【UFC267】UFC暫定世界バンタム級王者はピョートル・ヤン。サンドハーゲンに3-0の判定勝利
<UFC世界暫定バンタム級王座決定戦/5分5R>
ピョートル・ヤン(ロシア)
Def.3-0:49-46.49-46.49-46
コリー・サンドハーゲン(米国)
すぐにサウスポーからオーソに構えたサンドハーゲンが右ローを蹴る。ローを返すヤンをピョートル・ヤン・チャントが後押しする。スイッチし右リードフックを伸ばしたサンドハーゲンが、オーソで右前蹴りを腹に突き刺していく。ジャブを放つヤンを右ローで蹴るサンドハーゲンは左右に回りながらジャブを伸ばす。奥足をローで蹴ったヤンに対し、サンドハーゲンがボディフックを打ちこむ。
ヤンは左ミドル、さらに腹を殴るサンドハーゲンが左ローを蹴る。右ローを返したヤンに左リードフックを2発入れたサンドハーゲンがダブルレッグで組みつきバックに回る。ケージに追い込みヒザを入れて離れたサンドハーゲンに、ヤンが右ミドルを蹴り込む。ヤンもスイッチして右ミドル、そして左フックを振るう。サンドハーゲンは左を伸ばして距離を詰め、ヤンもフックで迎え撃つ。ミドルレンジから接近戦と両者が激しくやりあうなかで、遠めの距離はサンドハーゲンのものか。左ボディフックから右を入れ、シングルに出たサンドハーゲンはリリースしてヒジを狙う。
ローにも飛びヒザ返したサンドハーゲンのパンチの距離が蹴りの距離だったヤンを上回ったか。
2R、左右のジャブ、左右のローと攻撃を散らすサンドハーゲンに対し、しっかりとミドルを蹴っていくヤン。やや目を気にした素振りもあるがボディを伸ばす。サンドハーゲンも左ボディフックを繰り出すが、ヤンは右ミドルからワンツーにつなげる。ボディを続け、上につなげるサンドハーゲンがジャブを連続で見せ、右ハイへ。ヤンは左ミドルを返すが、右を受けてパンチの後で姿勢を乱す。直後にヤンが右を返し、サンドハーゲンのステップインに左を合わせる。
左の相打ちから圧を高めたサンドハーゲンが打ち合いの中で左を決める。続いて左ボディフック、ヤンはスピニングバックフィストから左フックを繰り出す。互いに空振り、ガードの上からパンチを見せるなかでサンドハーゲンがシングルレッグへ。切ったヤンがエルボーを放つ。サンドハーゲンのジャンピングニーをブロックしたヤンは右オーバーハンドを空振りする。サンドハーゲンの右に左を入れたヤン、直後にローを蹴られラウンドが終了した。
3R、左ジャブから構えを変えて左ストレートを繰り出すサンドハーゲン。ヤンの踏み込みに左ジャブを当て、姿勢を乱させる。ヤンは後ろ回し蹴り、観客は沸くが当たりは浅い。小刻みに構えを変え、ローから左を伸ばすサンドハーゲンはヤンの動きをカットするように斜めに移動する場面も。
動くが手数は減ったなか、ヤンが連打で前に出るとサンドハーゲンも同じようにコンビネーションを駆使して前進する。パンチをブロックしようとするヤンが、ワンツー。右ハイは空振りも、手数でサンドハーゲンを上回る。ヤンはミドルから左フック、続いて左をもう一発打ち込むと、右を見せたサンドハーゲンに対してワンツーで右を当てる。サンドハーゲンのコンビをウェービングでかわしたヤンは、右ボディショットに左打ち返し、直後に右スピニングバックフィスト、フォローの左フックをテンプルに当ててダウンを奪う。
パウンドを落とすヤンに対し、足を取ってスクランブルを狙ったサンドハーゲンがバックを許すが、足のフックが無く胸を合わせて立っていく。ヤンはさらにスイッチからバックに回り、サンドハーゲンは正対して立ち上がる。凄まじいグラウンドの攻防から立ち上がったサンドハーゲンは、ダメージが残っているのは明白だったがタイムアップとなった。
4R、左リードフックのヤンは、跳びヒザをかわす。ボディを入れ、ローを蹴ったサンドハーゲンは右フック、そこにヤンが左を合わせようとする。左ロングフックを伸ばすヤンは、近い距離で左をヒットさせる。ワンツーから右ミドル、そしてワンツーと優勢のヤンはダブルレッグでテイクダウンを取られるが、何と外ヒールを仕掛けすぐにリバーサル狙いへ。
即反応しスタンドに戻ったサンドハーゲン、ヤンもスタンドに戻っており試合は打撃戦へ。サンドハーゲンがパンチをまとめたと思った直後に、ヤンがえげつないボディショットを入れ、離れたサンドハーゲンにワンツー、スピニングバックフィストは空振りし、ヒジを被弾しそうになる。それでも拳の圧力で上回るヤンは、サンドハーゲンのダブルレッグからスクランブル戦を振り切り、スタンドで正対する。残り10秒で打撃戦でも手数は元チャンピオンの方が多かった。
最終回、左右に回るサンドハーゲンに対し、ワンツーで前に出る出るヤンはローを受けても圧を掛けていく。ミドルはさすがに勢いが落ちているが、サンドハーゲンは足を使うばかりで手数が少ない。3Rにダウンを喫し、4Rも劣性だったサンドハーゲンのサークリング戦法は理解に苦しむ。と、ヤンはダブルレッグをしけて切ったサンドハーゲンが左を振るう。
ジャブを見せて動くサンドハーゲンに対し、ヤンが左フック。続いてワンツーで前に出ると、ようやくサンドハーゲンがワンツーを打ち返す。逆転にカウンターの一点狙いなのか、またも左右に回り続けるサンドハーゲンが、ジャブをダブルで見せる。ヤンは左フックからアッパー、スピニングバックフィストを空振りするとサンドハーゲンがヒザを入れる。さらに跳びヒザを見せたサンドハーゲンだが、ヤンの後ろ回し蹴りが顔面をかすめる。最後にジャンピングニーをもう1度繰り返したサンドハーゲンだが、5Rの動きは本当に解せなかった。
ロシア国旗を羽織り、勝利を確信するヤンが3-0で判定をモノにし暫定王座のベルトを巻いた。「彼が動きを多くする作戦で来ることは分かっていた。そこに対し、僕は圧力を掛けて殴るというゲームプランだったんだ。アブダビで2度目のタイトル奪取、僕のホームのようなものだ。アルジャメインに一言? 皆、僕が本当のチャンピオンだと知っている。誰とでも戦う」とヤンは話した。