【AJJC2017】ライト級で準優勝に終わった岩崎正寛─01─「目の前の敵を見ないのは怖すぎてできない」
【写真】わき腹の負傷で岩崎のアジアは幕を閉じた(C)MMAPLANET
8日(金)から10日(日)まで東京都足立区の東京武道館で開催されたアジア柔術選手権2017。ライト級で岩崎正寛はアンドリス・ブルノフスキーのオモプラッタで負傷、2年連続の準優勝という結果に終わった。
悔しさに唇を噛む岩崎に準決勝のクレベル・コイケ戦、そして決勝戦におけるガードの中の戦いについて尋ねた。
──準優勝という結果に終わりました。
「いやぁ、悔しいです。また、2位か……(苦笑)」
──最後はワキ腹を負傷した形ですか。
「オモプラッタを回転して逃げようと思ったら、アバラが持たなくて逆方向にバキっとなりました」
──岩崎選手が2Pを先取し、そのまま攻撃を受けずにキープできるかどうかが焦点になると思っていたのですが。
「いかれましたね。逆……右手にオモプラッタが来ると想定して練習していました。そうしたら、左右とも仕掛けられて……。で、左手を伸ばしていないとラペルで足を巻いてくるので。そういうコンビネーションを持っているのに気付くのか遅かったです。
最初のオモプラッタを逃げた時に、このベースじゃだめなんじゃないかって思った瞬間に入られていて。作戦をミスりましたね」
──ダブルガードから立ち上がった時、アドバンにならなかったです。
「あれは僕もアドバンかなって思ったのですが、取り消されましたね。引き込みに引き込みを合わせ、同時に尻をついてから立ち上がったのでアドバンだろうってアピールはしましたけど」
──ブルノフスキーがヒザを先についていたので、ダブルガードではないということだったようです。
「う~ん、動いたのはブルノフスキーの方が早かったですけど、ガードを取ったのは同じタイミングだったと思います。でも、よくあることです。あそこでアドバンがある、ないというのはどうでも良いことです」
──今回、ガードの中にいて相手の攻撃を遮断するのが、岩崎選手がムンジアルで勝つためにまず必要なことだと考えていました。準決勝のクレベル戦、決勝のブルノフスキー戦、下からの相手の攻撃を受け過ぎていたのではないかと。
「これは本当に難しくて。クレベルとブルノフスキーはリズムが違うんです。クレベルは起きて来る……スクランブルを仕掛けてくるので、それをさせたくなくて逆に三角を仕掛けさせていたんです」
──なるほど、そちらの方が安全だと。クレベルの三角に対しては、あれだけ体重をかけて腰もあげさせていたので問題はないとは思うのですが……。立つことも三角も世界トップの人間に勝つことが岩崎選手の目標ですよね。
「アッ、そうですね。そうです……、あそこで入られそうな形にはなっても、クラッチまでさせてはいけない。その通りだと思います。いや、そこも僕の技術力、力不足です……。なんか情けないんですけど、僕も先を見越したファイターでありたいけど、目の前の敵を見ないというのは怖すぎてできないんです」
──いや、それが普通じゃないでしょうか。
「1回戦のムンファルディもアリアンシの所属で、表彰台とか上っている選手だったし。僕、あいつのこと凄く研究しました。クレベルのことも凄く研究し、ブルノフスキーのこともめちゃくちゃ研究しました。
誰と当たるか分からないので、ホブソン・タンノも研究しました。全員研究して……う~ん、本当はもっと余裕をもって勝たないとダメなんですけどね」
──全員が優勝するために出場しているので。ただ、岩崎選手からすると目指すところと現状において、そういう風になってしまうでしょうね。一つ、準決勝のクレベル戦で勝利と同時に絶叫しました。アレはクレベルが現役のMMA王者だということは関係していたのでしょうか。
「いや、それはないです。ただ、クレベルが怖かっただけで。クレベルのことは強いと認めているので。彼がMMAのチャンピオンとかは関係ないです。色んなファクターはあるけど、僕は周りの雑音は気にしない。このルールでクレベルと戦って、結果を残すことしか考えていなかったです」
<この項続く>
■AJJC2017黒帯ライト級の結果
【ライト級】
優勝 アンドリス・ブルノフスキー (ブラジル)
準優勝 岩崎正寛(日本)
3位 ホブソン・タンノ(ブラジル)
3位 クレベル・コイケ(ブラジル)