【ACA123】TD0回のキチジンが、TDを4度決め2度寝技も制したシウヴェイロからえげつない判定勝ち
【写真】打撃の展開はほぼほぼなく、ここからテイクダウン狙いという攻防で目的を果たしたのは明らかにシウヴェイロだった(C)ACA
<ウェルター級/5分3R>
ジョージー・キチジン(カザフスタン)
Def. Split Decision
エリアス・シウヴェイロ(ブラジル)
右ストレートを見せてシングルで組みついたキチジンが、シウヴェイロをケージに押し込む。細かいヒザの応酬以外、大きな動きはない力のこもった組み合いのなかでシウヴェイロが右のパンチを放つ。すかさず左のパンチを見せたキチジンの押し込みは2分に及ぶ。頭を取って回したシウヴェイロが離れると、ローを2発。直後にキチジンがシングルレッグから、クリンチ&押し込みへ。右腕を差して左でボディを殴るキチジンに対し、シウヴェイロはアッパーをよけて離れると、シングルレッグからダブルに移行してテイクダウンを決める。
ハーフからケージを使って立ち上がったキチジンだが、バックから正面に回ったシウヴェイロがボディロックでテイクダウンへ。耐えるキチジンに右のヒザを突き上げたシウヴェイロが小外掛けでテイクダウンを奪いラウンドを取った。
2R、開始直後にシングルレッグを決めスクランブルでシウヴェイロがバックに回る。両ワキを差したシウヴェイロが、ボディにヒザを入れる。左腕を差し返し、体を入れ替えたキチジンがシングルへ。初回同様、キチジンがシウヴェイロを押し込む展開となり、残り1分40秒となり両者がようやく離れる。
シウヴェイロのカーフに、キチジンがまたもシングルレッグでケージに押し込む。頭を抱えてパンチを入れるシウヴェイロは、払い腰を防が金網を背負ったままラウンド終了を迎えた。
最終回、シウヴェイロが左ジャブから右ロー。ワンツーを2度繰り出したキチジンが、デジャブのようにシングルレッグへ。ここはシウヴェイロが頭をコントロールして、直ぐに離れる。パンチの応酬からシウヴェイロがシングルレッグを決める。ケージ際まで移動したキチジンは、暴れてスクランブルへ。ボディロックでもう1度倒したシウヴェイロが、スクランブルでバックに回る。
再びボディロックで倒したシウヴェイロのバックコントロール&ボディロックが続く。尻をずらして体を入れ替えたキチジンは、ここもやはりシングルに出る。残り2分、テイクダウン以上が逆転には求められるキチジンだが、ケージに押し込んだ状態が続き、残り試合タイムは1分を切ってしまう。
それでもシングルを続けるキチジンは、右腕を差して大内刈りへ。これも決まらず、シングルに戻したキチジンだが、頭を押して体を跨いだシウヴェイロがバックに回り寝技に持ち込む。足をフックしサイドバックのような位置からシウヴェイロがパンチを落とし、タイムアップに。
初回と最終回にクリーンテイクダウンを奪い、トップとバックでコントロールしたシウヴェイロはセコンドのペドロ・ヒーゾと勝利を確信してハグする。と、裁定はスプリットでキチジンに。セコンドのスマホで記念撮影の準備をしていたシウヴェイロは、表情が固まりケージを後にした。
えげつない裁定で勝利を手にしたキチジンは、「今はダメージばかり考慮されるけど、コントロールしていたのは僕だから勝ったと思った。テイクダウンできなかったことは驚いたけど、それでもコントロールしていたから」と話した。シウヴェイロはテイクダウンを4度決め、トップやバックでコントロールが3度あったので、何も説得力のないコメントだ。