【Special】岡田遼が語りたい、UFCプレリミ戦─08─マクワン・アミルカーニ✖ダニー・ヘンリー
【写真】カミルカーニにとってアナコンダでの勝利は3度目。ここから時計回りに足をヘンリーに近づけていき落とした (C)Zuffa/UFC
修斗暫定世界バンタム級チャンピオン岡田遼が岡田遼の語りたいUFCプレリミマッチ。
第8回は7月12日(日・現地時間)のUFC 251で行われたフェザー級戦=マクワン・アミルカーニ✖ダニー・ヘンリー戦について話してもらった。
──岡田遼が気になる7月のUFCプレリミマッチ、2試合目は?
「マクワン・アミルカーニ✖ダニー・ヘンリー戦ですね。これも対戦相手はどうなのかっていう話にはなりますが(笑)、フィニッシュが素晴らしかったです。
シングルレッグからボディロックで倒して、そのまま亀のヘンリーのバックにアルミカーニが就いたのですが、普通はシートベルト──襷掛けに行くかと思います。アミルカーニはそこでシートベルトでなく、『それやっちゃダメでしょ』というクラッチをします」
──まるでバックをキープするという意識はなかったです。
「ハイ、右手で頭を抱えに行って。そんなことをやってくるのならって、ヘンリーもシングルレッグからスクランブルに持ち込もうとしました。
そうしたスイープするように跳ねて隙間を創ると、上を取るのではなくてヘンリーのヒザを着かせて首を取り続けていました。そこから左足でヘンリーの右腕を引き寄せて、RNCクラッチにとってアナコンダに入りました。そのまま定石通りに足をヘンリーの方に寄せていき、落としてしまいました」
──ヘンリーの足がピクピク痙攣していて。なかなかのインパクトでした。
「このパターン、アルミカーニは得意パターンなんだと思います」
──シートベルトに行かないところから、アナコンダへの導入が始まっているということでしょうか。
「逃げ道を一つ、ヘンリーに与えましたね。これならシングルレッグにいくことができると思わせておいて、まんまとガチっとはめ込んでギロチンからのアナコンダでした。この動きはめっちゃ勉強になると思って、打ち込みをやってみました」
──シングルでスクランブルなら、岡田選手はギロチンという選択もあるのではないですか。アナコンダに移行せずに。
「ギロチンで終わらせることができるならベストですね。ただし、アームインのギロチンだったのでなかなか極め切ることは難しいかと思います。あの形だと、僕もアナコンダで極めたいですね。
もともと狙いはアナコンダで、だからノーアームではなくてアームインギロチンだったはずです。なかなか見られない入りで、凄く興奮しましたね。これから、この打ち込みを内藤弟と繰り返して、モノにしたいと思います。この入りは凄いですよ。皆、絶対に知らないですし」
──でも、UFCで見られたムーブですよ。
「そうなんですけど、皆、UFCもメインカードは見ていてもプレリミは見ていないですよ」
──えぇ……そうなのですか。
「ほとんどの選手がそんな感じだと思います」
──私も全試合をチェックするということは正直ないですが、プレリミとかメインに関わらずチェックしたい試合は視聴するようにしていますが……。でも、速報をしているとメインイベントが始まる頃には疲れ切っています。
「アハハハハ。今はUFCも週1でありますしね。でも、3月の終わりから4月を想えば、UFCを見ることができるって本当に幸せなことです」
──確かにその通りですね。しかし、アミルカーニはフィンランドですよ。アイスホッケーやF1、ラリーじゃないですからね。
「ファイトアイランド大会は本当に色々な国の選手が出ていますよね。UFCに行き着く大会も北米とは違っていて。だからチャンスはあるんじゃないかと思っちゃう自分もいます」