【Bellator271】見逃せないエリート✖雑草。倫也+パト=アーロン・ピコ✖テクニカルなゲイジー=ゴンザレス
【写真】ベラトールのフェザー級戦線をより激しく、楽しくさせるピコとゴンザレスのマッチアップが実現!!(C)BELLATOR
12日(金・現地時間)、フロリダ州ハリウッドのセミノール・ハードロックホテル&カジノでBellator271「Cyborg vs Kavanagh」が開催される。
英国~アリゾナ~ロシア~アイルランドと目まぐるしい1カ月を送ったBellatorが再び米国に戻り、フロリダでのイベントではメインにクリス・サイボーグ✖シネード・カヴァナグの女子世界フライ級選手権試合が組まれた。
そんなフロリダ大会のメインカードで、見逃せないエリート✖雑草のフェザー級の対戦が見られる。それがアーロン・ピコ✖ジャスティン・ゴンザレスの一戦だ。
AJ・マッキー政権が始まったBellatorフェザー級戦線は前チャンピオンのパトリシオ・フレイレ、ワールドGP出場のエマニュエル・サンチェス、アイルランドで直接対決を行ったペドロ・カルバーリョとダニエル・ヴェイケル(※前者が勝利)の中堅&ベテラン勢に対し、GP参加組ではアダム・ボリッチ、ランク外にジェイジェイ・ウィルソンなど若き注目ファイターがひしめき合っている。
そのなかで何度躓こうが、アーロン・ピコのパフォーマンスの高さとカリスマ性は際立っているといっても過言でない。1996年9月生まれの25歳、戦績は8勝3敗。戦績に特筆すべきモノはない。
ただしMSGでプロデビュー戦を行ったピコは、キャリアの全てが特別だ。カリフォルニアがメキシコだった時代の最後の為政者の血を引く名門の出で、カデットとジュニア時代にフリー&グレコ、そしてフォークスタイルで全米王者になるなど輝かしい戦績をレスリングで記録してきたピコ。2013年には世界カデットで今ではEXFIGHT所属でMMAファイターへの道を歩み始めた藤波勇飛を破って優勝している。
10代でのリオ五輪出場の夢が潰えたが、その2年前にボクシング(全米ジュニア・ゴールデングローブ優勝)やパンクレーション(全米及び欧州選手権金メダリスト)でも結果を残してきたピコをスコット・コーカーは青田買いし、Bellatorは純正培養に努めた。
レスリングは当然として、ボディフックに見られるボクシングのセンスの良さ、おいってみればピコは中村倫也と宇佐美正パトリックが融合した強さをデビュー時から兼ね備えてきた。
が、上記にあるように順調にMMAファイター人生を歩むことはできなかった。まずデビュー戦のザック・フリーマン戦でまさかのギロチンチョークで一本負けを喫する。それでもLFA初代フェザー級王者のレアンドロ・イーゴを初回KOするなど4連勝で盛り返したもののヘンリー・コラレス、アダム・ボリッチ戦で連続KO負け。前者はボクシングで攻勢、後者はレスリングで支配しておきながら一瞬の隙をつかれて敗れた。
期待値が高かっただけに4勝3敗というレコードには、ピコの誰もがうらやむ才能がMMAには実は不向きなのかという見方までされだしたが、ジャクソン・ウィンクMMAでの練習と戦略がハマり、その後は4連勝と着実に相手をフィニッシュし今大会を迎える。
対するゴンザレスはLFAフェザー級王者からBellatorと契約し、6月にタイワン・クラッストンをスプリットで破りデビュー以来の連勝を12に伸ばしている無敗のファイターだ。
ジャスティン・ゲイジーとはノーザンコロラド大のレスリング部の同期で、ベースのレスリングを中心にそれこそゲイジーにも似たローの使い手で、打撃もパワフルだ。
コロラドのスパルタ・コンバットリーグというローカルプロモーションでプロデビューを果たしたゴンザレス──同大会のメインはコリー・サンドハーゲンがフェザー級王座を奪取──は、アマMMAで9勝0敗とまさにグラスルーツ出身で、ピコとは対照的なキャリア、そして戦績を残してきたといえる。
コンテンダーシリーズで勝利もUFCとは契約できず、LFA王者になってベラトールと契約という過去を見ても、ゴンザレスはピコのような相手に絶対に負けたくないという雑草魂を持っているだろう。
技術的には打撃もレスリングもピコが一枚上、しかし喧嘩ファイトになった時の危機管理能力、削り合いでの粘り強さはゴンザレスが上回っているという見方も十分にできる。そんなメイン以上に注目の一番だ。
■視聴方法(予定)
11月13日(土・日本時間)
午前8時55分~Prelim :Bellator MMA YouTube Channel
午前11時55分~Main Card: Bellator MMA YouTube Channel
■Bellator271対戦カード
<Bellator世界女子フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者]クリス・サイボーグ(ブラジル)
[挑戦者] シネード・カヴァナグ(アイルランド)
<ヘビー級/5分3R>
タイレル・フォーチュン(米国)
リントン・ヴァッセル(英国)
<フェザー級/5分3R>
アーロン・ピコ(米国)
ジャスティン・ゴンザレス(米国)
<女子フェザー級/5分3R>
アーリーン・ブレンコウ(豪州)
パム・ソーレンソン(米国)
<ヘビー級/5分3R>
スティーブ・モウリー(米国)
ライム・クリーブランド(米国)
<女子フライ級/5分3R>
ブルーナ・エレン(ブラジル)
デザリー・ヤネス(米国)
<ウェルター級/5分3R>
ローマン・フェラルド(米国)
ロバート・ターンクエスト(米国)
<フェザー級/5分3R>
コディ・ロー(米国)
コルトン・ハム(米国)
<女子フライ級/5分3R>
ヴァレリー・ロウレダ(米国)
テイラー・ターナー(米国)
<ミドル級/5分3R>
ジョーダン・ニューマン(英国)
シェーン・オシェイ(米国)
<ウェルター級/5分3R>
マフムッド・ファウジ―・シビー(エジプト)
イーサン・ヒューズ(米国)