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【JBJJF】全日本選手権2階級制覇、シュレック関根 「これまで戦った親友たちが応援してくれた」

Sekine【写真】 (C)TAKAO MATSUI

7月24日(日)、東京都練馬区の光が丘ドームにおいて開催された第17回全日本ブラジリアン柔術選手権。オープンとウルトラヘビーの2階級を制覇した関根“シュレック”秀樹は初の全日本王者となり、どのような景色が見えていたのだろうか。
Text by Takao Matsui

オープンクラス決勝戦。アリアンシのアレク・ボールディングをたすき掛けに背負った関根は、まるで仁王像のごとく立ち続けた。残り3分、2分、1分……。経過を知らせる声と悲鳴と声援が会場に響き渡る。背負われたままのボールディングは、道着を掴んで絞め技を仕掛けて崩しにいく。

だが、関根は大地に根を生やしたように微動だにしない。ほんの数秒という話ではない。これだけの長い時間をなぜ関根は耐え続けることができたのだろうか。

「全日本は一度も外国人に王座を持っていかれていないと思うので、自分が最後の砦として耐え続けました。ファイナルじゃなかったら、諦めていたかもしれません。でも、(ウルトラヘビー級決勝で対戦した)森本猛さんをはじめ、これまで戦った親友たちが応援してくれたんで、最後まで頑張ることができました」

気力や体力が限界に達しつつあった彼の視界には、応援する戦友たちの姿が入っていた。耳には力強い声援が届き、絶え間なく勇気を与えてくれたのだろう。攻めの手を休めないボールディングに対して、バランスを崩さないように細心の注意を払って踏ん張った。

「あの体制(立ったままバックを取られる)は、サトシ先生によくやられているので問題ありませんでした。サトシ先生には、あそこから極められていますからね。だから耐えられたのもあります。あとは地元の同級生たちが、ウエイトトレーニングに付き合ってくれたので、そのことも最後の力になりました」

世界のトップレベルであるホベルト・サトシ・ソウザと練習をしているからこそ、相手が誰であろうが怖さは感じない――ということも考えられるの。関根は、背負い投げで2ポイント、パスガードで3ポイントを獲得していたが、ボールディングにバックグラブを許して1ポイント差まで詰め寄られた。

「決勝まですべて一本で勝ってきたので、取りに行った時にバックを奪われてしまいました。ポイントをリードして、相手の力が一瞬、弱くなったと思ったんですけどね。それは罠だったのかもしれません」

罠にかかってもなお、1ポイント差で逃げ切ることができたのは、仲間の支えがあったのは間違いない。大会直前のインタビューでは「一回戦から細川顕選手と組んでもらってもいいので、強い選手とたくさん試合をしたい」とコメントしていたが、その細川が試合中にボールディングのヒザが顔面に入り、続行不能に。謝罪に来た細川を見て、「これまで交流はありませんでしたが、参考にしている強い選手の一人であるのは間違いないので、ああやって負けて頭を下げる姿を見て熱いものが込み上げてきました」と振り返る。

声援を背に時間一杯まで逃げ切って万雷の拍手を浴びた関根は、ようやく白い歯をみせて微笑んだ。相手をケガさせたくないという優しい一面を持つ反面、仲間のために戦う。その姿勢こそが、戦う者にとっての一番大切な幹であり、最大の力になることを今回の優勝で教えてくれた。


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