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【ONE107】ONE世界ストロー級王者パシオに挑戦、アレックス・シウバ「もっと柔術を活かすべきだと」

Alex Silva【写真】2018年5月に失ったベルトを1年8カ月振りに取り戻すことはできるか (C)ONE

31日(金・現地時間)にフィリピン・メトロマニラはパサイ・シティのMOAアリーナでONE107「Fire & Fury」が開催される。メインイベントは王者ジョシュア・パシオ✖挑戦者アレックス・シウバのONE世界ストロー級選手権試合だ。

24歳になったばかりの若きチャンピオンに対し、ONEの活動開始当初から同階級のトップとして活動してきたシウバは、2017年11月から2019年5月まで鈴木隼人、内藤のび太、猿田洋祐と日本人選手とばかり戦ってきた。

そして内藤と猿田を相手に3連敗を喫したあと、見事な腕十字で2連勝を飾りタイトル挑戦権を手にした。王座返り咲きに向け、マニラ入りしたばかりのシウバに話を訊いた。


──もうマニラですか?

「今、ホテルにチェックインしたところだよ。フライトが遅れてね、本来ならもう少し早く着いて休んでいるところだったんだけどね」

──そんななかインタビューを受けていただき、ありがとうございます。

「全然かまわないよ。食事をしているところだし」

──ますます恐縮してしまいますが、宜しくお願いします。金曜日のストロー級世界戦に向け、今の調子はいかがですか。

「最高だよ。またトップに返り咲ける試合だし、こういう機会を得ることができて本当にハッピーだからね。試合に向けて100パーセントの状態にあるよ」

──内藤のび太選手とのトリロジーを終え、そこから2勝を挙げました。このタイミングで世界王座挑戦の機会が巡ってくるとは思っていましたか。

「正直いうと、ここで挑戦できるとは思っていなかった。ただし、ONEはパシオと僕の試合をずっと組もうと思っていたはずだ。そしてパシオはサルタ(猿田洋祐)とナイトウに勝って、ストロー級は少し膠着状態にあるから僕の2試合連続一本勝ちが評価されたんだと理解しているよ。

ONEは世界戦でも、僕にそういうところを求めているんだろう。きっとファンもそうだと思うよ」

──2017年11月の鈴木隼人選手との試合から、先ほど言った内藤選手との3試合目があった昨年5月まで1年半で日本人選手と5連戦でした。その後、インドネシアのステファー・ラハディアン、中国のパン・シューウェンと戦い、どこかリフレッシュできた部分はありましたか。

「う~ん、色々な考え方があると思うけど、僕は特に対戦相手がどこの国の選手かは気にしていないよ。僕らは個々の人間だからね。たまたま生まれたところが違うだけで。プロモーターが指名した相手と戦うだけだから、中国人選手もインドネシアの選手だろうが、誰がどこの国旗を掲げて入場しようが関係ないよ」

──そんななかパン・シューウェン戦の腕十字の流れは本当に素晴らしかったです。

process to armbar「ありがとう!! 3連敗をして、自分の原点に戻ろうと思ったんだ。もちろんMMAだから打撃は大切だよ。

ただし、少しMMAをしようとしすぎていたのかもしれない。僕のバックグラウンドはブラジリアン柔術だ。もっとブラジリアン柔術を活かして戦うべきかと考えるようになり、それを実行するようにしたんだ。

もちろん今も打撃やレスリングの練習をして、成長している。と同時にもっと柔術を見つめ直してきた。僕はこの階級で一番のグラップラーのつもりだ。だから、もう少し柔術、グラップリングを代表して戦おうと決めたんだ」

──ONEが活動を始めて以来、アレックスはこの階級のトップコンテンダーでした。その一方で、パシオは過去2年半で圧倒的に成長し世界王者に君臨しています。

「若い選手の成長は目覚ましいものがある。と同時にMMAで戦っているどの選手もテクニック、フィジカル的に進化している。僕自身、そうだと思っている。その結果、チャンピオンはジョシュア・パシオであり、僕は彼を倒すために全力を尽くすだけだよ」

──アレックスの言うようにパシオだけでなく、チーム・ラカイ全体が組みへの対応力が進歩しました。

「その通りだね。もう彼らはストライカーじゃない。MMAアスリートだ。それは僕もそうだし、MMAで戦っている皆がストライカーであり、レスラーであり、グラップラーになっている。

もちろん僕はパシオに寝技で負けるわけがない。と同時に、打撃でやりあう必要もある。それが僕らのやるべきことだからね」

──そのMMAは今、グラップラーは打撃戦を戦う必要があり、ストライカーは寝技を避ければ良いという状況ですが。

「確かにその通りだ。だからMMAで戦う限り、その状況に応じていかなければいけない。そして、ジャッジの裁定基準に応じて最高の戦いをするのが僕の役目だよ」

──ストロー級ということで、トレーニングパートナーが自分より大きい状況が多かったと思います。

「今はリュウト(澤田龍人)がいるからね。同じサイズで良い練習ができ、今回もマニラに来てもらっている。それに彼以外にジムではプロMMAファイターでなくても、良い練習相手がいるから問題ないよ」

──では金曜日、どのような試合をファンに見せたいと思っていますか。

「そうだね……人間性が伝わる試合がしたい。僕がなりたいのはケージの中のチャンピオンではなくて、人生のチャンピオンだから。ジョシュア・パシオのことを尊敬し、力を尽くして彼に勝つ。そして、できれば東京で試合がしたいね。今年こそ、この夢を実現させたい」

──今年後半に日本大会は開催されるということなので、ストロー級王者になれば防衛戦で東京にやってくる可能性はグンと上がりますね。

「本当にそうなれば良いね。サルタでも、ナイトウでもいつでもまた戦いたいと思っている。ただ、そこはONEが決めることだけど本当に日本で戦いたいと思っている」

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