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【Special】トライフォース柔術総帥・早川光由に訊く、オンライン・インストラクションとは?─01─ 

Mitsuyoshi Hayakawa【写真】 トライフォースの歴史、そして早川光由の20年以上に及ぶ柔術の経験がオンライントレーニングに詰まっている(C)MMAPLANET

古くから格闘技の世界には、実際に道場に通う競技者、あるいは競技愛好家も格闘技を観戦するファンにとっても、その知識を高める存在にとして教則本が存在していた。

あらゆる格闘技は、実際に練習し技を修得することで喜びが得られるモノだが、その技術的側面を理解できた方が観るだけでも楽しさが膨れ上がる。

1980年代から90年代、そして21世紀を迎えて教則教材は本からビデオ、さらにDVD、そして今やオンラインがその主軸となるように伝え方は変化してきた。

海外の有名柔術家のオンライン・インストラクションが当たり前となったなか、日本において第一人者であるトライフォース柔術主宰・早川光由氏が、『ブラジリアン柔術オンライントレーニング』を手掛けて2年となる。

技のおもちゃ箱の異名を取った日本柔術界のレジェンドに、本格的なオンライン・インストラクションを手掛けた理由を尋ね、その指導者としての位置づけとこれからについてを話してもらった。


──オンライントレーニングを早川さんが始めようと思ったきっかけを教えてください。

「実際にスタートしたのは2016年で、オンラインを始めようと思ったのは……いつでしょうかね。トライフォースの会員向けの公式教材として役割を果たす映像が欲しかった──、そこがスタートでした。2014年にブラジリアン柔術教則本というモノを出させて頂き、トライフォースのベーシッククラスで指導していた技術を全て網羅しました。

instruction bookとりあえず青帯、紫帯に修得してほしいというカリキュラムでした。それまでのトライフォースの活動のなかで、会員の皆さんにとって『ここまで学ぶと、紫帯を巻くのに相当したテクニックを身に付けている』というような指標となるモノを創りたいという想いから教則本を出させてもらったんです」

──まずベーシックの教材を創ったということですね。

「ハイ。ただし、それだけでは私が皆さんに伝えたいテクニックは収まり切らない。今、話させてもらったように紫帯までの指標ですから、その先の茶帯、黒帯がブラジリアン柔術には存在しています。そして、あの時点で私の頭の中にはアドバンスト・カリキュラムとマスター・カリキュラムの構想も8割方は出来上がっていました。

同時にどれだけ工夫しても書籍という形で世に出すことは難しかったです。DVDの容量も書籍の文章量にも限界があります。ブラジリアン柔術教則本ですら、DVD3枚を書籍につけて限界ギリギリの形で出していたので。

それもベーシックだから可能だったことで、アドバンストとマスターのカリキュラムの指標となる技術は、遥かに上回る分量……、説明する量が必要となってきます。その内容を映像という形にして伝えるには、オンラインという手段しかないという結論に至りました」

──なるほど。トライフォースの会員向けの指導教材を、世の中の媒体の移行に則しオンライン化するという判断だったのですね。

「加えてテクニックの検定のようなモノもトライフォースでは導入しているので、その際にも会員が参考にできる指標が必要でした。ですから第一に道場内の制度を整える意味で、安価で予習・復習・学習できるツールとしてオンライン・インストラクションを始めたということになります」

──実際にはトライフォースの会員さん以外も購入し視聴できるのですが、あくまでも実際に道場で稽古する人達にとって補足教材であるということですね。動画だけで柔術がマスターできると、道場は必要なくなります。

「ハイ。私も含め、殆どの指導者にとってオンラインは補助的なツールに過ぎないはずです。アレを見るだけで強くなれるわけではないです(笑)。ポイントは参加するクラスで学ぶことの予習や復習になること。そこが大前提ですから。

と同時にこれから柔術を始めたいという人のとっかかりになるのであれば嬉しいですし、他の道場で柔術を学んでいる人がトライフォースでは、何を指導しているのかというコトに興味をもっていただくのも大歓迎です。

加えて動画の撮影、アップロードに関しては製作費、維持費も掛かりますから、オープンな形で開放する方が負担も軽減します。そこも含まれています」

──ではトライフォースの教則オンラインでは何を視聴できるのかをアピールしてもらえますか(笑)。

「ハイ(笑)。大きく分かれて5つのコンテンツから成っており、そのうちの3つはフィックスされたベーシック・カリキュラム、アドバンスト・カリキュラム、マスター・カリキュラムで、各150のテクニックが収録されています。

それは私達がマルチフィニッシュと呼んでいる(笑)……一つのフィニッシュに関しても結末はAパターンとBパターンという風に枝分かれをしているモノも一つの括りとしていますので、恐らくは800種類ぐらいのテクニックになるかと思います」

──それは膨大なアーカイブですね。全て早川さんが指導しているのでしょうか。

「この3つのカリキュラムについては、そうです。トライフォース柔術の指標として活用してもらうモノも多く含まれています」

──人口比率でいえばベーシック・カリキュラムに相当する柔術家が多いと思いますが、そのような人たちがアドバンスドやマスターの教則を一足飛びに学びたくなるようなこともあるかと思われます。

「もう、自由に視てほしいです。興味のあるところから、柔術を紐解いてくれるのが一番です。実際の道場の指導でも、一般の部レギュラークラスでは、アドバンスト・カリキュラムやマスター・カリキュラムにある技術もそれぞれのインストラクターの特性や判断によって指導されていますし、白帯の会員さんが出ても良くなっているので」

<この項、続く

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