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【ONE55】ゲイリー・トノンとグラップリングで戦う青木真也 「壁には期待しています(笑)」

Shinya Aoki【写真】取材後、すでに2日からシンガポール入りしている青木(C)MMAPLANET

26日(金・現地時間)にシンガポールのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE55「Dynasty of Heroes」で、ゲイリー・トノンとグラップリングマッチを行う青木真也。

時代の寵児との対戦を、相手の庭で戦う青木の心境を尋ねた。勝負論、楽しみ、そして壁──がキーワードだ。


──約1カ月後にゲイリー・トノンとのグラップリングマッチが迫ってきました(取材は4月28日)。ONEというMMA大会のなかでのグラップリング戦をどのように捉えていますか。

「楽しみです。本気で楽しみなんです。この試合は僕にとって勝負論だから」

──繰り返しますが、MMA大会のなかでのグラップリング。ADCCやノーギワールズではない。そのなかで青木選手の勝負論とは?

「勝ちたい。単純に勝ちたい試合なんです。ちょっと良い恰好を見せたい。僕はMMAファイターで、本職はMMA。グラップリングはグラップリング、別モノという考えは変っていないです。グラップリングをMMA、ONEのなかで戦う。自分がグラップリングを戦うということに緩さはあります。でも、勝負に関しては厳しさがあります。だから勝ちたいし、楽しみなんです。

もう34歳になるんですけど、人生において世界のトップとされる人間に何度、触れることができるのか。それを思った時に……もう、僕には何回もそういう機会は訪れないでしょう。ひょっとするとゲイリー・トノンが最後かもしれない。もし、運が良ければあと2回とかあるかもしれない。そう考えると、ここでトノンに触ることができるのは凄くラッキーだと思っています」

──勝機に関しては、どのように考えていますか。

「厳しい戦いになると思います。けど、その分、博打を打ってリターンが大きい試合になる」

──博打になるわけですね。

「ハイ」

──青木選手は打撃のあるMMAにおいて、グラップリングを磨き続けてきました。一方、トノンは打撃のない状況での柔術、グラップリングの習得を続け、発展させてきた。そして、この試合は打撃がない。

「その一点をしても、トノンの方がこの試合に適しています。僕としては、トノンと戦うことで技術的にあと2センチ上がれるような気がするんです。この部分を掘り下げることで、自分が成長できるんじゃないか。そいうことも楽しみなんです」

──この試合、自分の格闘浪漫ではなくMMA浪漫とあえて言わせてもらうと、トノンは足関節は青木選手がケージ中央に回転できる方角に仕掛ける。そして、青木選手の足関節はトノンがケージに詰まって回れない。そんなシーンがあればと想像すると、ワクワクしてしまいます(笑)。

「そこ、来ましたね(笑)。今回の試合はケージ、壁があるというのが妙です(微笑)。それが格闘技としての妙、クロン・グレイシーと戦った時と違うのは壁が味方になる。それは僕にとって大きなアドバンテージになるんです」

──対策を練ってきても、トノンはそれこそ青木選手のグラップリング以上に経験がないと。

「そこに期待しています。人には期待していないですけど、壁には期待しています(笑)」

──あのマルセリーニョ・ガウッシアが、ロープがあるだけでMMAだとバックに回れなかった。

「そこですよね。それは理論でいうと巌流島と一緒ですよ。MMAで壁がない。グラップリングで壁がある。巌流島はMMAじゃない。ケージがあることで、ゲイリー・トノンが戦ってきたグラップリングにならない──という淡い期待をしています(笑)」

──世界標準でいえばケージのあるグラップリングなんて、その世界で最強を目指す選手たちにとってヒエラルキーの外。ただし、青木真也が戦うという一点でそのファクターが興味深い。

「組み技世界一を目指すならアブダビを目指せば良い。だからONEが望み、意図しているグラップリングにはならないかもしれない。ファイトビジネスってお客さんを集めるには試合自体でなく、試合に向かうまでが大切になってくる」

──いやぁもうMMAが楽しくなりすぎて、期待をすかしてくる展開がまた面白い。何か悪だくみをしているような、ニヤリ感があるというか。

「ハハハ、そこですよね。そこ。青木×シャオリンは、そこが面白かったはず」

──青木選手は面白さを啓蒙するのに、分らない人を小ばかにして話すから皆、素直に聞けないんですよ。で、暫く経って青木の言っていることはこうだったんだと、となる(笑)。

「ニヤリでなく、ニヤニヤって感じだから(笑)。でも、そういう部分でもゲイリー・トノン×青木真也は楽しみにして欲しいです。僕も楽しみなので。僕らがサブミッションレスリング的なMMAをやっている時の直撃世代だから、そういうのは嫌な話なんですけど、この試合は久しぶりに楽しみです。日本人にはいない体格ですし、ワクワクしますね。34歳になって、こんなにワクワクできるなんて。

イィ年して、こんな気持ちにさせてもらえて幸せだと思います。義務感じゃない。ホントに幸せです」

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