【Pancrase323】打撃戦、スクランブル、流血……魂を見せたか、中田大貴がRyoに薄氷の判定勝利
【写真】そりゃあ疲れる。これから実力アップとダメージの蓄積競争になるかもしれないが、これを最初からやるというのは見ている先が明確だということ。無責任ながら師匠ともども突っ走って欲しい(C)MMAPLANET
<フェザー級/5分3R>
中田大貴(日本)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28.
Ryo(日本)
サウスポーのRyoに対し、相手の右から回った中田。Ryoは左ミドルを繰り出すが、中田は距離を取る。Ryoがパンチを振りながら前に出ると、ケージ際まで下がる中田。パンチの打ち合いとなるなか、相打ちでRyoの右ショートを受けた中田がダウンする。すぐさまRyoがトップを奪い、さらにバックに回る。
RNCを凌いだ中田は、Ryoを振り落としパウンド、スクランブルでバックコントロール・ボクシングでRyoを追い込んでいく。しかし、ここでレフェリーが試合を中断した。
中田は左目の下から激しい出血が見られる。ドクターチェック後、試合は再開。バックからのリスタートとならず、これは中田には気の毒な展開に。
それでもすぐに距離を詰めていく中田に対し、Ryoもパンチを振るう。右ミドルを多用するが、そこにパンチを被弾する中田は組みつき、Ryoをケージに押し込んでいくが、Ryoも離れてパンチを出していく。中田の右ヒジをかわした、Ryoがダブルレッグでテイクダウンを奪った。
ケージ際でRyoが中田の両足を畳む。中田はRyoの頭部にヒジやパンチを打っていく。足のクラッチが外れたRypは、そのまま中田をケージに押し込んでいくが、中田も立ち上がる。
Ryoはしつこく食らいつき、ダブルで中田をケージに押し込む。足を抜いた中田は、左右のパンチ。さらに前に出て、Ryoにケージを背負わせるが、Ryoは組み付いてバックを狙いながら、中田をケージに押し込んで1Rを終えた。1Rはジャッジ3者ともRyoに10-9をつけた。
2R開始早々、中田が前に出る。左右のパンチから右ミドル。Ryoは下がりながらパンチで迎え撃つも、Ryoが距離を詰めようとしたところで、中田の右ヒザがRyoのボディに突き刺さった。これが効いたかRyoは下がり始め、ミドルを受け続け──パンチでおいこまれる。それでもRyoはケージ際まで追い詰められながら、組み付いて中田に尻もちを着かせる。
ここから立ち上がった中田は、再び打撃を繰り出しながら前に出る。
そしてRyoをケージに追い詰め、パンチとヒジ、さらにヒザのラッシュを繰り出す。これを凌いだRyoが組み付き、シングルで中田をケージに押し込む。ここでブレイクが入ると、再開後に中田は打撃で全身。右ローを繰り出す。パンチの打ち合いで、Ryoの右フックも当たるが、中田がケージに押し込んでいく。Ryoは体勢を入れ替えて組み付き、中田に尻もちを着かせた。
ケージを背にして、上半身は起こしている中田は右腕を差し入れながら立ち上がろうとするも、Ryoは抑え込みにかかる。それでもがぶって立ち上がった中田がプレッシャーをかけ、右ミドルハイを見せた。Ryoも右フックを返し、ラウンド終了のホーンが鳴った。
2Rはジャッジ3者とも中田に10-9をつけた。
3R、ここでも開始早々、中田が前に出た。Ryoは右手を前に出しながら、後ろに下がる。右ローをコツコツと当てる中田は、クラウチングスタイルでジワリジワリと追い詰め、右ストレートを当てる。手数の少ないRyoに、中田は右ミドルをヒット。Ryoも左ローを連打する。そのローをもらってバランスを崩した中田。尻もちを着いたが、すぐに立ち上がった。
追ってくる中田の左足にダブルを狙ったRyo、中田はケージを背にして堪える。Ryoは抱えた左足をリフトして、中田に尻もちを着かせた。そのままボディロックに切り替えて中田をケージに押し込むRyo。中田は立ち上がり、離れる。そして前に出ていく中田が、Ryoも下がりながら右フックを当てる。
残り1分、Ryoのテイクダウンをカットした中田は、左右のパンチをヒット。Ryoのシングルレッグをスプロールし、下がる相手を追いかけ、右フックでグラつかせる。Ryoも左ストレートを当てるが、中田もパンチを繰り出し続けた。
判定はジャッジ3者とも、29-28で中田の勝利を支持。試合後、中田は得意の英語でダナ・ホワイトに向けてUFC出場を目指していることをアピールしデカゴンを下りた。そして、ケージサイドの椅子に座り込み、動けなくなった勝者。カーフで効いていたようで、最終的には担架で運ばれバックステージに姿を消した──壮絶な勝利だった。