【Quintet03】全勝負=超高度、そして一本決着。ポラリスが10th Planetを破り決勝進出
<準決勝第2戦・第1試合/8分1R>
PJ・バーチ(米国)
Def.7分34秒by 腕十字
ヴィトー・シャオリン・ヒベイロ(ブラジル)
引き込んだシャオリン、ニーシールドからスイープを仕掛ける。トップをキープしたバーチは潜りからのアンクルで下にされ、シャオリンはハーフで抑える。絶妙の抑えを見せるシャオリンに対し、足を抜くことを許さないバーチだったが両者に注意が入る。
再び引き込んでシャオリンは、なんとパスを取られそうになり、続く秘技シャオリン・スイープでも上を取り切れない。ハーフから一気にキムラ狙いのバーチは抑えが乗り過ぎになってしまうと、このクラッチを支点にスイープに成功したシャオリンがトップを奪う。残り3分30秒、キムラのフェイクからヒザ十字を狙ったバーチに対し、足を抜いたシャオリンがワキ差しパスを仕掛ける。
ヒザを入れて耐えるバーチは体を振ってヒザ十字へ。肩を掴んで必死に上を取り、防いだシャオリンがノヴァウニオン・スペシャル、ハーフからの肩固めへ。絞めは守ったものの、パスを許したバーチは、直後に潜ってバックへ。残り1分でバックマウントを取りに行き、前方に落とされたバーチが腕十字にスイッチし、なんとシャオリンの左腕を伸ばしてタップを奪うことに成功した。
これが米国グラップリング界の現状か。シャオリンを破ったバーチがグレゴー・グレイシーと相対することとなった。
<準決勝第2戦・第2試合/8分1R>
グレゴー・グレイシー(ブラジル)
Def.3分07秒by ヒザ十字
PJ・バーチ(米国)
スタンドの展開が続き、テイクダウン狙いを防ぐバーチだが、二段階の小外刈りでテイクダウンを奪われる。バタフライを潰し足を抜いたグレゴーに対し、バーチは潜る。足を取ってトゥーホールド狙いのグレゴー、これを諦めてガードに戻す。直後にヒザ十字を仕掛けたグレゴーは両足を後方から束ねて、フィギアフォーレッグで固めると、右足を伸ばして、効果としてはヒザ十字でタップを奪った。
<準決勝第2戦・第3試合/8分1R>
グレゴー・グレイシー(ブラジル)
Def.6分03秒by キムラ・アームロック
アミール・アラム(米国)
アームドラッグでバックを伺ったアラム、胸を合わせたグレゴーが崩してトップも両者揃ってスタンドに戻る。ここもボディロックでテイクダウンを決めたグレゴーに対し、ギロチンから後方回転でトップを狙ったアラムだが、下になったグレゴーがすぐにリバーサルを仕掛け、試合がスタンドに戻る。アラムは左腕を差してテイクダウンに成功。ハーフから逃れて立ち上がったグレゴーにダブルレッグを決めたアラムがダースを仕掛ける。
背中をつけて防いだグレゴーは、ノースサイドを防ぎパス狙いにも、腕十字をカウンターで仕掛ける。果敢にパスを狙うアラムは、試合がスタンドに戻るとヒップトス。続いて引き込んだところで、グレゴーがハーフで抑える。足を抜きマウントを取ったグレゴーの絞めを防いだアラムがスタンドに戻り、反り上げを仕掛ける。ここからスクランブルとなり、グレゴーがギロチンへ。ここも防いだアラムはロックダウン。構わずキムラからパスしたグレゴーは頭を越して、そのまま肩を極め2人抜きに成功した。
<準決勝第2戦・第4試合/8分1R>
ジオ・マルチネス(米国)
Def.3分02秒by キムラ・アームロック
グレゴー・グレイシー(ブラジル)
スライディング、ハニーホールを狙うジオが同じく足を狙ってきたグレゴーを振りほどいてパス。サイドに続き、マウントになり腕十字を仕掛ける。グレゴーは腕を組んで起き上がり、やがて腕を抜くことに成功する。リバースデラヒーバから足を取って立ち上がり、リバーサルに成功したジオだが、その瞬間ヒザがグレゴーの急所を直撃し試合が中断される。
