【WNO12】お蔵入り厳禁 キレッキレ。カウチがコルヴィンを三角&ストレートアームバーで一蹴
【写真】見た目は正直パッとしないが、その動きから目が離せなくなる(C)CLAYTON JONES/FLOGRAPPLING
10月20日(水・現地時間)、テキサス州オースチンでWNO12「Return of Gordon Ryan」が開催された。同大会にWNO Championship=ミドル級Tで本命ロベルト・ヒメネスをヒールで下し、一躍名を挙げたジェイコブ・カウチがこれも代役出場でハンター・コルヴィンと対戦した。
Text by Isamu Horiuchi
廃コインランドリーの建物にマットを敷いただけの粗末な道場に寝泊りし組み技を磨く、グラップリング界のカルト集団=デイジー・フレッシュの新鋭が、またも強さを見せつけた。
<ライトヘビー級/15分1R>
ジェイコブ・カウチ(米国)
Def.7分28秒 by 腕ひしぎ腕固め
ハンター・コルヴィン(米国)
代打出場したWNOチャンピオンシップで大ブレイク──初戦で優勝候補筆頭のロベルト・ヒメネスをヒールで秒殺するという大アップセットを引き起こし、さらにF2W新世代のトップランナーであるウィリアム・タケットに競り勝って3位入賞──を果たし、一夜にしてその名を世界に轟かせたカウチ。
今回はまたしても代打出場で、対戦相手はMMAプロ3戦3勝の戦績を誇る、エレベーション・ファイトチーム所属のコルヴィンだ。しばらくスタンドレスリングの攻防があった後、カウチは飛びついてクローズドガードへ。胸を張ろうとするコルヴィンに対し、カウチはハイガードからアングルを作り左腕に腕十字狙いへ。
すぐにコルヴィンが腕を抜くと、それを予期していたようにカウチはすぐさま右足に絡んで50/50を作る。流れるような上半身から下半身への攻撃の連携だ。
ここから必殺のヒールを狙おうとするカウチだが、コルヴィンも反応して足を抜いた。
再びガードを取ったカウチはバタフライからシッティング、左足に絡むハーフと体勢を変えると、下からコルヴィンの右足を内側から抱え、再び50/50へ。
インサイドヒールを狙うが、コルヴィンは回転してエスケープ。それでも攻撃の手を休めないカウチは、改めて足を絡めてまたしても50/50へ。相手に一度防がれてもしつこく攻撃を続けるこのカウチの姿勢こそが、先月のヒメネス戦の番狂わせを引き起こした最大の要因だろう。
ここもコルヴィンが距離を作って逃げると、カウチは上に。コルヴィンは足を利かせてから内回りを仕掛けるが、カウチが距離を取って試合はスタンドから再開となった。
再びカウチはジャンピングガード。すぐにコルヴィンの右腕をオーバーフックで捕らえたカウチは、右足で、コルヴィンの左腕を素早く超えて三角絞めのフックをロックオン。
そこから右腕を腕ひしぎ腕がためで伸ばすと、コルヴィンはすぐにタップした。
先月に続きサブミッションを次々と繰り出し続け、その真骨頂を発揮して勝利したカウチは「ファンは柔術を見たがっているから、極めにいったんだ。最後のやつは得意なんだ。三角からのいいコンボだよね。今後は、まずはADCCトライアルに集中したい。ADCC世界王者になるのが、当初からの僕の夢だからね。その後はちょっとギでも来て、世界大会で楽しもうかなと思っているよ。今後も代打のチャンスがあればいつでも出るよ。あ、もう一つ言いたいことがあるよ。ガビ、俺と夕食でも行くのはどうだい? フログラップリングに領収書出してもらってさ」と面白アピール。
ヒルビリー・ハマーというニックネーム通り、いかにも田舎の元気で気の良い兄ちゃんという雰囲気を持ったカウチは、あっという間にグラップリング界の人気者となったようだ。