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【Bellator260】クリス・ブレナンの長男=ルカス・ブレナン「喧嘩がしたいわけじゃない」

【写真】NG=ネクストジェネレーションのタトゥーを入れたルカス・ブレナン(C)

11日(金・現地時間)、コネチカット州アンカスビルのFight sphere=モヒガンサン・アリーナで開催されるBellator260「Lima vs Amosov」。

同大会のプレリミで、現在4連勝中のルカス・ブレナンが出場し、マシュー・スキビッキーと対戦する。

ブレナンの父クリス・ブレナンはPRIDE武士道や修斗来日経験があり、KOTC王者からUFC参戦もある──いぶし銀系ファイターだ。

親子鷹、父とどうように組み技上等のMMAを戦ってきたルカス・ブレナンに初インタビューを試みた。


──2002年、エリカ・モントーヤの取材で当時はオレンジカウンティにあったネクストジェネレーションを訪れたことがあります。

「ワォ、僕が2歳で弟のテイラーはまだ1歳にもなっていなかった時だね(笑)。ただカリフォルニアに住んでいたのは6歳か7歳まで、それからテキサス州に移った。でも、まだこっちのアクセントでは話せないんだ(笑)」

──アハハハ。お父さんのクリスがテキサスに移り、ジムを開いたということなのでしょうか。

「テキサスに来た当初、父はサンアントニオにあったピート・スプラットのジムで練習と指導をしていた。その後、ダラスの北にネクストジェネレーションをオープンしたんだ」

──ルカスはクリスの影響でMMAを始めたのですか。

「う~ん、確かに子供の時は父の指導でトレーニングを始めた。僕が11歳でタイラーが9歳か10歳の時だよ。ただ理由は僕らが学校で苛められて、恐喝されたりしないよう自分の身は自分で守る必要があり、父にファイトを教わったんだ。

弟は色んなスポーツに夢中なって、とても運動神経が良かった。でも、僕はそうじゃなくて。弟は活発だったから、その時は彼はすぐに辞めてしまったけど、僕は父と練習するようになった。

でも、10代の半ばになって自分からグラップリングを学ぶようになり、それから柔術も始めた。それに高校に進学してからはレスリングも始め、別々に練習していたんだ。テキサスは18歳でなく、17歳からMMAを戦うことができるから、16歳の時は柔術、グラップリング、レスリングを別々に学んでいたけど、一つにまとめたくなった。そしてハイスクールの初年度、17歳の時に試合に出て凄く楽しかった。今からしても、あの年齢で始めた良かったと思っている。

今はよりシビアに練習していて、ボクシングとレスリングはそれぞれ専門のコーチに指導してもらっていて、でもミックスした戦いのことは分からないから、ヘッド・コーチの父にコーナーマンをしてもらっているよ」

──過去の試合映像を見る限り、お父さんのクリスのようにグラップリング色が強いMMAですね。

「父からはいつもPRIDE武士道、修斗、日本の話を聞かされていたよ。日本のファンは全然違うって。米国では今もテイクダウンするとブーイングが起こる。

母も父の試合を観戦するために日本に行ったことがあって。彼女からも日本のファンのことは『本当に静かで、凄く妙だった。でも退屈で口を閉じているんじゃなくて、尊敬しているからとても静かにしているの』って聞かされていたよ。

それに……父が1試合で2度サブミットしたという話は、本当に何度も何度も色んな人から聞かされてきたよ(笑)」

──……。光岡映二さんがこのインタビューを読まないことを願います。

「あははは。当時、PRIDEの実況をしていたのがマウロ・ラナーロで、父のPRIDE武士道の試合も実況した。そして今年からShowtimeの実況がマウロで。マウロもあの時の話をしてきたよ。でも親子揃ってマウロに実況してもらえるなんて光栄だよ」

──お父さんの時代は寝技にいけば、寝技の攻防がありました。しかし、今のMMAはテイクダウンされても立つ。まずはスクランブルというのが王道で、じっくり寝技を戦うことは難しいです。それでもルカスは組み技中心の組み立てですね。

