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【Grachan36】初出場でライト級王座決定戦出場、岸本泰昭─01─「厳しい試合になる覚悟でいる」

Yasuaki Kishimoto【写真】布施の商店街の路地。ザッツ関西的な風景と関西人っぽくない岸本のマッチング(C)MMAPLANET

9月9日(日)、東京都大田区の大田区総合体育館で開催されるGRACHAN36「GRACHAN10周年記念大会」で、現Gladiatorライト級チャンピオンの岸本泰昭のグラチャン初参戦を果たし、ライト級王座決定戦出場で山本琢也と戦う。

KishimotoDEEP以降、HEATからグラジエイターのトップ戦線でキャリアを積み、国際戦もこなしてきた岸本が、2本目のベルトを目指してグラチャンに出場する。キャリアの差は明らかだが、それゆえに岸本は山本を警戒し、またその差を見せて勝ちたいという。

パラエストラ東大阪で行われている関西MMAプロ練習後、山本との王座決定戦、グラチャン出場を通して改めて岸本のキャリアアップ論を尋ねた。


──まず岸本選手が、このタイミングでグラチャンに出るという選択をすることが意外でした。

「これはもうぶっちゃけた話をすると、グラジエイターの櫻井代表から頂いた話でした。僕もグラジエイターでベルトを取らせてもらった人間です。グラジエイターのチャンピオンとして、櫻井代表が望む他団体の試合に出るということは恩返しになるという想いでした。グラジエイターの選手として、グラチャンに出る。そういうことです」

──もともとグラジエイターとHEATが8月に大会開催予定だったので、岸本選手はそのどちらかで戦うべき相手がいるのではないかと思っていた次第です。グラジエイターでは6月大会を負傷欠場しカードの穴を空けたZSTライト級王者の平信一選手、そしてHEATだとオク・レユン戦があるのかと。

「実は相当前に、ここで出るということは内々で決まっていたんです。最初に話を聞かされたのは、1月にチャンピオンになった時で。だからHEATやグラジエイターの8月……結局は9月に行われることになった大会の発表より、グラチャンに出る方が先に決まっていたんです」

──それだけ対戦が早く決まるのは良いことですね。

「選手にとっては、相手が早くから分かることは良いことですしね」

──山本琢也選手の名前を聞いた時、まずどのような気持ちになりましたか。

「正直にいうと『誰だろう?』と思いました。グラチャンにはセコンドとして何度も行かせてもらっているのですが、70キロは阪本(洋平)君のイメージしかなかったです」

──奇しくもその阪本選手が返上したベルトを山本選手と争うことになったわけですね。山本選手はキャリア4年で3勝1敗1分という非常に戦績の少ないファイターです。

「ただ全日本アマ修斗で優勝し、パラエストラ千葉ネットワークで生き残ってプロになっているんだから、弱いはずはないですよね。唯一の負けも、チャンタモ選手を圧倒していて、勝利目前にグラウンドで顔面にヒザを入れてしまって反則負けですし、実質は全勝の選手やと思っています。

ドローだった近藤秀人選手にも、その後で勝っていますしね。長岡弘樹選手にも完勝しています。長岡選手に勝った時点で、強い選手の一人に挙げることはできます。それなりに強い。グラチャンのライト級では最強でしょうし、負けていないというか……ノされていない選手独特の勢いはあると踏んでいます」

──正直なところ岸本選手のキャリアを考えると、ハイリスク・ローリターン的なマッチアップです。

「ケージに入って試合をする。そこだけに集中しています。あまり色々なことを考えると、心の中で歯車が狂ってしまうかもしれない。そういう怖さがあるので、一度ネジを巻き直すつもりで試合だけに集中しています。

だから全く過信したり、慢心することはないです。皆が思っている以上に厳しい試合になる可能性が高いと覚悟しています。本当に危機感を持って挑みます」

──特に気を付けないといけないのは、どこだと思いますか。

「後手を踏まずに、先手を取ることです。受けに回ると、僕はまだ捌けるほどの技量がないです。山本選手は右のパンチを何種類か持っていますから。距離が詰まると柔道の組みがあるから、思い切ってパンチを打って来ますね。

僕としては自分から仕掛けて、終始自分の武器をぶつけていくことが重要です。山本選手の良さを消して、後手に回らせると差は出ると思います。結果的にキャリアの差を見せたいですね。

山本選手は3勝ですけど、僕は21勝なので。彼は事実上負けていなくて、僕は負けてその悔しさを散々と味わってきたので、その辺の違いは見せたいです!!」

<この項、続く

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