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【UFC266】愛しのMMAバカ=マラブ・デヴァリシビリ─02─「ナオキ・イノウエの活躍は凄く嬉しい」

【写真】初めてインタビューをして、全くもって印象が変わったマラブ・デヴァリシビリ。ここまでMMA愛を語る選手は、UFCでも珍しい(C)MMAPLANET

25日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナでUFC266「Volkanovski vs Ortega」が開催される。同大会でマルロン・モラエスと対戦するマラブ・デヴァリシビリ・インタビュー後編。

一度ばかりか二度、MMAファイター生活を続けることに挫折したデヴァリシビリだが、今や世界最高峰のバンタム級で6連勝中だ。今の彼があるのはジョージアで基礎がつくられた資質とたゆまぬ努力、そして謙虚な人間性と溢れんばかりのMMA LOVEだった。

<マラブ・デヴァリシビリ・インタビューPart.01はコチラから>


──せっかく最強の練習仲間に恵まれたのに、結果がついて来なかったのですね。

「3試合で1勝2敗。UFCは良いレコードを求めているし、もう無理だと諦めた。あの時は他でちゃんと働いて、家族を養えるような人間になった方が良いと思った。将来的には結婚もしないといけないし。トレーニングはしても、もう試合に出るのはよそうと。実際1年間、試合に出なかったんだ」

──そうだったのですね。

「でも、その間にいかに僕がMMAを愛しているのかが分かった。続けたい──そう考えが変り、どうせローカルショーだから大したファイトマネーは入らない。なら金なんて良いから、試合がしたいと伝えた。

ロシア、日本、ヨーロッパにも行く。ファイトマネーは要らない。とにかくMMAが続けたかった。そうしたら6連勝でRING of Combatの王者にもなり、UFCと契約できたんだ」

──ROC時代にはBellatorで活躍中のラフェオン・スタッツを15秒でKOしています。しかし、UFCでは序盤に2連敗を喫しました。

「デビュー戦はインフルエンザになっていたんだ。実はコロナで陽性にもなったけど、あのインフルエンザに比べると何でもなかった。それぐらい酷い体調だったんだ。ちゃんと戦えず負けた。

次の試合は課題を克服して挑んだけど、攻め過ぎた。やり過ぎてしまったんだ、それで最後の1秒でギロチンで負けてしまった。あそこで止めるレフェリーもどうかと思うけど、ファンも喜んでくれたし、あのストップがなければ僕は勝っていた。そういう風に考えるようにして、連敗から逃れたんだ。一つずつ勝とう、練習し続ければ良いと言い聞かせてね」

──絶対的に諦めない姿勢と攻め過ぎない自制がきき、オクタゴンでも6連勝を達成しました。それにしても凄まじいスタミナを誇っていますね。

「アルジャメイン・ステーリングと練習していると、体力もつくよ。それに酒も一切やらないし、練習以外も趣味はスイミングで。生活環境が僕のスタミナの源だよ」

──ではキャリア最重要の試合となるモラエス戦、どのようなファイトを見せたいですか。

「ファンが喜ぶ試合がしたい。きっとそうなるだろう。ウォーの準備はできているし、最後の最後まで戦う。マルロン・モラエスはKOできる蹴りを使う。パンチも強い。ギロチンも上手い。絶対に簡単な試合にはならない。ずっとバンタム級のトップだった相手だよ、とても危険だ。彼のことを尊敬しているし、気持ちで負けない試合をするつもりだ」

──ところでセラ・ロンゴでは、パンデミック前に井上魅津希選手だけでなく井上直樹選手とも練習していましたよね。

「もちろん、それにウルカ・ササキもね。皆、打撃が上手いよ、ナオキは特にね。彼とスパーリングを最初にした時、凄く若いし、経験も僕の方が上だから軽く見ていた。でも、ナオキの成長は凄まじかったよ。背は高くて、強いし凄くスパーリングはハードだった。もうナオキのスパーは嫌になるほど、ガチガチにやっていたよ(笑)。

彼のRIZINでの試合はいつもチェックしているし、ナオキ・イノウエの活躍は凄く嬉しい。本当に良いヤツだし、彼の未来は無限大に開かれている。ミズキは今も米国にいるし、ずっとチームメイトのままだよ」

──マラブの今の言葉で、井上直樹選手も大晦日に向けてさらにモチベーションが高まると思います。では最後に日本のファンに一言お願いします。

「日本人ファイターは色々なところで戦っているけど、RIZINには凄く良い選手が多い。いつも彼らの試合を見ているよ。日本はMMAの歴史を創ってきた国だし、これからもっと選手が育って来るだろう。ナオキはその代表だし、Bellatorとサインした……キョージ・ホリグチ、彼も本当に危険なファイターだ。

日本もそうだし、世界中の皆がMMAを愛している。最高だよ。MMAは本当の戦いだ。僕はどのスポーツも好きだし、プレイヤーも尊敬している。でもバスケットボールもサッカーもプレイするものだろう? MMAはファイトするスポーツだ。プロフェッショナルファイターはハンブルで、ストリートで強さを証明する必要はない。その場所はケージの中だけだ。だから皆、MMAを愛せるんだ」

■視聴方法(予定)
2021年9月26日(日)
午前7時00分~UFC FIGHT PASS
午前11時~PPV
午前11時~WOWOWライブ

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