【Polaris17】歴史に残る?! 攻防?? スティールのムーンサルトパスをヒザ十字で切り返したヒューが判定勝ち
<80キロ契約/10分1R>
ジェッド・ヒュー(英国)
Def.1分39秒by 腕十字
コディ・スティール(米国)
すぐに座ったヒュー、足を捌いてパスを狙うスティールをニーシールドで止め、右腕に左足を絡ませていく。そのままスネを胸に当てて、パスの侵攻を許さないヒューに対し、スティールは一度立ち上がって間合いを取り直す。スティールは骨盤を右腕で押し、左側にニースライスも、ヒューは回らさえても抑えさせず足を戻していく。
それでもスティールのパスの圧力は強く、防御のキムラも抜かれヒューが亀になってパスを防ぐ。そのまま引き込み、ガードに戻ったヒューは柔軟性を生かしたパスワークを続ける。とはいうもののパスを防ぐことで専念し仕掛けの無い相手に、頭から太腿の辺りに飛び込んだスティールがスタックパスを狙う。ここも足を戻すヒューのニーシールド、Zハーフガードを攻略していく過程でオモプラッタを防ぐ。
カウンターをヒューが狙ったことで、腕を抜いたスティールは続いて足関節に反応し立ち上がって反転。その足にしがみつくようにヒューがシングルレッグへ。スティールが頭を押して足を抜き、ヒューが再び座る。スティールは頭の方に回り、強引に胸をあわせてくが、乗り過ぎて前方にリバーサルを許しそうになる。ここは走り抜けるように距離を取ってスタンドに戻ったスティールが、再びパスを狙って行く。
ゲイブルグリップでスティールのヒザ裏を取ったヒューが、足関節へ。ここもスティールは飛び込むように前転して足を抜く。
残り4分20秒、スティールがラッシュを脱ぐと、ヒューも呼応して上半身裸に。とはいえ、外見が変っただけで両者の動きはラッシュ着用時と変わらない。と、スティールの変わらぬパス狙いに対して、ヒューが初めて右腕でアンダーフックへ。ボディロックにとってハーフバタフライのヒューがレッスルアップ。しかし、ここからテイクダウンは狙わず、弱冠拍子抜けのシッティングへ戻る。
残り3分を切り、上四方で抑えられそうになったヒューが腹ばいになり、すぐに座り直す。ラッシュを脱いだ時点で、スティールはサブミッションでなくパス狙いを宣言したようなもので、執拗にゲーム開始序盤と同じ動きを繰り返す。ヒューが今度は左腕を差しに行くが、逆にボディロック状態のスティールがタイトな状態でパスを仕掛ける。
ヒップエスケープで足をきかせ直したヒュー、スティールが立ち上がる。ニーシールドの足首掴んだスティールは、やはりパスはできずに離れると時間は最後の60秒に。自身の右側へのパス狙いにヒューはウィザー&バタフライフックも、足を越され体が伸びたところでスティールが一転、左側へのパスを試みる。
腹ばいになり、バックを譲ったヒューの前転にスティールはついていかず、リリースする。と、立ち上がったスティールはバック宙でムーンサルトプレスならぬ、ムーンサルトパスガードを見せる。と、自らの胸の前に舞い込んできたスティールの右足に絡みついたヒューがヒザ十字をセットする。
一瞬、足が伸びたが懸命に上体を起こし、足を畳んで枕にとったスティールがエスケープも、思いもしない攻防に観客が大騒ぎというなかで時間に。
ガードパスからバック奪取で勝ち切ったと思われたスティールに対し、最後のヒューのヒザ十字がどれだけジャッジの評価を得るか。結果、スプリットでヒューに凱歌が挙がる。最後の派手な仕掛けで勝ち星を失ったスティールだが、小さな世界観の中とはいえ歴史に残るマヌーバだった。