再開後、サイドで抑えキムラを狙うジオは、腕十字に移行する。さらにグレゴーが起き上がってくると、キムラに戻す。前転して逃げようとしたグレゴーの動きを右足で制したジオが電光石火の一本勝ちを極めた。
<準決勝第2戦・第5試合/8分1R>
マーチン・ヘルド(ポーランド)
Def.1分06秒by ヒザ十字
ジオ・マルチネス(米国)
飛びついてギロチンを狙いつつ、引き込んだジオがラバーガードを狙う。すぐさま頭を引いたヘルドは後方に体を倒してストレートフットロックへ。足を組み替えヒザ十字を取ったヘルドは、さらにストレートフットロックに移行する。前転から2度目のヒザ十字の狙いでヘルドがジオからタップを奪いチーム・ポラリスが1人リードとした。
<準決勝第2戦・第6試合/8分1R>
リッチー・ブギーマン・マルチネス(米国)
Def.1分39秒by オモプラッタ
マーチン・ヘルド(ポーランド)
ジオの敵討ちとヘルドに挑むマルチネス兄=リッチー。引き込んだヘルドの足首を掴んで足関節を防ぎ、スタンドに戻る。引き込んだヘルドのヒザ十字を防ぐ。上を取ったヘルドに対し、リッチーはラバーガードからオモプラッタ、さらにゴゴプラッタを狙う。足を制して防いだヘルドだが、リッチーはラバーに一旦戻して再度ゴゴを仕掛ける。頭を引き寄せられ厳しい態勢となったヘルドは、頭を抜くとラバー&腕十字も防ぎきる。
バタフライから即ラバーに入り、執拗にゴゴプラッタを狙うリッチー。ここからオモプラッタに移行すると、ヘルドの右腕を伸ばしタップを奪った。クインテット史上初、ドローのないまま副将対決を迎え、ついにクレイグ・ジョーンズの登場となる。
<準決勝第2戦・第7試合/8分1R>
クレイグ・ジョーンズ(豪州)
Def.0分21秒by ストレートフットロック
リッチー・ブギーマン・マルチネス(米国)
シッティングのジョーンズは、デラヒーバから自らの左足一本でリッチーの右足を制し、足首をワキに抱えると変則的なストレートフットロックへ。自由になっている右足で、リッチーが上体を起こさせないよう胸を押して、僅か21秒でタップを奪った。
<準決勝第2戦・第8試合/8分1R>
クレイグ・ジョーンズ(豪州)
Def.6分06秒by RNC
アダム・サックノフ(米国)
両者シッティングから、腰を引き立ち上がろうとしたジョーンズに対し、サックノフはシングルで右足を抱える。ジョーンズは、足を預けておいてキムラクラッチを取るように前方回転。そのままジョーンズがガードを取ると、足首を掴み起き上がって近づかないようにするサックノフにコーションが与えられる。
パーテルからの再開で、すぐに引き込んだサックノフが足を取ってスイープ。ジョーンズは自ら下を望むようにスイープを許すと、すかさず潜っていく。ここで腰を引いたサックノフだけでなく、両者に注意が与えられる。注意2回、あとがなくなったサックノフは足関節を仕掛けるが立ち上がったジョーンズは、足を捌いてパスへ。
下から必死にストレートフットロックを狙うサックノフに対し、ジョーンズは足を取らせておいて、右腕を制して支点にすると、そのまま前転してバックを取ってしまう。
両足をフックし、必死に喉下を守るサックノフ。ジョーンズは四の字フックで襷掛け、ここでフックを解いて右足でサックノフの右手を制し、左手首を掴むや喉下から引き離す。右腕でアゴを取り、一気に喉下に腕を滑らせるジョーンズ。必死に防ぐサックノフは何度もこの攻撃を繰り返され、万事休す。ついにRNCクラッチに取られタップを強いられた。
全試合一本決着のシーソーマッチは、サブミッションの醍醐味を見せつけポラリスが勝利。フィニッシュ名はこれまで通り、しかし実際は数々のモディファイやアレンジが見られる関節と絞めの数々、グラップリングの進化をまざまざと見せつけた8試合であった。