【ONE】2月度・大沢ケンジ勝手にランキング─02─「三浦さんは歪なのにまとまっている」
【写真】フェザー級でランク2位に躍り出たタン・リー。打の強さを見せつけた(C)MMAPLANET
2020年2月1日付ONE Championship非公認・大沢ケンジ監修非公式ランキング。
大沢ケンジの独断と偏見と、ONEを盛り上げたい気持ちから作成されているランキング──2020年2月1日付ランキングから、今回はランクが大いに変わったフェザー級、そしてライト級から女子2階級について話してもらった。
<大沢ケンジ2020年2月度ONE勝手にランキングPart.01はコチラから>。
──続いてはタン・リーがジャンプアップしたフェザー級です。
【フェザー級】
C マーチン・ウェン(豪州)→
1 クリスチャン・リー(米国)→
2 タン・リー(米国)↑
3 ゲイリー・トノン(米国)↓
4 松嶋こよみ(日本)↓
5 ジャダンバ・ナラントンガラグ(モンゴル)↑
6 中原由貴(日本)↑
7 キム・ジェウン(韓国)↑
8 高橋遼伍(日本)↓
9 シネチャグタガ・ゾルツェツェグ(モンゴル) NEW
10 山田哲也(日本)→
「そうですね、タン・リーが高橋遼伍選手をKOし、試合から遠ざかってるゲイリー・トノン、松嶋こよみ選手の上になりました。ちょうど良いんじゃないですか。松嶋選手✖キム・ジェウンが今週末にあって。いやぁ、フェザー級面白いですね。タン・リーは強かったですよ。日本は世界に打撃がおいていかれていると思います」
──寝技もおいていかれているかと……。
「あぁ、そうなりますよね。全体的に練習量が減っていますから。選手層も薄くなっています。プロになってから、もっともっと強くなるための練習、実戦で育てていかないと……だいたい、プロを育てるジムが減っているし。これだけジムは増えても……プロを育てるって経営的には得があるわけではないから。いや熱くなっちゃいますけど、この話はまた違う機会にしましょう」
──……。この他フェザー級では。ライト級転向でマラット・ガフロフがランク外になり、シネチャグタガ・ゾルツェツェグがマー・ジャワンをKOし9位にラインクインしています。
「ヤバいですね、モンゴル(笑)。なんなんでしょうね、体が強いというのか。パンチも見ていたし、頭を振ってタイミングを合わせて打っている。相手の動きを見て、ちゃんとパンチを打てるんですよね。それができる選手と戦うと、こっちはなかなかパンチを出せなくなりますからね。
いやぁ日本人選手が4人いるんですけど、フェザー級は難しい階級ですね。クリスチャン・リーとマーチン・ウェンは抜けていますね。タン・リーも強いけど、クリスチャンのダギ(ザイード・フセイン・アサラナリエフ)戦のように、我が身を差しだして削りに行くことができるのか。シネチャグタガ・ゾルツェツェグにキム・ジェウンも強いし、松嶋選手──勝負の時ですね」
──続いてライト級です。ランク外だったバウシュトが、5位のフォラヤンに勝利してジャンプアップというか、瞬間移動のようにランク中位に来ました。
【ライト級】
C クリスチャン・リー(米国)→
1 ダギ・アサラナリエフ(トルコ)→
2 青木真也(日本)→
3 ローウェン・タイナネス(米国)→
4 ティモフィ・ナシューヒン(ロシア)→
5 ピーター・バウシュト (オランダ) NEW
6 エディ・アルバレス(米国)→
7 アミール・カーン(シンガポール)→
8 エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)↓
9 マラット・ガフロフ(ロシア)NEW
10 アリエル・セクストン(米国)↓
「バウシュト、強いと思っていたんですけど……強かったですね(笑)。
上手いですしね。フォラヤンがハイキックを2発貰って……意外とパンチを出さないし、試合巧者で。ただ青木君ぐらい寝技ができると、いけるのかな。打撃と組みでいえば打撃全盛のなかで青木君ぐらい考えていると、組みでも行けると思うんです。
でも、他の選手はそこまで考えていない。だったら打撃だろうっていうのが僕の考えで」
──そういうなかでライト級ではタイプは違いますが、ローウェン・タイナネスにフェザー級から挙げてきたマラット・ガフロフと組み主体の選手がいます。
「タイナネスって試合をしないのですかね。同じハワイのマイケル・ナカガワ君に聞いたら、あのごつい体なのにベジタリアンでめちゃくちゃ健康を気にしているタイプだって。それを聞いて、余計に興味を持ちましたね。
あとガフロフに関してはライト級に転向して、どこまでできるのか。ライト級の体格があるのか──ですね」
──ではウェルター級ですが、ライモンド・マドメダリエフがジョーイ・ピエロッティに勝利しランクインした。この試合だけでした。
【ウェルター級】
C キャムラン・アバソフ(タジキスタン)→
1 ゼバスチャン・カデスタム(スウェーデン)→
2 ジェイムス・ナカシマ(米国)→
3 テイラー・マグワイア―(米国)→
4 ルイス・サッポ(ブラジル)→
5 アギラン・タニ(インドネシア)↑
6 岡見勇信(日本)↓
7 コズモ・アレッシャンドリ(ブラジル)→
8 ライモンド・マドメダリエフ NEW
9 セイジ・ノースカット(米国)↓
10 ムハンマド・カラキ(レバノン)↓
そしてミドル級、ライトヘビー級、ヘビー級は恒例というか、話すことがない(笑)。試合がないということで、女子アトム級にいきましょう(笑)」
──アハハハ。女子アトム級はプジャ・トマールに勝ったスタンプ、アシャ・ロカに勝ったジナがランクを上げ、自然と試合のなかった山口選手の上に来ました。
