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【Pancrase & HEAT】ボントリン戦を経て、春日井健士の決意<01>「良い意味で開き直っています」

takeshi-kasugai【写真】岐阜県恵那市の観光大使となった春日井。山岡町名産の寒天を使った寒天ラーメンの輝かしい未来を願ってPR (C)MMAPLANET

3月にHEAT総合ルール・バンタム級王座奪取、6月にはパンクラス初戦で勝利。9月にHEATフライ級チャンピオンとなった春日井健士。

順風満帆に見えた1年の終わりにパンクラスで体重超過のブラジル人=ホジェリオ・ボントリンと対戦し、結果こそノーコンテストとなったが、腕十字でタップを強いられた。

UFCを目指し、連勝街道に入っていた春日井が経験した――記録上のノーコンテスト=事実上の一本負け。この一戦に対して、彼はどのような想いでいるのか。そして、あの試合をどのように今後に生かすのかを尋ねた。


――順調に勝ち星を重ねた2016年。しかし、最終戦で体重超過のホジェリオ・ボントリンに腕十字を極められタップ。結果はノーコンテストとなりましたが……。

「体重オーバーはありましたが、それは覚悟の上で試合を受けました。僕の試合の前の日にあったDEEPでもブラジル人が体重を落とせず逃げちゃったじゃないですか。マモル選手の相手もオーバーしていたし。

だから、体重オーバーは想定内でした。志村館長も間に入ってもらって、試合当日には61キロ以上には体重を戻さないという約束の下、戦うことにしました。でも、館長には『リカバリーして65キロになろうが、70キロになっていようが戦います』とは伝えていたんです。

だから、体重が重いというのは覚悟していました」

――その試合当日には61キロまでに抑えるという約束は守られたのですか。

「いえ、63キロぐらいあったはずです。それも、そういうことになるだろうって思っていました。だからって、地元からレンタカーとか借りて皆が応援に来てくれているのに、試合をしないわけにはいかないです。戦うことがパンクラスさんのためにもなりますし。負けてもノーコンテストという変則ルールでしたが、当然勝つつもりで受けましたし。

ただし……、これは言い訳になってしまいますが、練習試合のような気持ちになってしまっていたのも敗因の一つかと思います」

――……。

「あれだけボコボコにされているわけだし、実力的にも相手の方が上でした。ちゃんと体重を落としてきても、強かったはずです」

――だからこそ、ちゃんと落とさないと話にならないという思いにしかならないですが。

「まぁ、そうなのかもしれないですが……。気持ちがああいう風になるとはやはり自分では分かっていなかったです」

――北米だとポイント上のペナルティもなく、一つの公式結果として体重オーバーした選手が勝てば勝利として記録されるケースがほとんどです。

「それだと受けなかったです。色々な人に迷惑をかけ、がっかりさせてしまうかもしれないですが、その状況じゃ僕は戦えないです」

――もっともですね。

「公式記録としては敗北には残らない。だから受けたのですが、そういう気持ちで試合をすると、試合前の精神状態もああいう風になるということを学びました。それでも自分のなかでも一本負けです……あの試合は」

――結果体重オーバーでもギリギリまで落としたのか、試合があるから体力を温存するために途中で切りやめたのか。同じように体重がリカバーしていても、この違いは非常に大きいと思います。結果的にやったもん負けのような……。

「その覚悟もあって試合を受けたので。ただ、負けた直後はあれだけスコスコにやられたことがなくて、本当に手も足も出なかったことにはショックを受けていました。この先、もう勝てないんじゃないかって考えたりもして……。

でも、落ち込んでいてもしょうがないですし。今はもう良い意味で開き直っています。良い経験をさせてもらいました。だからこそ、良い経験に本当の意味でするために次が重要です。次の試合でしっかりと内容が伴った試合で勝たなければならないです。

まぁ腕も伸ばされて、年末はゆっくり過ごすことができました。色んな人と話をして気持ちの整理もできましたし。ファイトパスに残っている試合で腕十字でタップしたことで、印象も悪いです。そう思われてしょうがない試合ですが、記録を見るとノーコンテスト。練習試合に出たんだっていう気持ちでいます」

――体重をしっかりと落としたホジェリオ・ボントリンと戦い、落とし前をつけたいですか。

「どっちでも良いです。パンクラスが組むというならやります。でも、自分から戦わせてほしいというのはないです。凄く強かったですし、今までないタイプでした。下からのエルボーの痛さも経験したことがなかったぐらいで。

何よりも僕自身、力が全く伝わっていなかったです。僕の彼女のような格闘技の素人に指摘されましたから(苦笑)。力が連動していなくて、ガチガチした動きで……」

――なぜ、そのようになったと自己分析していますか。

「これは館長からも常にいわれていることなのですが、1Rの動きが硬い。それを2Rと3Rで盛り返していく。練習でもそうです。今回の試合は特に硬かったですね」

――久米選手が日沖選手のアドバイスで作った……あのノート……。

「マインドコントロールですね。いや、マインドマップだ(笑)」

――マインドコントロールは危ないです(笑)。春日井選手も作る必要があるのではないですか。

「久米さんのノートを写真で撮って残しているので、参考にさせてほしいと思います」

<この項、続く>

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