【DWCS S08 Ep05】岩﨑大河以外にもCJJ世界王者スティール & born and raisedアフリカ=ムサザに注目
【写真】結果としてヒザ十字に取られた──ムーンサルトパスは健在か?! (C)Zuffa/UFC
10日(火・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるDWCS S08 Ep05は、日本から岩﨑大河が出場しユースリ・ベルガウイと対戦することで国内でも一際注目度の高いコンテンダーシリーズとなっている。
Text by Manabu Takashima
待望の日本人ファイターが出場する同大会だが、この他のメンバーも当然のように注目すべきファイターが見られる。その筆頭格がケムエウ・オットーニと対戦するコディ・スティールだ。
チェックマット系ブラジリアン・ファイトファクトリーでホドリゴ・カプラルに師事したスティールは、色帯時代から地域オープントーナメントで結果を残し脚光を浴びる柔術家だった。
ノーギワールズでは紫帯と茶帯時代に準優勝を果たしており、2019年にはコンバット柔術ウェルター級GPを制している。極めよりもオーバータイムでの強さが印象深いスティールだが、バック宙をしてパスを狙うムーンサルト・パスガードを仕掛けるなど、爆発力のあるグラップラーだ。
エドウィン・ナジミに勝利するなどグラップリングシーンで実力を見せてきたスティールは、2022年2月にMMAデビューを飾ると2年半の間に6試合、全てFury FCで戦い3つのTKO勝ちと一つの一本勝ちをしている。
打撃は粗いが力強く、何より積極的だ。至近距離でもすぐに組みつかずフックやアッパーとパンチを多用している。テイクダウンもボディロックから後方へのスープレックスなど、豪快な技を使う傾向も強い。それ故にスタミナ面で不安な部分も残るが──スタミナ温存をしていては契約が見えてこないコンテンダーシリーズという舞台は、スティールに合っている。
対するケムエウ・オットーニはJungle Fightのウェルター級王者で、攻めへの意識が防御よりも完全に高い。
ガードの意識は少ないが、真っ向勝負で打撃戦を繰り広げる。肩が柔らかくリーチ以上に伸びるパンチの持ち主オットーニに、スティールが強気の打撃戦からテイクダウンを仕掛けることができるのか。その辺りが見所となろう。
もう1人、興味深いのがコンゴ民主共和国から参戦のジョジアス・ムサザだ。ジョージアのオタール・タンジロフと対戦するムサザはキャリア7勝0敗、その全てがKO勝ちで1Rでの勝利は6試合に及ぶ。
まさにコンテンダーシリーズに出場するためといえる戦績の持ち主は、いくつか確認できる試合映像では当然のようにとにかくパワフルで左右のパンチでKOを奪うことができるファイターだ。
とはいえ、対戦相手が未知数というのも事実。それでもムサザが注目に値するのが、彼はここまでの7試合をコンゴ民主共和国、ナイジェリア、そしてエジプトとアラビック世界にこそ足を踏み入れてはいるが、全ての試合をアフリカ大陸だけで戦ってきたことだ。
しかも、アフリカのMMAをリードする南アフリカで戦ったこともない。粗削りの原石がダイヤモンドなのか、石ころなのかは分からない。
それだけに上段への蹴り、ヒザ、レスリング、そして倒せるボディショットを持つタンジロフという研磨機が、その真実を白日のもとにさらすことになる。
■視聴方法(予定)
9月11日(水・日本時間)
午前9時~UFC FIGHT PASS
■DWCS S08 Ep05対戦カード
<ライトヘビー級/5分3R>
ナバホ・ステーリング(ニュージーランド)
フィリップ・ラトゥ(米国)
<ライト級/5分3R>
コディ・スティール(米国)
ケムエウ・オットーニ(ブラジル)
<ミドル級/5分3R>
岩﨑大河(日本)
ユースリ・ベルガウイ(オランダ)
<バンタム級/5分3R>
オタール・タンジロフ(ジョージア)
ジョジアス・ムサザ(コンゴ民主共和国)
<女子級/5分3R>
コリンヌ・ラフランボワーズ(豪州)
ニコーリ・カリアーリ(ブラジル)