「まず言えることは、僕は打撃戦がエンジョイできていないからだよ。柔術が僕のベースで、それは隠しようがない。打撃で勝つには技量不足だ。でもMMAは組み技をしっかりとやりこめば負けない。デミアン・マイアのように。テイクダウンも超一流ではない。でも、掴んでしまえば彼の試合だ。

僕も如何に打撃戦をしないで近づき、組めるか。テイクダウン以上に、ホールディングの方が戦いやすいんだ」

──正直なところ、あの戦い方は自らも削られるかと。

「何度もテイクダウンを仕掛けていると、そうなるだろうね。でも、それがベストな戦い方だから練習もそうしてきた。前回の試合も1Rに8度テイクダウンをして、2Rには疲れていた。今回の試合はそんな風にならないよう戦いたい。

指摘されたように、背中をマットにつけて柔術をする選手は今やMMAではほとんどいない。僕の過去の対戦相手は、誰1人としていなかった。誰もがすぐに立ち上がる。背中を見せてね。きっと次の試合もそうなる。そして、そこを理解して戦うことだよ」

──現在4連勝中です。これからの目標をどこに置いていますか。

「まずこの試合に勝つこと。そして、まだ21歳になったばかりだし、体が出来上がってきているので、階級を上げることになると思う。ただし、そんなに焦っていないし、与えられた相手に勝つことが先決だよ」

──ではマシュー・スキビッキー戦では、どのようなところをファンに見てほしいと思っていますか。

「打撃と(笑)、素晴らしい柔術だよ。ファイト・オブ・ザ・ナイトはいらない。目指すはパフォーマンス・オブ・ザ・ナイトなんだ。攻めて、攻められるなんて戦いではなく、自分だけ良いパフォーマンスを見せることができれば良い。喧嘩がしたいわけじゃないから」

──ルカス、今日はありがとうございました。20年近い時を経てお父さんに続き、息子さんをインタビューできて感慨深いです。

「BellatorとRIZINがまた合同興行を開くなら、さいたまスーパーアリーナで、日本のファンの前で戦いたい。僕はこれまで小さなカジノと、大きな会場で無観客という状況でしか戦ったことないから、そういう経験をしてみたいんだ」

■視聴方法(予定)
6月12日(土・日本時間)
午前7時00分~Prelim :Bellator MMA YouTube Channel
午前10時~Main Card: Bellator MMA YouTube Channel

■Bellator260計量結果
<Bellator世界ウェルター級選手権試合/5分5R>
[王者]ドゥグラス・リマ: 169.75ポンド(76.99キロ)
[挑戦者]ヤーソラフ・アモソフ: 170ポンド(77.11キロ)

<175ポンド契約/5分3R>
ポール・デイリー: 175ポンド(79.37キロ)
ジェイソン・ジャクソン: 175ポンド(79.37キロ)

<フェザー級/5分3R>
アーロン・ピコ: 145.75ポンド(66.11キロ)
エイデン・リー: 145ポンド(65.77キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ダマルケス・ジャクソン: 170ポンド(77.11キロ)
マーク・レミンガー: 170.5ポンド(77.34キロ)

<ウェルター級/5分3R>
カイル・クラッチマー: 170.75ポンド(77.45キロ)
レヴァン・チョクヒリ: 170ポンド(77.11キロ)

<フェザー級/5分3R>
タイワン・クラックストン: 146ポンド(66.22キロ)
ジャスティン・ゴンザレス: 145ポンド(65.77キロ)

<ライト級/5分3R>
ニック・ニューウェル: 156ポンド(70.76キロ)
ボビー・キング: 156ポンド(70.76キロ)

<150ポンド契約/5分3R>
ルカス・ブレナン: 146.5ポンド(66.45キロ)
マシュー・スキビッキー: 146ポンド(66.22キロ)

<女子フェザー級/5分3R>
アマンダ・ベル: 145ポンド(65.77キロ)
マリーナ・モフナトキナ: 145.5ポンド(66.0キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
アレックス・ポリジィ: 205ポンド(92.99キロ)
グスタボ・トゥルヒーリョ: 205.25ポンド(93.09キロ)

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