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【Special】HOMIES誕生から1年─01─細川顕の拘り「やられる側の子たちの立場を考慮した練習方法」

HOMIES Hosokawa【写真】「育てるという楽しみができた」と細川は、1年の活動を振り返る (C)HOMIES

MARTIAL WORLD Presents 日本の道場を巡る──旅、第一弾──として、名古屋に細川顕を訪ねた。JBJJF殿堂入り、日本の柔術界を代表するライト級柔術家=細川顕が自らの城ALMA FIGHT TEAM HOMIESを開いて1年以上が経過した。これまでも柔術の指導はしてきた。その細川が一国の主となり、指導や教え子たちとの付き合い、自らの稽古にどのような変化があったのだろうか。HOMIESという柔術スクールにおいて、細川の拘りが何であったかを尋ねた。


──自らの城ALMA FIGHT GYM HOMIESで活動を始め、1年1カ月以上が過ぎました。

「ハイ」

──ご自身で思い描いてきた道場での活動は、どれぐらい実現できましたか。

「正直、思い描いた活動ということ自体、1年前はどうなるかも予測できない状況でもあったので……持ち合わせていなかったかもしれないですね。

去年の春ぐらいから転勤で大阪から来た黒帯の後藤貴史さんが入門してくれたり、主要メンバーが揃うようになってきていました。経験者も紫帯の人なんかもいて、何人か柔術をやっていた人が入ってくれましたね。そういう今の核となるメンバーが揃って、割と試合に出るジムになりました。去年の11月にあった中部選手権には、18人ぐらいからHOMIESから出場しています」

──活動初年度で考えると、かなり競技会への出場が多いジムになっていますね。

「よく名古屋はトーナメントの参加者が少ないと言われていたのですが、かなり試合に出る人が多いです。決して、僕の方から試合に出ましょうというような啓蒙をするようなことはないのですが、ジムにそういう空気があるようです。

東京のトーナメントにも5、6人が出場して、応援する人を合わせると10人ぐらいで遠征していました。そこには核になってくれた人たちが『皆で出よう』という雰囲気を作ってくれたのはあるかと思います」

──細川選手が試合出場を続けているということも影響していると思いますか。

「どうなんですかね? 僕もそういう姿を見せないといかんという気持ちもあります。特に若い子に対しては」

──一昨年のカルペディエム・ホープ時代はジャパニーズ・ナショナルやムンジアルで杉江(アマゾン大輔)選手と揃って出場していたのが、去年はジムを開いたことも影響したか、IBJJFのポイントが掛かった大会で姿を見かけなくなりました。

「カルペディエム・ホープの時は杉江(アマゾン大輔)さんもいたし、やりくりができていたのが、HOMIESを創ると道場を空けることができなくなりました。杉江さんも僕がないとそうだろうし……しょうがないですよね。去年はムンジアルに出られるだけのポイントも残っていたのですが、米国に行くのは難しかったです。

ただ、ジムをやっていると自分がトーナメントに出て勝利を目指すだけでなく、育てるという楽しみができました」

──それがジムのトップの心境なのかもしれないですね。

「そうだと思います。さっき言った中部選手権では団体優勝もできましたし」

──おおっ、オープンから1年を経ずに団体優勝は快挙ではないでしょうか。

「自分が勝つのとはまた別の喜びがあって、『こういうのも悪くない』って思いました。選手をやりながらも、どこかで指導しているのが柔術なので、MMAとかと比較するとスムーズにそういう気持ちに移行しやすいのかもしれないです」

──これまでも指導をはしてきましたが、自身のジムになると自らの拘りがより出てくるのでしょうか。

「意識しているのは以前のように、指導からすぐにスパーリングに入らないことですね。コーチングに重きを置いています。言ってしまうとスパーリングに入ると、それは8割方は自分の練習になっていたんです。極論をいえば10割の人もいると思いますし、5割の人もいると思います。それが今の僕は7割か8割がコーチングで、自分のことは2割ぐらいになりました」

──では、もうあまりスパーリングには参加しなくなったと。

「プレイヤー兼先生だと技を教えている時は先生でも、スパーリングになるとプレイヤーの気持ちになっています。もちろん個人差はありますが、そういう風になりがちだと思います。

それがスパーリングでも白帯の子とやって、色々な流れを作り上達に導くようになるとか。これをコーチングというのか定かではないですが、そんな風になってきます。ウチに来てくれた人が上手くなってくれると、それは嬉しいです。そうですね……『あっ、できた!』なんて顔をしているのが見られたら最高です。

指導だけの時は、プライベートレッスンでもないと普通の練習の中でそういう風にはあまりならなかったです。それが今はできているように感じます。コーチング目的のスパーリングを多くやるようになりました。受けて、学んでもらうように。自分で考えられるようになるまで……そうですね、青帯ぐらいまではそういう練習をしてもらうようになっています。

どうしても練習でも会員のなかで強くて攻める方、攻められる側というのはできてくるので。そのやられる側の子たちの立場を考慮した練習方法を考えるようになりましたね。防御に徹しきって家に帰らせない。放置プレーをしないこと。必ず何かを得て帰ってほしいです。

指導という部分で、一番変わったのはそこですね。以前はクラスはクラス、スパーリングはスパーリングと分けていましたから。自分のところになるとそういう意識はありますね」

──そこがHOMIESでの拘りと。

「それとマットですね。それは道場を創る時からなんですけど。カルペディエムの石川(祐樹)さんもマットは道場の顔だと言われていますが、その通りだと思います」

<この項、続く>

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