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【Bellator257】デイヴィスに競り勝ったワジム・ネムコフが、王座防衛&AJ✖ロメロ戦の勝者と準決勝へ

<Bellator世界ライトヘビー級選手権&ワールドGP準々決勝/5分5R>
ワジム・ネムコフ(ロシア)
Def.3-0:48-47.48-47.48-47
フィル・デイヴィス(米国)

左ジャブ、右を伸ばしたネムコフが左ハイを繰り出す。距離を取って見るデイヴィスは、ロー以外は受けない。そのローを2発入れたネムコフが左ジャブから右ストレートを伸ばす。デイヴィスは右に回る。ネムコフは積極的にステップインして、右フックでデイヴィスのバランスを崩すと、さらに距離を詰める。

デイヴィスは極端に距離を取ることなく、カウンター狙い。そして組むこともなく、省エネとラウンド終盤のスコアリングを念頭に置いているか。残り1分を切り、デイヴィスが右ローを当て、ネムコフは左を伸ばす。さらにワンツーを入れたチャンピオンが右を続け、最後に自らのハイキックで尻もちをついたが、デイヴィスは組むことなく初回を終えた。

2R、ハイを蹴り合った両者。デイヴィスが右オーバーハンドを振り、ネムコフが間合を取り直す。左目尻をカットしているチャンピオンだが、気にせずワンツーを振るっていく。デイヴィスの左ミドルにも、構わず距離を詰めるチャンピオンは右に続く左フックを当てる。パンチ勝負のチャレンジャーは左を打たれ、ガードを高くする。ステップジャブを続けるネムコフが右アッパーから左フックを当ててダウンを奪う。

デイヴィスは起き上りながらシングルレッグへ。ケージを背にしたネムコフはボディロックから、ダブルレッグへの移行にギロチンをセット。デイヴィスは頭を抜いて距離を取り直すが、ここでペースを上げないといけない展開となった。オーバーハンドの交錯から組んだデイヴィスだがテイクダウンは奪えない。逆にネムコフがシングルレッグを仕掛けたところでラウンド終了に。

3R、近い距離で左フックを当てたネムコフは、左フックから右ハイ。デイヴィスの左の蹴りをかわし、右オーバーハンドを繰り出す。デイヴィスは右ストレートを被弾し、右クロスを空振りする。チャンピオンはダブルジャブ、さらに左ストレートを入れる。ボクシングマッチが続き、ジャブから右をネムコフが当てる。決定代はないが、手数&精度で上回るネムコフのペースで試合は進む。一度、組みに行ったデイヴィスは逆にダブルからバックに回られチャンピオンシップラウンドへ。

4R、ジャブの応酬から、王者が左リードフック。さらにワンツーからスリーを伸ばす。ジャブからの右をかわすデイヴィスもワンツー、この辺りでペースを上げたい。しかし、シングルで足を掴めずクラッチするなどデイヴィスも疲れてきたか。3分を経過したころから、ネムコムも動きが落ちる。踏み込みが甘く、伸ばす拳にも力が感じられなくなったネムコフに対し、デイヴィスはここが攻めどころだが……。

と、組んでいったネムコフは組み負けて、離れたデイヴィスの動きが上がる。デイヴィスを相手に組みを選択するチャンピオンは、ダブルレッグを切られクリンチでヒザを腹に受ける。離れてからもデイヴィスは相打ちながら左フックを当て、さらにネムコムの動きが落ち、ガードも下がり気味に。続けて右フックを被弾し、明らかに下がるようになったネムコムがラウンドを明確に落とした。

最終回、序盤はジャブを伸ばし後ろ回しを見せるなど、回復傾向になるネムコフ。デイヴィスはワンツーからローを被弾し、4R終盤の攻勢を維持できない。ネムコフはダブルレッグを切るが、ワンツーをローを逆に受ける。ワンツーで右フックをテンプルに入れたチャンピオンは、ローが急所に入り即ブレイクを要求する。

互いに息を整え、リスタート。デイヴィスは動くが手数は多くなく、ネムコフは後ろ回し蹴りを繰り出す。ドタバタとした打撃戦のなかで、威力がありそうな攻撃はデイヴィスの蹴りか。ここで王者はダブルレッグへ。デイヴィスはダースで切り返すが、滑って頭を抜けて下になってしまう。残り1分、両者がスタンドに戻るが勢いある打撃戦をする力は残っておらず、デイヴィスが組んでクリンチへ。

最後にパンチを振るって離れたデイヴィス、ネムコフは後ろ回し蹴りを見せた消耗戦は終わった。ジャッジの裁定は3者とも48-47で王者に凱歌が挙がりデイヴィスを返り討ち──、初防衛と準決勝進出となった。

「テイクダウンを防いで打撃で戦うのが作戦だった。5Rで距離を取るフィル・デイヴィスをKOすることは難しい。コンディションが決め手だった」とネムコフは勝利を振り返った。


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