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【ONE Battle Ground03】モンゴルの純真=オトゴンジャルガル─01─「ゲルに住んでいるのは本当の話です」

【写真】オトゴンジャルガルと家族。キャリア6勝1敗、お父ちゃん──やるしかないでしょっ!! 製作販売しているというTシャツを家族で来てもらったが、この肖像画は……、……(C)ONE

27日(金・現地時間)、ONE「Battle Ground02」が放送される。

7月30日にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで収録された今大会はこれからのONEという戦場を見るうえで、新たなパワーハウスとなるモンゴルや中国から新たな選手が経験し、初陣に挑む試合が複数組まれている。

27日の収録マッチではプレウ・オトゴンジャルガルが、ベン・ロイルと待望のサークルケージ初戦に挑む。ONE Warrior Seriesのリッチ・フランクリンがウランバートルを尋ねて、トライアウトを行った際に発掘し、「テントに住む凄くハングリーな選手がいて。もの凄く期待している」と評していたのがオトゴンジャルガルだ。

モンゴルではゲルと呼ばれるテントに寝起きしているのが真実なのか。その辺りも含めて、チンギス・ハンを尊敬してやまないオトゴンジャルガル──ひたすらMMAファイターとしての成功を夢見、家族の支えに感謝して、ONEデビューを迎えようとしていた彼を試合前日インタビュー。その模様をここで紹介したい。


──明日、念願のONE初陣でベン・ロイルと対戦します。

「とても楽しみです。明日、試合ができることを心の底から嬉しく思っています」

──一度ONE Warrior Seriesで戦っただけでパンデミックが起こってしまい、2019年の12月から試合ができなくなってしまいました。

「コロナによって試合が出来なくなった時は、とても辛かったです。ウォリアーシリーズの行方も分からない状態になり、モンゴルでもMMAの試合が行われる見込みが全くなくなってしまいました。

僕にはスポンサーもいなかったので、生活は凄く苦しかったです。これは以前から行ってきたのですが、オリジナルTシャツを作成して、それを販売して生計の足しにしていました。それでも試合がないなかで、とにかく練習自体は続けてきましたが、昨年10月に1度だけモンゴルFCで戦うことができました(※セルオド・ビルグンにノースサウスチョークで一本勝ち)。今は3カ月前にスポンサードしてくれる会社もできたので、生活はなんとかなっています」

──生活が凄く苦しかった……。プレフはファイター以外の仕事というのは?

「妻と一緒にオンラインショップをしています。中国から輸入した物を販売するというビジネスです。彼女が輸入や販売の手続きをしてくれて、配達が僕の仕事です。

あとはウランバートルの大きな市場で商売をしたりして、生き抜いてきました。それでも練習をストップすることだけはなかったです。MMAで成功するという強い信念を持って練習は続けてきました」

──コロナ禍を機会に、MMAから身を引くという選択をした選手も世界中にいるかと思いますが、モンゴルというMMA市場がなかなか成立しづらい国にて、プレフは引退を考えたことはなかったですか。

「全くなかったです。妻から生活のためにMMAを辞めてほしいと言われたことも、1度としてありませんでした。彼女は子供が2人いる状態ながら、食事であったり、練習衣の洗濯であったり、献身的に僕のMMAファイター生活をサポートし続けてくれています。

ばかりか『もう少しで成功に近づいているのだから、とにかく頑張って』と背中を押してくれます。モンゴルでは常識的に考えて、MMAファイターとして生きていこうと思えば、生活面はかなり厳しくなります。僕の場合は本当に妻の支えがあって成り立ってきました。

だから2年前にリッチ・フランクリンさんがモンゴルにやってきてウォリアーシリーズと契約できた時は、本当に嬉しかったです。ずっと海外で試合ができる選手になりたいと思っていたので。

あの時はフランクリンさんが練習後に家にやってきて、モンゴルの食事まで食べてくれたんです。先ほど、話したオリジナルTシャツをフランクリンさんだけでなく、スタッフの全員が購入してくれました」

──2019年に日本にリッチ・フランクリンがやってきたときに、「モンゴルにはテントに住む凄くハングリーな選手がいて。もの凄く期待している」と言っていたのですが、それがプレフことで。でも、ゲルに住んでいるというのは盛っているんじゃないかと思っていました。

「ゲルに住んでいるというは、本当の話です」

──えっ、遊牧民が移動しながら生活するためにゲルが存在すると思っていたのですが……プレフは遊牧民ということですか。

「いえ、そんなことはないです(笑)。でもウランバートルでも、ゲルで生活をしている人間は少なくないんです。モンゴル国民は、国から住むために一定の土地を貰うことができます」

──えぇ、そうなのですか。

「ハイ。富裕層はそこに業者に発注して、一軒家を建てます。ある程度経済的に余裕のある人は、その土地にレンガで断熱性のある家を自分で建てて住みます。そうでない人のなかには材料を購入して、木造住宅を自分たちで作ったり、僕のようにゲルを建てて住む。ゲルに住む人の数もかなり多いです」

──全く知らなかったです……。

「フランクリンさんが来てくれた時は、僕はウランバートル郊外の山の頂上に近いところにゲルを建てて住んでいました。ただしコロナが起こって移動制限が出てしまったので、そこに住んでいると練習に行くことが困難になりました。

だからウランバートルの中心に近い場所に母が住んでいて、その敷地内にゲルを建てて今は生活しています。とにかく練習環境を第一に考えてのことです」

<この項、続く

■視聴方法(予定)
8月27日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ ONE Battle Ground03対戦カード

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)
タワンチャイ・PKセンチャイムエタイジム(タイ)

<57.7キロ契約/5分3R>
デェダムロン・ソーアミュアイシルチョーク(タイ)
バンマードォーチー(中国)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
キム・デフォン(韓国)
シェ・ウェイ(中国)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ビー・ニューイェン(米国)
ジェネリン・オルシム(フィリピン)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ティオル・タン(米国)
ソン・ミンジョン(韓国)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
プレウ・オトゴンジャルガル(モンゴル)
ベン・ロイル(英国)

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