この星の格闘技を追いかける

【RIZIN TRIGGER01】住村竜市朗戦へ、木下憂朔─02─「自分が一番やったるっていう気持ちです」

【写真】一番目立つとか、一番頑張るでなく──「一番やったる」というのは良い響きだ(C)MMAPLANET

28日(日)、兵庫県神戸市のワールド記念ホールで開催されるRIZIN TRIGGER01で、DEEPウェルター級王者の住村竜市朗と対戦する木下憂朔のインタビュー後編。

幼少期から学んだ空手をベースとした打撃と、圧倒的な制圧力を持つ組み技が合致したのが木下のMMAだ。さらに今年に入って、木下のグラップリングの精度は高まっている。
その陰には同じ関西で根をはる柔術家、カルペディエム芦屋の岩崎正寛の存在があった。目指すは、大阪のワンダーボーイだ。

<木下憂朔インタビューPart.01はコチラから>


――木下選手は、アマ時代とプロデビュー以降では試合スタイルが異なりますよね。アマ時代はグラウンドでサブミッションを狙い続けていたのに対し、プロの試合では打撃の攻防からテイクダウンし、削ってからフィニッシュを狙うスタイルになりました。

「はい、アマとプロでは全然違いますね。アマの時はヘッドギアもあるから殴っても効かへんし、テイクダウンしてもパウンドがないじゃないですか。でも寝かせて一本を取ったら終わりやから、極めに行っていました。フィニッシュしたほうが分かりやすいし、プロデビューへのアピールになると思ったんで」

――アマ時代からプロへのアピールを考えて試合をしていたのですか。

「そうですね。あと、アマチュアだと相手がガンガン前に出てくるんですよ。ただお互いに打撃が当たらなくて、2発ぐらいパンチが交錯して寝技になる。でもプロやと、ヒジやヒザとか、組んだ状態での打撃もありますからね。そこが違うというのはあります」

――現在は所属しているパンクラス大阪のほかに、カルペディエム芦屋でも練習しているそうですね。

「カルペディエム芦屋の岩崎(正寛)さんとは出稽古先で出会って、寝技を教えてもらいたいと思ったんです。お願いしたら快くOKしていただいて、今もお世話になっています。パンクラス大阪ではスパー中心で、グラップリングについて分からないところを岩崎さんに聞いて教わる、っていう感じです」

――カルペディエム芦屋は柔術道場ですが、そこで教わるのはグラップリングですか? それとも柔術なのでしょうか。

「MMAで使えるグラップリングですね。岩﨑さんはMMAもメッチャ見ていて、MMAに生きるグラップリングを教えてもらっています。おかげで、以前はできなかったことも試合で出るようになりました。何かの技っていうよりは、どんな展開になっても瞬時に技が出るようになった、という感じですね」

――なるほど。一方で、木下選手は組みになる前の打撃が、他の選手よりは少し大振りですがスピードが圧倒的に速いです。その打撃で相手を下がらせてから組むことが多いですよね。

「打撃のスピードは、この階級ではトップレベルやと思っています。特に速く出そうと意識しているわけじゃないんですけど、速い打撃から試合を作っていけたらなぁとは思っていますね」

――打撃でフィニッシュを狙っているわけではないのですか。

「絶対に打撃で試合を終わらせる、とは思ってはいないです。でも、その打撃があるからリラックスして組むことができるかもしれないです。試合の中で多少は考えることもありますけど、それよりは体が勝手に動くタイプだと思います」

――理想とするファイターはいますか。

「理想というのはないんですけど、好きなのはUFCのスティーブン・トンプソンです」

――ワンダーボーイ! トンプソンも独特なアメリカンスタイルではありますが、空手出身のMMAファイターですね。

「空手のスタイルは違いますけど、そのテクニックを使って勝っているところが好きです。僕がちゃんとMMAを見始めたぐらいから好きな選手で。距離感の設定とか、今のUFCでも一番うまいんじゃないかと思うぐらいです」

――木下選手が目指すのもUFCだと、YouTubeの動画でも発言されています。

「UFCや海外を目指しています。でも、今それを言っても無理だと思うので。やっぱり順序があるじゃないですか。ただ行きたいって言うだけじゃなくて、たどり着けるような結果を出していきたいです」

――分かりました。では改めて、次の対戦相手である住村選手に対する印象を教えてください。

「ムチャせえへんですよね。試合運びが上手いです」

――直近の米田奈央戦では、相手の前進をいなし続けて判定勝利を収めました。木下選手も米田選手と同様、前に出るタイプです。

「そうですね。自分でも住村選手にとっては、対処に慣れているタイプやと思います。そこで、自分がどうやって出ていくのかがポイントじゃないですか」

――そんななか、どんな試合を見せたいですか。

「たくさんの人が見ている大会やし、中学の時に自分が思い描いていた大きな会場で試合ができる。だからインパクトを残したいですね。この大会に出る選手の中で、自分が一番やったるっていう気持ちです。自分が目立たないといけないって思っています」

――国内のウェルター級は、ここ数年トップ選手が固定され、他の階級と比べても新世代の選手は少なかったと思います。そのようななかで、前回の高木健太戦の勝利により、木下選手が飛び出してきたような印象があります。

「ありがとうございます。言われてみると、そうかもしれないですね。高木選手は、パンクラスのベルトを獲るために倒さないといけない相手でした。あの試合が、まさかRIZINに繋がるとは思っていなかったですけど……。これからもフィニッシュを求める試合をしたいです。それがRIZINでも、UFCでも求められている選手だと思うんで」

■視聴方法(予定)
11月28日(日)
午後2分~Exciting RIZIN
午後2時~RIZIN LIVE
午後2時~スカパー!

■ RIZIN TRIGGER01対戦カード

<フェザー級/5分3R>
昇侍(日本)
萩原京平(日本)

<68キロ契約/5分3R>
堀江圭功(日本)
中田大貴(日本)

<ウェルター級/5分3R>
ストラッサー起一(日本)
川中孝浩(日本)

<ウェルター級/5分3R>
住村竜市朗(日本)
木下憂朔(日本)

<バンタム級/5分3R>
獅庵(日本)
魚井フルスイング(日本)

<フライ級/5分3R>
竿本樹生(日本)
松場貴志(日本)

<フェザー級/5分3R>
鈴木千裕(日本)
山本空良(日本)

<73キロ契約/5分3R>
奥田啓介(日本)
グラント・ボグダノフ(米国)

<バンタム級/5分3R>
釜谷真(日本)
ダイキ・ライトイヤー(日本)

<キック53キロ/3分3R>
政所仁(日本)
平松侑(日本)

<キック61キロ/3分3R>
市村大斗(日本)
テーパリット・ジョウジム(タイ)

<キック46キロ/3分3R>
百花(日本)
未來(日本)

<バンタム級/5分3R>
加藤ケンジ(日本)
藤原克也(日本)

<キック55キロ/3分3R>
森井翼(日本)
FUJIMON♡(日本)

PR
PR

関連記事

Movie