でもなぜランキングに入っていないのか分からない。5位(ロブ・フォント)と拮抗した勝負をして、6位(マラブ・デヴァリシビリ)に勝っているけど、ランク外なんだよ。僕自身ランキングに入るだけの能力があると思っている。だからこそ12位のアスンソンを相手に、それを証明する。そしてトップ15の誰とでも戦って勝てる力をあることをアスンソン相手に見せつけるつもりだよ」

──リッキー、今日はありがとうございました。日本のファンももっとリッキーのノンストプアクションに注目してほしいと思っています。

「サンキュー・ソーマッチ。僕もいつか日本に行きたい。ユーマから日本のファンのことを聞いているし、UFCが日本大会を少しでも早く復活させることを願っているよ」

■視聴方法(予定)
12月19日(日・日本時間)
午前6時00分~UFC FIGHT PASS

■UFN199対戦カード

<ヘビー級/5分5R>
デリック・ルイス(米国)
クリストファー・ダカウス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
スティーブン・トンプソン(米国)
ベラル・モハメッド(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
アマンダ・レモス(ブラジル)
アンジェラ・ヒル(米国)

<バンタム級/5分3R>
ハファエル・アスンソン(ブラジル)
リッキー・シモン(米国)

<ライト級/5分3R>
ディエゴ・フェヘイラ(ブラジル)
マテウス・ガムロ(ポーランド)

<フェザー級/5分3R>
ダレン・エルキンス(米国)
カブ・スワンソン(米国)

<ミドル級/5分3R>
ジェラウド・マーシャート(米国)
ダスティン・ストーツフス(米国)

<バンタム級/5分3R>
ハオーニ・バルセロス(ブラジル)
ビクター・ヘンリー(米国)

<ヘビー級/5分3R>
ジャスティン・タファ(米国)
ハリー・ハンサカー(米国)

<女子フライ級/5分3R>
シジャラ・ユーバンクス(米国)
メリッサ・ガト(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
シャルル・ジョーダン(カナダ)
アンドレ・イーウェル(米国)

<女子フェザー級/5分3R>
ラケル・ペニントン(米国)
メイシー・シェエソン(米国)

<ヘビー級/5分3R>
ドンテイル・メイス(米国)
ジョシュ・パリジャン(米国)

<ライト級/5分3R>
マット・セイレス(米国)
ジョーダン・ラヴィット(米国)

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