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【AJJC2017】嶋田裕太─03─「本音を言えば、巌流島で青木さんと戦いたいぐらいの気持ちです」

Yuta Shimada【写真】空手もフォークスタイルレスリングを学ぶのも、ADCCへ出場するのも──全てはIBJJFルールの柔術世界大会でトップになるため(C)MMAPLANET

8日(金)から10日(日)まで、東京都足立区にある東京武道館で、IBJJF主催のアジア柔術選手権2017が開催される。

アダルト黒帯ライトフェザー級に出場する嶋田裕太インタビュー最終回、青木発言について嶋田の柔術&MMA論が激熱となってくる。
Text by Takao Matsui

<嶋田裕太インタビューPart.01はコチラから>
<嶋田裕太インタビューPart.02はコチラから>


――囲碁と将棋の例が出ましたが、柔術こそがそこと重なるわけですね。名人戦は、なかなか次の一手を打てないと言います。先の攻防を頭の中で何度もシミュレートしていき、ようやく答えが出るものだと。

「そこが柔術の魅力ですよ。もちろんMMA、ムエタイ、キックボクシング、どんな競技でもそうした攻防や魅力はあると思います。でも僕は、柔術でその奥深さを知ってしまい、そこにはまった人間です。そこに人生を賭けています。

その僕に、なぜMMAをやらないのかと問われても、柔術が好きだからとしか答えようがありません」

──未確認情報ですが、嶋田選手がUNO DOJOでの指導の後にAACCのクラスで剛毅會の岩﨑達也氏に空手の指導を受けた。これはMMA参戦の準備ではないのかと。

「岩﨑さんには指導を受けているというより、一度体験させていただいた形です。今年のムンジアルで、岩﨑さんと一緒に行動させていただき、岩﨑さんの身体操作や独自の戦法論に大変興味を持ったからです。

決して空手をMMAで使いたいがために教えを請うたわけではありません。柔術に活きると思ってクラスに出席し、実際に競技柔術において応用可能だと感じました」

──実は10月に開催されるMMAイベントのプロモーターが嶋田選手に興味を持っているという話も伝わってきました。

「MMAプロモーションの話はにわかに信じられないです(笑)。まさか自分にそんな話がくるなんて、驚きでしかないです。なにも内容は知りませんが、現時点でMMAをやることはないと思います。

painting勘違いしてほしくないのは、僕はMMAを否定していませんし、嫌いでもありません。高校生の時は、美術の時間に青木選手の油絵を描いていたくらいですから。試合中の絵です。五味(隆典)さんの絵もあります。実家に帰った時に、新聞紙にくるまっていた絵が出てきて、スマホで撮ってきました」

──おお、ぜひ掲載させてください。

「いえ、それは……恥ずかし過ぎますよ。まぁ加工でもしてもらえると、この事実だけでも伝えられるかと思うので」

――それだけファンだった青木選手から名前を出してもらうのは、嬉しいのではないですか。

「嬉しい……、そうですね。嬉しいような、嫌なような(苦笑)。青木さんも、柔術の魅力が分かっているのにと思ってしまうので、怒るに怒れない自分がいますね」

――本音を言えば、柔術愛でしょうね。

「だから、全力で反論することができないんですよ」

――青木選手の言葉のなかに、嶋田選手が大沢ケンジさん、噛みついたと発言されていましたが。

「あれは、どこかのサイトのインタビューでMMAが柔術よりも上という発言をされた記事を見て、格闘技雑誌で僕の反論が掲載されたんです。でも、訊かれたから答えただけで、僕から噛みついたわけではないですよ(笑)。インタビュアーの高島さんの怒り様が凄くて、そこに煽られてしまいました(笑)」

――ベテラン記者の術中にはまりましたな。面白いですね、嶋田選手は。

「面白くないですよ。ただ、あれを読んだら怒っているように見えてしまうでしょうね」

――ところでアジア選手権が終わると2週間後に、ADCC世界大会がありますね。

「正直、アジア選手権に比重を置いて練習をしています。いまさら、ヒールとか身につけられれば良いですけど、そんなに簡単なことではないので。結局、ADCCで勝つのは柔術の選手がほとんどなので、柔術力の強い選手が優勝すると思います。

僕も柔術力を伸ばすのが、あの大会で優勝する近道と信じています。外掛け、ヒールの強化が重要なのは分かっていますけど、アジア選手権の練習がそのままADCCで活きるはずです」

――多忙なスケジュールですので、MMAが入る隙間はありませんね。

「ないです、ないです。他のことを考えていたら、勝てなくなりますよ。MMAのことを考えたり、構っている暇はないんです。青木さんは怒るかもしれないですけど……」

――実際は反応があったら青木選手も嬉しいのではないでしょうか。

「でも、SNS上で意見を戦わせるとかっていう状況にはしたくないです」

――多くの人が、そこを一番に考えるのでしょうね。

「ただ本音を言えば、巌流島で青木さんと戦いたいくらいの気持ちですよ」

――巌流島?

「あのイベントの方じゃないですよ。本当の巌流島、山口県下関市にある巌流島です」

――おおっ、それこそ決闘の地ですね。そうなると、ルールは何でも有りで!!

「いえ、ルールは柔術ルールですよ。だって、青木さんは『柔術ルールで俺とやってみろっていう人間が出て来ても良い』って言っていましたよね。柔術ルールなら、プライドを持って戦います」

――巌流島なのに柔術ルール。嶋田選手は、面白いことを考えますね。

「これ、絶対に載せないでくださいね!!」

(※スイマセン、面白すぎて掲載してしまいました)

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