【Road to ADCC】またもクレイグ・ジョーンズの代役で、タケットがルーカス・バルボーザと対戦
【写真】この形になればバルボーサのモノ、タケットとにっては閉店ガラガラだ (C)SATOSHI NARITA
17日(土・現地時間)、Flograppling主催のRoad to ADCCがテキサス州オースティンのJWマリオット・オースティンで行われる。
Text by Isamu Horiuchi
ADCCのスーパーファイトに基づいた──本戦のみのワンマッチ・プロフェッショナル大会、当初の予定ではクレイグ・ジョーンズが、ルーカス・バルボーザと大一番を行う予定だったが、負傷欠場となり代わって88キロでウィリアム・タケットとのマッチアップが決まった。
急遽出場が決まったタケットは4月のWNO 08=タイ・ルオトロ戦に続き、またしてもジョーンズの代役として白羽の矢が立てられたことになる。
2018年ムンジアル・ミディアムヘビー級優勝のバルボーザは、前回の2019年ADCC世界大会本戦の99キロ以下級で3位。が、適性階級はおそらく今回の契約体重である88キロだ。
「ハルク」というニックネーム通りの筋肉隆々の身体を誇り、決して下にならず極めさせないトップゲームに特化した戦い方を好む。今年もノーギパンナムの無差別級を制するなど力を見せているものの、F2W 174では自分より二回り大きいテックス・ジョンソンのオープンガードに手を焼き、レフェリー判定負けを喫した。
さらに先月のBJJ Stars 大会では、2019年ADCC世界大会88キロ王者のマテウス・ジニスとノーギで対戦し、テイクダウンで先制したものの終盤にアームドラッグから斜め背後につかれてチョークに掴まってしまう。
時間切れ後にジニスが技を解いた時には完全失神に追い込まれており、衝撃の逆転一本負けかと思われた。だがビデオ判定の結果、気を失ったのは試合終了後と判断されて勝者に。ハルクポーズで咆哮してアピールしたものの、前代未聞の絞め落とされながらの勝利は、本心から大喜びできるものではなかっただろう。実際、この試合の判定はファンの間で大きな議論を巻き起こすこととなった。
対するタケットは、5月で20歳になったばかり。F2Wを中心に北米の組技イベントのメインに頻繁に登場する、グラップリング界のニュースターだ。とにかく積極的に極めを狙うスタイルを身上とし、3月のF2W166でマニュエル・ヒバマーをカニバサミからのヒールで秒殺した試合は見事の一言に尽きた。
が、名前を挙げたことで最近は超実力者との対戦が相次ぎ、勝ち星にはに恵まれていない。4月の3GCでは最重量級のヴィクトー・ウゴに敗れ、5月のF2W 171では中重量級のヴェテランのヴァグネウ・ホシャに惜敗、同月のWNO 08ではクレイグ・ジョーンズの代役としてタイ・ルオトロと対戦も何度もパスを許し、マウントやバックまで奪われ完敗している。
世界有数のトップゲームの使い手たちのプレッシャーを攻略しきれていないタケットにとって、今回のバルボーザはまさに天敵タイプだろう。実際両者は昨年のSubversive 4大会で相対しており、この時はタケットの下からの仕掛けを上からの圧力で潰したバルボーザが、ボディロックで密着て上半身を固めると、ヒザを抜くパスを2度決めて快勝している。
この勝利に加えて、5月にアトスの後輩のタイがタケットに完勝していることで、バルボーザ陣営は大きな自信を持ってこの試合に臨むだろう。そして、先月のジニス戦の汚名を晴らさんという思いも強いはずだ。
快進撃が止まったタケットの前に立ち塞がる、あまりにも大きな壁=バルボーザ。今回の試練に20歳の若者はどう立ち向かうのか。下からさらに磨きのかかった仕掛けを試みるのか、それとも先月のジニスのようにスタンドで勝機を見出そうとするのか。グラップリングのさらなる進化を示すような、前回とは異なる展開を期待したいところだ。
■視聴方法(予定)
7月18日(日・日本時間)
午前9時00分~Flo Grappling