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【ONE107】デルフィーノ戦へ、和田竜光─02─「ギリギリの戦いをしてでも、勝つ。そういう風にしないと」

Wada【写真】常に冷静沈着、青木真也の言うように『理(ことわり)を持って』MMAに臨んでいる (C)MMAPLANET

31日(金・現地時間)にフィリピンはメトロマニラのパサイ・シティ、MOAアリーナで開催されるONE107「Fire & Fury」でイヴァニウド・デルフィーノと戦う和田竜光インタビュー後編。

DJ戦を経て、キャリアを如何に構築していくのか。そして未知のデルフィーノ戦について話を訊いた。

MMAファイターはスーパーマンではない。このインタビューを読んでくれる読者の方と同じ人間で、日々の研鑽を続け、成長過程、あるいは退化過程に合ったタイミングで、現状の舞台で戦っている。

それでも能力の大小、才能の多少は存在しているが、真正面から真っ向勝負することをルールで明文化されていないコンバットスポーツ──MMAは、だからこそ努力と工夫でその差を埋めることが可能になる。それがMMAの醍醐味であり、和田竜光をはじめとする多くの日本人選手が歩み続けた路だ。

<和田竜光インタビューPart.01はコチラから>


──対戦相手に怖いと思わせないのも、DJの強さかと思うことがあります。

「そうなんですよね。勝つためことをやっていて」

──余分なことはしない。

「そうやって勝てる。それができるのがDJなんですよね」

──そのDJと戦ったことで、何か区切りのようなモノをつけそうになる空気などはなかったですか。

「そういうのって、僕はあんまりないんです。ここまでやっていて、日々成長しているのを感じているので。病気も大きなケガもなく練習ができていて、体力の衰えもない。新しい技術も教わっていますし。誰かと戦ったからとか、チャンピオンになったからとか、そういう括りではないですね。あるとすれば、自分が衰えたかどうかで」

──ONEの中でも戦っていくには、興行に則した順序があります。ここでDJに敗れ再び上を目指すのか、それとも和田選手のなかで強くなっていることが確認できれば良いのか。

「自分の感覚のなかで強くなっていればOKというのはあります。でも、結果がついてこないとONEから必要されなくなりまると思うので。そうなった時……日本の小さな大会に出て──もっとオジサンになっても『俺は進化している』という風になるつもりはないです。トップ戦線で戦うことができないなら、やめます」

──練習の成果を出す。結果を残すというのは、対戦相手との相対評価であるMMAでは、どういう相手にそれを見せれば満足なのですか──ということになりますよね。

「だからONEのレベルで結果を残していたい。ONEに必要されなくなったら辞めるかなぁと……」

──勝手を言わせてもらいますと、DJには負けましたが、和田竜光はアドリアーノ・モライシュを含めた三強であり、非公式ランキングでは最低で2位だと思っています。

「ありがとうございます(笑)。まぁ、それこそ結果の話で難しいのですが……、ダニー・キンガドとリース・マクラーレンに負けている。でも、俺のなかでは負けていない。勝っいたと思っている試合なんで。ジャッジ批判やレフェリング批判はしたくないですが、思うところはあるままです。

俺はアレを認めていないし、今はあの時よりも全然強くなっている。もちろん目標はチャンピオンですが、そこを目指していくなかでダメな時もあるはずです。連敗してONEに出られなくなる時も来るだろうし、ケガをして弱くなることもあると思います。そういう時が来たら辞め時ですが、今は全くそういうことは考えていないです」

──だからこそ、次のイヴァニウド・デルフィーノが楽しみです。会見で和田選手も言われていましたが、過去映像が見つからない。今の世の中で、ここまで動画のない選手なんているのかというレベルの相手、和田選手がどのような戦いをやってのけるのか。

「アイツが出ているJungle Fightのハイライト映像しかなくて。それを見たんですけど、試合結果と照らし合わせて三角絞めを取っているコイツなのかな?とか。そんな感じなんですよね」

──写真と試合結果から連想するとバックを取るのが速くて、下から腰を切ったり、三角クラッチにはいるのもスピードがあるのかなど夢想するしかないです。

「バックボーンが柔術だと聞いていて、三角と腕十字で勝っている。柔術はできる。それとブラジル人で柔術ができるヤツって、喧嘩もできるじゃないですか」

──ハイ。

「だから打撃が荒くてもガンガン来ることを想定しています。でも、全然分からないです(苦笑)。会見でも言いましたが、フェアではないですよ」

──和田選手の試合動画はいくらでも残っていますしね。

「大きなイベントにしては珍しい。ONEにも映像をお願いしているんですけど……なぜ、ONEはアイツと契約したのか。レコードは8戦全勝で戦績は良いから、そういう部分で組まれたんでしょうね。分かんないですけど」

──アンフェアな状況だからこそ、しっかりと結果を残してもらうと。

「そうッスね。そういう選手とやるのも苦手ではないので。僕は型にはめ込んで対策練習とかするタイプじゃないですし、これまでも当日になって構えが違う相手もいました。今回の相手もサウスポーやオーソか分からないですが、どっちの練習もしています。

ボクシングジムも行っていますし、寝技の技術もある程度のところまでは上がってきているので、警戒して……集中して戦うことができれば大丈夫かと思いますけどね」

──和田竜光の強さをONEのジャッジが理解できるのか、そこが心配です(苦笑)。

「大振りの左右のフックとか、練習した方が良いですかね?」

──クレイ・グイダやベンソン・ヘンダーソンのように髪の毛を振り乱してパンチを出せば加点があるかも(苦笑)。

「そうっスね(笑)。あと、『こいよっ!!』、『オリャー!!』とやれば良いのか。でも、そういうのに大きく影響されやすいのがONEでもありますよね」

──当たるジャブより、空振りのフックかと思ったことは数知れません。

「そうなんですよ、そこは痺れるところなんですけど(笑)。『戦い方を変えますか?』、『ONEに適応させますか?』みたいな話もされますし、もちろんONEを意識した戦い方──寝かして殴るということも取り入れますが、そればっかりやるつもりもないです。僕は僕のMMAをやるつもりでいます」

──これまで培ってきたもので、和田竜光は構築されているので。その強さを見せてほしいです。

「そのためには、勝って結果を出さないといけない。1人ひとりをやっつけて──ギリギリの戦いをしてでも、勝つ。僕みたいなヤツはそういう風にしないとこの世界で生きていけない。派手なKOしたり、それこそお客さんを盛り上げるパフォーマンスをするわけでもないので。一つ一つ、1人ひとり、やっつけていくしかないです。

『今年、ONEのタイトルに絡みます』とは僕からは言えないので、本当に今年中に戦う相手を1人ずつやっつけて、勝っていけばタイトル戦ができる。その時のチャンピオンがDJなら、またDJに挑むことができる。それまで修行だと思って、課題をクリアしていくしかないです」

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