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【Shooto2021#04】修斗世界フライ級王者・平良達郎「UFCに飛び込んじゃえば、もっともっと強くなれる」

【写真】精悍な新チャンピオンだ(C)MMAPLANET

4日(日)、大阪市淀川区のメルパルクホール大阪で開催されたShooto2021#04で平良達朗が福田龍彌を下し、修斗世界フライ級チャンピオンに輝いた。

最初のカーフのタイミングでテイクダウンを奪うと、スクランブルゲームこそ許したが、一度として離れることなく組み技の展開を続け、最後は三角絞めでタップを奪った。

沖縄で育ったプロシューターとして、初めて修斗の頂点に立ったホッカノホカの王者にイベント終了直後に話を訊いた。


──改めて今の気持ちを教えてください。

「今は本当に沖縄の人、練習仲間にベルトを持って帰ると約束していたので、ホッとしています」

──平良選手が嬉し泣きキャラだったとは、凄く意外でした。

「自分でも驚いています。試合に勝って、涙が出たのは初めてです。最初は『よっしゃー!』っていう気持ちだったのが、ベルトを巻いてもらうぐらい前から、『終わったな』って肩の荷が下りたような気持ちになりました」

──安堵の涙だったのですね。

「そうッスね。ホッとしたのと、本当に松根さんに育ててもらってきたので感謝の気持ちで涙が出たんだと思います」

松根良太の左手。再び涙を見せた弟子の肩に掛けられた──これが2人の関係の全てを語っているかのようだ

──撮影の時に笑顔が欲しくて『笑って』と伝えたら、顔をくしゃくしゃにしてまた泣いてしまって……。

「なんか……優しい言葉をかけられると、また涙が出てしまって……」

──試合展開ですが、一発もカーフを貰いませんでした。ばかりでなく、一発目のカーフに合わせたテイクダウンを決めました。

「最初に警戒すべき攻撃はローキックだと思っていました。オーソに構えたので、カーフを狙っているということは頭にありました。なので距離取っていたら、自然とテイクダウンに入れた感じです」

──躊躇したり、取り切れないと福田選手にペースを譲るかもしれないというなかで見事な攻撃だったと思います。自分の感覚を信じた形ですか。

「感覚というか、距離を取り福田選手の動きを見ることができていたのでスっと入ることができました」

──直後に一度は立たれましたが、大腰気味に投げて立ち際にケージに押し込みスクランブルから上を取り切りました。あそこはもう立たせたくないという気持ちでしたか。

「正直、立たれても慌てないように練習はしていました。1Rは相手も元気なので、立たれるとまた打撃に集中するという気持ちでもいました。だから立たれても慌てることはなかったです」

──立たれても離れることは許しませんでした。

「ハイ、1Rはなるべく打撃戦にならないように福田選手の苦手な組みの展開で削ろうと思っていました」

──結果として、そのまま打撃戦にはならず三角絞めで一本勝ちでチャンピオンに。仮に打撃戦になった時の自信は如何程だったでしょうか。

「100パーセントとは言えないですが、自分のパンチは絶対に当たる。被弾してもやり返すというつもりでいました。だから……自信はありました」

──平良選手を個人として認識したのは2019年11月の沖縄大会でした。大翔選手にTKO勝ちし『活きの良い選手だ』と思い初めてインタビューさせていただいたのですが、この短期間でここまで強さを見せて修斗の頂点に立つとは予想もしていなかったです。

「いえいえいえ……まぁ、ハイ。本当に早かったと思います。でも、まだ全然足らないことは分かっています。この結果に奢らず、努力を続けて絶対にUFCのチャンピオンになるんで」

──ケージの中では海外という表現をしていましたね(笑)。

「ONEとの決まり事もあるし、スポンサードを修斗を受けているわけですから。あの場ではいうべきではないと思いました」

──なんて大人なのですかっ!! でも気持ちはUFCだと。

「UFCに挑戦したい。絶対にベルトを巻きたい。今はそういう強い意志があります」

──このところの完勝続きなので、不安になるのが外国人を相手に同じことができるのか……ということです。レスラーや打撃の圧の違う相手に。以前のように、そういう国際戦が日本でできなくなっているので。

「ハイ、その通りだと思います。レスラーとできていないのは正直、不安材料です。でも、負けるのを恐れて挑戦しない選択はないです。経験を積みたい気持ちはありますけど、レスラーとの対戦が決まれば、そこを強化する。重点を置いて練習すれば、自分も自然と強くなります。相手が決まって練習をすれば、やはり集中力も違いますし。試合が決まることが、自分の力が上がることに繋がります。

だからUFCに飛び込んじゃえば、自分はもっともっと強くなれると思っています」

──千葉に拠点を移して、より強度の高い練習を日々行うということは?

「拠点を移すことはないですが、千葉での練習は増やそうと思います。千葉だけでなく、海外でも練習したいですしね。でもベースは沖縄であることは変わりないです」

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