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【ONE115】大病からのカムバック。あの日の強さを見せることができるか、ローウェン・タイナネス

【写真】あの日の強さを維持しているなら、クリスチャン・リーに勝つ力を十分に持っているタイナネス (C)MMAPLANET

18日(金・現地時間)にシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE115「Collision Course」で、ローウェン・タイナネスが1年11カ月振りの実戦復帰戦を戦う。

プロ2戦目でエドゥアルド・フォラヤンを破り、その後も勝ち続け10勝0敗のレコードを持つタイナネスだが、負傷や契約問題でキャリア9年で、これだけしかファイトをしてこなかった。

2年9カ月振りのファイトを昨年1月に戦った後、背骨や手足の関節、腱や筋の付け根に炎症をきたす脊髄関節炎を患い、その治療に集中してきたタイナネス。

今も痛みがフラッシュバックがあると彼は、心身ともにタフになり、MMAに戻ってきたと言い切った。マラット・ガフロフを相手に、あの無双だった強さを見せることができるのか。タイナネスにこの試合への想いを訊いた。


──2019年1月、2年9カ月振りの試合を戦いホノリオ・バナリオを初回でパウンドアウトし、ようやくライト級戦線に戻ってきたと思ったら、また1年11カ月もケージで戦う姿を見ることができなくなりました。

「脊髄関節炎になり、体中の色々な節々に痛みを感じるようになった。激痛をね。痛みを取り除くというか、自分を普通の状態の戻さないといけなかった。自己免疫を自分でつくってね。そりゃ、時間が掛かってしまったよ」

──これだけ試合が再びできなかったことをどのように捉えていますか。

「正直にいえば……しょうがないよ。まずは健康が第一だ。好きなことをしたいというのは、そこがあって初めて考えることができることだからね」

──確かにその通りですね。加えてCovid19のパンデミックも起こりました。ローウェンのキャリアに、この影響はありましたか。

「Covid19は僕だけでなく、皆に影響を与えたよ。ただし、僕にはそれほど影響があったとは思っていない。新型コロナウィルスの有無に関係なく、僕は常に自分の健康と向き合わないといけなかったら。

ファイトのことを考えるよりも、とにかく自分のことを考えないといけなかった。ビーチを走ったり、ワークアウトはできる。でも、そうするとまた違う痛みに襲われるんじゃないかって、どうしてもフラッシュバックに襲われてね……」

──……。いつ頃からケージに戻れると思うようになれたのですか。

「20度以上も専門医に血液検査をしてもらった。一つが良くなっても、また違う場所に痛みを感じるような状態で、全ての検査項目で陰性にならないといけなかったんだ。本当に自分の置かれた状況が信じられなかったけど、ダイエットをしてあるべき体重にすると、症状は回復していったんだ。

僕の体、体質が望まない食事などを排除していく日々だった。それを見つけて、体調を整えてきた。だから、言ってみれば前回の試合から常に試合を戦う準備をしてきたってことだよ(笑)」

──いや、本当に尊敬すべきタフさです。

「心身ともにね(笑)。人生に必要な全ての要素でタフになったよ。それが僕の人生だからね。MMAを再び戦いたい、ずっと思ってきたことだ」

──この間、ライト級のタイトルホルダーはクリスチャン・リーに代わり、ローウェンが欠場したワールドGPの優勝も彼でした。

「その通りだ。そして、それが現実だ。僕がどうこうできることじゃないから、この現状を理解して戦っていくだけさ。ライト級はチャンピオンだけでなく、新しい名前が多く見られるようになった。チャンスを逃さず、一つずつ勝っていくことだよ。

とはいっても、今週の試合が大切だ。まず、この復帰1戦目を乗り越えないとね。何より、また戦えるんだ。しっかりとすべきことをやるよ」

──マラット・ガフロフの印象を教えてください。

「元世界チャンピオンでレジェンドだ。スタイルは……僕に似ている部分もある。フェザー級時代よりも、計量も簡単になっただろうし──なぜ、ライト級を選んだのか、試合で確認するよ。彼に今の僕の持つ課題をぶつける。そうだね、もってこいの相手だよ」

──マラットの過去数試合のパフォーマンスは、良いとは言えません。

「分かっているよ。ただし、前回の悪かった動きを想定するわけにはいかない。彼も僕もそうだし、常に新しいチャレンジをしている。だから、金曜日のマラットが前回と同じだとは思っていないよ」

──ローウェン・タイナネスは今もライト級で最高のファイターです。タイトル獲得へ向け、トップ戦線で戦う自信をどれだけ持っていますか。

「そういってもらえて嬉しいよ、ありがとう。とにかく、今は自分は何ができるのかを次の試合で試すよ。そこに集中しているから、その質問は試合後に聞いてくれないか(笑)。今はマラットに鉄槌を落とすことだけを考えているから」

──分かりました。楽しみにしています。金曜日の夜、何を見せたいですか。

「僕を見せたい。この2年で僕のことを知らないファンも増えただろう。そして、僕のことを知っているファンも、僕がどれだけできるか──疑問視しているはずだ。だから、何も変わっていないことを試合で見せる。そして、ローウェン・タイナネスは今もベストマーシャルアーツ・ファイターになる過程にあることを証明するよ」

──ローウェン、今日はありがとうございます。

「日本にいる僕のことを知らないファンは、ローウェン・タイナネスがどんなファイターかを見てほしい。僕のプロMMAデビュー戦は、父と一緒に戦った日本のHEATだった。あの日のことを忘れたことはない。日本に戻る日が待ちきれないよ。ドーモ、アリガト!」

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