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【ONE】そろそろ正式発表? 共同会見前の青木真也の言葉「テイクするだけで、ギブがない」

【写真】つまりは人生を自分の手で切り開くという範疇が、青木は広い (C) MMAPLANET

1日(土)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されたShooto2020#05の開場前に、青木真也が次戦について共同取材を受けた。

その直前にMMAPLANETでは、月間、青木のこの一番の取材の流れで次戦について話を聞いていた。今だからこそ──という考えは誰にもあるが、だから頑張らないといけないという思想でなく、当たり前のことをするという青木の真意とは。

そろそろ、正式発表があるのではないかと思われる──青木真也の次の試合──その発表前にぜひとも目を通してほしい彼の言葉だ。


この仕事はケージの中に入って試合をすることなんです

──青木選手、試合が決まったとツイートしました。これから、その試合に向けてこれから共同取材があります。

「具体的なことの発表とかではなく、この時期に試合をすること、そこについて話すことになると思います。そうですね、試合をやりたいと……色々と想うところはあります」

──もうそろそろMMAが戦いたいということでしょうか。

「これ、もう言ってしまうと……アレですけど、すっごい雑な極論でいえばやらなくても良いんです」

──えぇ!! どういうことですか、それは?!

「いや、だって秋山選手とかやらないじゃないですか。試合をやらなくても、僕も細々とご飯を食べることはできる。ただ、好きだから。これが好きだから。これで、もうちょっとやりたいこともあるし、このなかでモノゴトを創りたいって考えると戦いたい。

そこだけなんです。やらなきゃいけないとかっていう気持ちじゃないです」

──やりたい気持ちであって、やらなければいけないということではない……と。

「はい、そういう気持ちです」

──共同取材も具体的な話ではないということですが、現実的には4月に出場したRoad to ONEが開かれ、そこに出場するというのが現状で一番しっくりくるかと思われますが……。

「あのう……僕のなかでの認識では、Road to ONEはONEの大会という認識はあまりないです。ONEの大会ではなく、ABEMAの大会です。そういう認識でいます。そこに関しても今、皆が奇策を練っている。北岡さんのクラウド・ファンディングもうだし、RIZINもそう。奇策……というか、飛び道具というか。

奇をてらっていて、そこでいえば朝倉未来も奇策なんです。誰もがYouTubeをやって……メディアですら、そこにある誰かの水着写真を載っけて。本来、僕は奇をてらう人間だったけど、今それをやると奇策にならない。皆、同じだから。

だから凄くシンプルに当たり前の大会があって、そこで戦いたいということです」

──国内でMMAの試合を戦っても、ファイトマネーはONEで戦う時は違ってくるかと思いますが、その辺りはプロとして戦っていてどのように捉えていますか。

「もう、それは……いただけるなら、いただくし。そうでなければ、それで。逆の言い方かもしれないですけど、あれば使うし、無けりゃ使わない。でもね、メッシが減俸される世の中ですから。

う~ん、なんか業界自体が物乞いが過ぎると思うんです」

──物乞い?

「そんなこと言うと怒られるかもしれないけど、美しくないですよ。本来ある芸事の姿を取り戻さないと。恵んでくださいでなく、くれってことですよ。僕は川端康成スタイルって呼んでいて、今東光とやっていたことってそうだと思っているので。そういう……芸事の基本に戻るっていうことがありますよね(笑)」

──う~ん、その辺りは私は知識がないので、またどういうことか教えてください。ところでONE本体も10月にシンガポールで大会を開き、そこでは特例措置であるグリーンレーン・ビザと呼ばれる2週間の隔離無しで入国できる査証を選手が取得でき、国際戦が組まれるという話もあります。

「う~ん、そこはまだ可能性の話で、正式決定してからですね──考えるのは。そういう意味ではアブダビで国際戦をやってしまうUFCは断トツだし、その部分に関しては僕はもう達観していて……。それに2週間の隔離があっても、オファーがくればやるし。基本、オファーがあれば戦う姿勢でいますから。

2週間の隔離があると調整が十分かといえば、それは分からないです。でも、この仕事はケージの中に入って試合をすることなんです。コンディションが……というのは、僕はやれと言われればやる」

──その辺りは唯一無二の感じになってきていますね。

「とにかく、4月以降に他の選手とか見ていてちょっと嫌なことが多くて。結局、当たり前のことを当たり前にやる。そういうことだと思います。この間、下さいって手を伸ばしているだけで、誰も動かなかった。でも、僕はそうではなかったと思っています。

何かしら、とにかく動いてきた。その辺とは違う。若松佑弥がって言ったら、アイツだけになってしまうけど『試合、どうなるんですかね?』って僕に言ってきて……。これは若松佑弥だけでなく、今、皆がそうなんです。試合がどうなるのか、大会がどうなるのか──と気にして、練習に懸命になっている。

でも、それは自分でどうにかしていくものだから。ファイターだから練習して、試合してナンボという世界観は分かります。でも、今はそれだけやっていれば良い時期じゃない。それでは自分がテイクするだけで、ギブがない。そこに違和感を持ち続けてきたので、僕自身はそうでない……次の試合も港とは違う形でやっていきたいと思います」

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