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【UFC112】アンデウソンに不満爆発、ブーイング鳴りやまず

■第10試合 UFC世界ミドル級選手権試合/5分5R
[王者]アンデウソン・シウバ(ブラジル)
Def.5R終了/判定
[挑戦者]デミアン・マイア(ブラジル)

【写真】パトリック・コーテ、ターレス・レイチ戦でも同様に疑問視された王者アンデウソンの試合態度。真剣勝負の場に生温いパフォーマンスは不要だ (C) ZUFFA

リラックスした構えのアンデウソンは、後ろ足重心で非常に広いスタンスを取る。遠い距離で、細かい動きを見せるマイアとは対照的だ。

互いに距離を計るなか、アンデウソンが関節蹴りのようなサイドキックを見せる。と、思い切り放たれたアンデウソンの左ローで、マイアの体がくるりと一回転。さらにスピニングバックキックを見せると、両手をつくような低い構えに、マイアは何も仕掛けることができな
い。

アンデウソンのジャブでバランスを崩したマイアは、続けてローを蹴り込まれる。前蹴りからローを見せるアンデウソンは、やや動きが荒い。マイアが組みついて、ガードワークを仕掛けるが、アンデウソンは付き合うことなく、体を離すとジャンピングニーを見舞っていく。マイアのグラップリングを完全に封じ、コミカルな動きで挑発するアンデウソンが危なげなく1Rを終えた。


厳しい表情のマイアは、右を振るうがアンデウソンは左ジャブから前蹴りで距離を詰めると、強烈な左ローを蹴り込んでいく。体を大きく傾け、頭を振ってから左ハイを見せたアンデウソン。マイアはテイクダウン狙いから引き込むが、アンデウソンが距離を取り、すぐにブレイクがかかる。

飛びこんで足をキャッチしようと試みるマイアに対し、スタンドをキープしたアンデウソンが「来い。来い」と挑発。キャンバスを叩く仕種を見せるなど、不遜な態度を繰り返す。相手をバカにしたようなアンデウソン、必死で戦うマイアが滑稽に映る気の毒な展開に。

左ミドルを蹴り込んだアンデウソンに対し、引き込んだマイア。当然のように距離を取るアンデウソンは、またも挑発的な態度を繰り返す。ロー、右ジャブを放つアンデウソンだが、パフォーマンスよりも仕留めにいく姿勢が欲しい。

3R、鼻の付け根をカットしたマイアは、アンデウソンのローキックで体の軸がぶれ、思うように攻めることができない。低い姿勢でスイッチを繰り返すアンデウソン。徹底して寝技を避ける王者にマイアも打つ手がなく、試合は噛み合わないまま進む。

ここでマイアの左が顔面にヒットすると、効いた振りをするアンデウソン。ショーマンシップを履きちがえた、非スポーツマンシップな行為といえる。

マイアは果敢に左を打ち込み、流血しながらアンデウソンの足に絡みつくが、ここでもアンデウソンは距離をとって挑発を繰り返す。

4R、マイアの左が伸び、二度ほどアンデウソンの顔面を捉えると、王者は趣旨変えしたように挑発をやめ、体を起こす。マイアの攻撃がよく見えるように構えを変えた王者は、このまま前にでることなく、マイアの周囲を回り続ける。何とも嫌な雰囲気のオクタゴンになった。

足を使い、距離を計り続けるアンデウソンに対し、ついにマイアが両手を広げて、どうしようもないとアピール。場内はブーイングに包まれ、試合は最終ラウンドに。

マイアの左目は大きく腫れ上がり、完全に潰れてしまっている。右ハイを見せたアンデウソンは、左へ左へと回り、マイアのテイクダウン狙いをかわしていく。マイアが前進しパンチをヒットさせると、組みつきながら、シッティングガードに入るも、足をロックできないとみるや、両ヒザをついた状態で左右のパンチを放っていく。

どんな形でも攻めようとする姿勢を見せるマイアへの声援が多くなり、決して前に出ないアンデウソンにブーイングが起こる。マイアはここで、ようやくシングルレッグでアンデウソンの右足をキャッチしたが、スリッピーなアンデウソンをグラウンドに持ち込むことはできない。

距離を取ったアンデウソンは、再び距離を取るが、ついにレフェリーから攻めるように注意が与えられる。

それでも前に出ないアンデウソンは、アイアの周囲を回りながら試合終了の時を迎えた。場内に巻き起こるマイア・コールは、GSPコールにとってかわられる。全てはアンデウソンへの不満の表れだ。

結局、ポイントがコールされないまま、アンデウソンの判定勝ちだけが告げられ、王者はマイアに対し、ヒザをついて頭を下げたものの、試合中の態度をみれば白々しささえ感じられる行為。「デミアンのパンチには驚かされた。次はもっと良い試合をする」とアンデウソンは語ったが、後味の悪さとブーイングが収まることはなかった。

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