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【UFN198】見る者の心を打つミーシャ……の顔を打ち続けたケトレン・ヴィエイラが判定勝ち

<女子バンタム級/5分5R>
ケトレン・ヴィエイラ(ブラジル)
Def.3-0:49-46.48-47.48-47
ミーシャ・テイト(米国)

3度タッチグローブを繰り返し、思わず笑みをもらしたミーシャ。MMA復帰2戦目で、バンタム級最前線にあるヴィエイラと相対する。右フックから左を見せるヴィエイラに対し、ミーシャは踏み込んでワンツーを狙う。すかさず右を合わせていくヴィエイラは、距離を測りながら素早い右を伸ばす。左ジャブを当てたヴィエイラ、ハンドスピードは明白に違う。

距離を取るミーシャは前蹴りも、左リードをフックを受ける。ヴィエイラのジャブが伸び、果敢にミーシャが踏み込むがカウンターが待ち受けている。ミーシャは右ボディフックを入れ、ワンツーからスリー・フォーと続けて組みつく。ヴィエイラは苦労することなく離れ、左から右アッパー、ボディを殴る。ミーシャはここで組みつくが、自ら離れジャブに逆にジャブを2つ被弾してしまう。ヴィエイラのシングルレッグに、バックを伺ったミーシャは打撃より、組みに力強さを見せた。

インターバル中にデデ・ペデネイラスに「なんでテイクダウンなんて狙うんだ。ボクシングで行けと言ったじゃないか。右を続けろ」という叱責を受けたヴィエイラは、ミーシャの左ハイを払って組まずに、右を振るう。離れたミーシャは初回より近い距離に立ち左ジャブを伸ばす。ヴィエイラは左ジャブを当て打撃でアドバンテージがあるように見える──が、ミーシャも右をヒットさせる。ローで体が一回転したミーシャは、そのローにワンツーを合わせていく。自らのローにワンツーを被弾し、パンチにもカウンターを打たれるミーシャだが、左フックを振るい前蹴りをアゴに入れるとワンツーのコンビで前に出る。

気持ちの強さが変わらないミーシャがワンツーを再び入れるが、その打ち終わりにヴィエイラが左フックを打ち込む。ミーシャはダブルレッグを切られ、ローに跳び込むがテイクダウンを奪えない。それでもワンツーで前に出たミーシャは鼻血を流しながら、ジャブを伸ばす。そのジャブから右をに繋ごうとするミーシャに、右アッパー&左フックを入れたヴィエイラがジャブを当ててラウンド終了となった。

3R、ワンツーで前に出るミーシャ。テイクダウンのフェイクから左を繰り出す。ヴィエイラはしっかりと距離を取るが、ミーシャが左右のローを入れる。距離を詰めるミーシャに対し、ヴィエイラは左フックで迎え撃つ。と、アイポークがあったとヴィエイラがアピールし、試合が中断する。再開後、ジャブから前に出てくるミーシャに対し、ヴィエイラは右オーバーハンドはかわす。カウンター狙いに徹している感のるヴィエイラが、右を当てるがミーシャは殴られても前に出る。

とはいえ後ろ足重心のパンチが多く、パンチに力は伝わり辛く、何よりも組みへの移行にタメが必要な構えになっている。それでもミーシャはダブルレッグで押し込み、スナップダウン。ヴィエイラが前方にバランスを崩したところで離れる。最後の15秒に連打で前に出たミーシャがクリンチからヒザを入れて時間となった。

4R、ミーシャは左ジャブで前に出て右を振るう。完全にリアクションファイトになっているヴィエイラが、右オーバーハンドを被弾する。ミーシャのジャブに右クロスを入れ、ジャブを当てるヴィエイラは、ついにダブルレッグで姿勢を乱し、スクランブルでミーシャがバックに回る。

スタンドのバックキープは、ヴィエイラが胸を合わせるとミーシャがボディと顔面にパンチを入れる。ダーティボクシングで攻めるミーシャは、振りかぶったパンチを打っていく。離れた両者、ミーシャがワンツーを入れ、同時にヴィエイラの左フックを当てる。首相撲に取りながら、ボディを連打されたミーシャが離れる。ここでも飛び込むのはミーシャで、ヴィエイラはローに右を当てようとする。ここでワンツーで前に出たヴィエイラが、組んできたミーシャのボディを殴り、エルボーを顔面に入れる。ミーシャは腰を引いた首相撲からヒザ蹴りも、ポイント的には追い込まれた。

ハグからスタートした最終回、ヴィエイラの回転数が上がる。ミーシャも果敢にダブルレッグからクリンチ、ヒザを突き上げて離れる。直ぐに組んでパンチを入れたミーシャは、離れてジャブを伸ばす。右アッパー&左フックという一番の動きを繰り返したヴィエイラは、やはり待ちの姿勢か。足を止めてパンチを打ち合った両者、優勢なのはヴィエイラだが、頭を振ってミーシャが前に出る。

そこにヒザを入れ、右を決めたヴィエイラはジャブも続けて当て、ミーシャの鼻血が多くなる。と、ミーシャが右オーバーハンドをヒット。ヴィエイラはジャブで前進を止めに掛かり、堅実にパンチを入れる。それでもミーシャは前に出ることを止めず、左フックを届かせる。ヴィエイラは回ってジャブ、左目が潰れたミーシャが追いかけて左ミドル。ヴィエイラがここも距離を取って、勝利とともにデデが肩車し勝利をアピールした。

3R以外はヴィエイラ、49-46がスコアとして妥当だが──果たして結果は48-47が2人、49-46が1人でヴィエイラが判定勝ちで歓喜の雄叫びを挙げた。MMAとしては勝ったのはヴィエイラ、ミーシャの顔面を打ち続けた勝利は注文をつけるべきではないだろう。ただし、人々の心を打ったのはミーシャだったことも間違いない。

「楽しかった。それが私の一番のプライオリティ。接戦だったけど、彼女が勝つ可能性は十分にあると思っていた。私はベストを尽くしたし、彼女は勇敢で素晴らしかった。人生を生きるうえで、この旅を楽しんでいる。この瞬間を生き、この瞬間に成長している。本当に良い時間を過ごしたわ。素晴らしい選手と戦えた。2人の子宝に恵まれて、良い人生を送っている。本当に素晴らしい人生なの。皆、応援してくれてありがとう」とミーシャは話した。


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