【DEEP101】米田奈央と対戦、住村竜市朗─02─「皇治のような存在は本当にありがたい」
【写真】勝ってのこのような表情を浮かべることもあった住村。勝利は勿論だが、納得できる動きこそ彼が求めるモノなのだろう(C)MMAPLANET
20日(日)、東京港区のニューピアホールで開催されるDEEP101で、米田奈央と対戦する住村竜市朗のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike
MMAとして穴がなくなることで、持ち味であった打撃が以前のように使えなくなったという住村。その彼を支えるキックボクサー皇治は、住村にとってどのような存在なのか。また38歳で引退を決めている住村が、米田戦の向こう側に見据える──これからの2年間とは……。
<住村竜市朗インタビューPart.01はコチラから>
――打撃の面で今、修正すべきなのはどんなところだと思いますか。
「距離と左フックですね。左フックでバンバン倒していたので、もう一度それを取り戻したいと思っています。左フックもタイミングなり、いろいろあるんですけど。距離については、相手の打撃をもらわずに、自分の打撃を当てる。皇治と、そういう距離の確認をやっています」
――これまでも皇治選手と行動を共にすることが多かったですね。
「皇治と出会ったのは、アイツが所属していた神戸のSFKさんでした。皇治がSFKさんを卒業して、東京に行くことになった時、本当は僕も一緒に行く予定やったんですよ」
――しかし、一緒に東京へ行くことはできなかったのですか。
「その時は僕が前十字靭帯の負傷で治療することになって。そこからリハビリして、1年後に東京へ来たんです」
――派手な言動も目立つ皇治選手ですが、キックボクシングの中でもインサイドワークが巧い、テクニシャンタイプですよね。
「そうなんですよ。何だかんだで、KO負けしたこともないですし。打たれ強いっていうこともあるとは思います。でも、見えない角度からパンチが飛んできても、もともと距離の取り方が巧かったり、一瞬でパンチを外していたりとか」
――その皇治選手と打撃の練習をするうえで、一番のメリットは何でしょうか。
「タイプによって戦い方を理解してくれるところですかね。『自分だったらこう戦うけど、お前は大きいから、こうしたほうが良い』とか。僕の体格に合わせて、有利なところと危険なところを教えてくれる。そうやってズバって言ってくれる、皇治のような存在は本当にありがたいです」
――皇治選手はケージでキックボクシングの試合を行ったこともあります。
「HEATですよね(2017年2月、HEATでモハメド・ブールに判定勝ちで、ISKA世界ライト級王座を獲得)。
アイツもケージでやったほうが強いじゃないかと思いますよ(笑)」
――レッツ豪太戦を見ていて、住村選手もケージとリングでは、動きが違うような印象を受けました。
「その違いはあります。やっぱりMMAはケージのほうがやりやすいですよね。リングで試合していると、何か違和感がありました」
――違和感というと?
「リングだと組み付いても、『アレ?』と思って倒せなかったりすることもあって。他の試合を見ていても、『これはケージなら試合結果は変わるんだろうな』と思うこともあります」
――次の試合は、そのケージで行われます。DEEPウェルター級王者として、米田奈央選手とのノンタイトル戦に挑むこととなりました。
「米田選手とは一度対戦していますけど(2015年4月にRNCで勝利)、その時は米田選手もまだ経験が浅かったと思います。自分もデビューして間もなかったし。だから、またイチからの戦いじゃないですかね」
――ほとんどの国内のウェルター級トップ選手とは対戦経験があるなかで、住村選手は今、どこを見据えて戦っているのでしょうか。
「日本国内は、あまり興味がないですね。海外の選手なら『はい、やります!』って返事しますけど。国内で再戦ばかりになると、モチベーションも上がりにくいので」
――すると、海外のプロモーションは頭の中にありますか。
「海外の大会が契約していただけるなら、それは嬉しいです。最後のチャンスであり、最後の賭けというか。でも今はコロナ禍ですし、自分ももう35歳になるので、海外のメジャー団体と契約してもらえるような年齢でもないと思うんですよ。自分の実力も、立場も分かっていますし」
――……。
「だから、『○○で戦いたい』とかっていう欲は、そこまではないです。それよりも国内で、ジョン・タックのような海外の強い選手と試合ができたら嬉しいですね」
――住村選手は、38歳で引退すると決めているのですよね。
「はい、その気持ちは変わらないです。ダラダラ続ける気もないので。だから、あと2年半ぐらいですかね。そこまで悔いのない現役生活を送って、あとは今頑張っている選手を支援してあげたいなって夢があります」
――住村選手の中では、第二の人生設計がしっかりと出来ている、と。
「もちろん、ずっと格闘技をやられている方は、素晴らしいと思っています。でも自分には無理やなって。柔術とか、趣味として続けていきたいとは思いますけど」
――では今後の試合で、何を見せていきたいと思っていますか。
「昔は、試合したら休んで、試合したら休んで……という生活やったんですよ。試合が近くなったら『オッシャ!』って気持ちが高まるような。でも今は、この年になって少しでも練習を休むと、すぐ若い選手にやられるようになる。そうやって毎日コンスタントに練習してきて、自分がやってきたことを出す場。それが、今の自分にとっての試合ですね」
――そのような姿勢のほうが、試合に集中できているようにも感じます。
「あとは、僕が試合で負けると、一緒に練習している若い選手もテンションが下がったりすると思うんですよ。一緒にやっている選手も弱いと思われるのは嫌なので。1試合1試合、しっかり勝っていきたいです」
■視聴方法(予定)
6月20日(日・日本時間)
午後4時50分~PPV SPWN
■ DEEP101対戦カード
<ウェルター級/5分3R>
住村竜市朗(日本)
米田奈央(日本)
<女子64キロ契約/5分2R>
KINGレイナ(日本)
東陽子(日本)
<フライ級/5分2R>
安谷屋智弘(日本)
伊藤裕樹(日本)
<バンタム級/5分2R>
石司晃一(日本)
CORO(日本)
<59キロ契約/5分2R>
ヒロヤ(日本)
関原翔(日本)
<フェザー級/5分2R>
西谷大成(日本)
山本歩夢(日本)
<フェザー級/5分2R>
畠山祐輔(日本)
佐藤拳駿(日本)
<フライ級/5分2R>
鶴屋怜(日本)
岡崎鷹士郎(日本)