【女子アトム】
C アンジェラ・リー(米国)→
1 シィォン・ヂィンナン(中国)→
2 スタンプ・フェアテックス(タイ)↑
3 ジナ・イニオン(フィリピン)↑
4 山口芽生(日本)↓
5 モン・ボー(中国)→
6 デニス・ザンボアガ(フィリピン)→
7 ジヒン・ラズワン(マレーシア)→
8 プリシラ・ガオール(インドネシア)→
9 ボズビーナ・アントニヤ(ミャンマー)→
10 ジョマリー・トーレス(フィリピン)NEW
「メイはシンガポールでモン・ボーと当たる。結構強い相手なので、しっかりと勝ってもらいたいですね。モン・ボーに勝てばタイトルに挑戦させてやってほしいです」
──パンダがイヴォルブMMA入りし、上位2人が同じチームになりました。アンジェラはハワイで練習していますが、今後どうなるのか。
「ならパンダとスタンプがやれば良いじゃないですか!! ここは上と下がハッキリと分かれていて、メイもスタンプも上とどんどん絡ませるべきですよね。
メイとパンダ、メイとスタンプ……ただスタンプは次はキックになって。そんなのやんなくて良いよって(笑)。MMAで上の選手とやってくれって思いますね。そういう状況だからこそ、タイトル挑戦を考えるとメイは次の試合、本当に大切ですね。
それと今週末は平田さんが、ビー・ニューイェンより強いんじゃない?っていうナイリーン・クローリーと試合があって。ここに勝ったから、間違いなく再ランクインだし。女子アトムの下位は食ったり、食われたりという団子状態で。そこでクローリーに勝てば、団子状態を抜けるだけの力があるってことだと思うんです。いやぁ、楽しみな階級ですね」
──では最後の階級、女子ストロー級です。マイラ・マザールに一本勝ちした三浦選手が1ランクアップで、負けたマザールもパフォーマンスを評価され6位になりました。
【女子ストロー級】
C シィオン・ヂィンナン(中国)→
1 ミッシェル・ニコリニ(ブラジル)→
2 アンジェラ・リー(米国)→
3 三浦彩佳(日本)↑
4 ティファニー・テオ(シンガポール)↓
5 ハイアニ・バストス(ブラジル)→
6 マイラ・マザール(ブラジル)NEW
7 サマラ・サントス(ブラジル)↓
8 ラウラ・バリン(アルゼンチン)↓
「マイラ・マザールって強いと思うんですよ。ジャン・ウェイリとやった試合を見えても、打撃でけっこう押していたし。
その相手に三浦さんが、そこまでハマるのかっていう試合でしたね。信じて戦う強さというのか。マザールも腰を抑えて対処しているのに、あの勝ち方ができた。やっぱり前に出るから、あの試合ができたってことですよね。
首投げから袈裟という流れも、以前より磨かれている。刀が研がれています。だから、ここもシンガポールでティファニー・テオと戦って、タイトル挑戦へ進んでほしいですね。テオはミッシェル・ニコリニにアレって思う判定で勝っていますけど、それは寝技で極めさず、スタンドでローやジャブを当てていたからで。
だから三浦さんが組むまでに苦労するようなら、面白い試合になりそうです。三浦さんは漢気のある武骨な試合をして、MMAとして歪ながら、まとまった魅力を持っている。今回はどうなっているのかなって。やるべきことは、道は一本道で見えている。そして凄く綺麗に舗装されていて。平均台みたいな細い道が、どれだけ高くても駆け抜けることができる。いやぁ、魅力的な選手になりました」
──1月はランク変動が多い月になりましたが、MVPはじめ3賞がどうなるのか楽しみです。
<この項、続く>
■ONE108対戦カード
<ONE Super Seriesムエタイ世界フェザー級王座決定戦/3分5R>
ペットモラコット・ペッティンディー・アカデミー(タイ)
デトリット・サティアンムエタイ(タイ)
<ミドル級(※93.0キロ)/5分3R>
レオナルド・アタイジ(ブラジル)
ライニア・デリダー(オランダ)
<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ユーリ・ラピクス(モルドバ)
マラット・ガフロフ(ロシア)
<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
エコ・ロニ・サプトラ(インドネシア)
コン・シチャン(カンボジア)
<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
キム・ジェウン(韓国)
松嶋こよみ(日本)
<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ナイリーン・クローリー(ニュージーランド)
平田樹(日本)
<68キロ契約/5分3R>
スノト(インドネシア)
ヤン・フェイ(中国)
<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
アブロ・フェルナンデス(インドネシア)
アハマッド・エコ・プリアンドノ(インドネシア)
<ムエタイ・フライ級/5分3R>
サヴァス・マイケル(キプロス)
内藤大樹(日本)
<ムエタイ・ストロー級/5分3R>
アンディ・ホーソン(英国)
ジョシュ・トナー(豪州)
<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
エギー・ロステン(インドネシア)
ファイジャル(インドネシア)
<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
デミ・ユリアント(インドネシア)
アントニス・ムヤック(インドネシア)