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【ONE41】間合いとタイミングの朴光哲が、パワーと変則TDのナラントンガラグに挑む

Boku vs Tunga【写真】パワーとタイミング。スピードの精度。朴とトンガー、どちらが上回るのか (C)ONE

6日(金・現地時間)にシンガポール・カランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE41「Ascent to Power」。V.V Meiがアンジェラ・リーと初代ONE世界女子アトム級王座を賭けてメインで戦う同大会。この他にもホジャー・グレイシー×ミカル・パスタルナックの間で初代ライトヘビー級王座決定戦も組まれるなど、シンガポール大会らしく力の入ったマッチアップが揃っている。

そんなイベントで朴光哲がジャダンバ・ナラントンガラグと対戦する。ヴィーガンファイター、そして絶妙の話術で格闘技関係者の間で高い支持を得る朴にとって、この対戦は最後のキャリアアップを図る上で落とせない大切なファイトとなる。フェザー級転向後、牛久絢太郎、メイジャー・オーバーロール、ヴィンセント・ラトゥールと3連勝中の朴、この試合の3週間後に39歳を迎える彼が元ONE世界フェザー級王者トンガーを倒せば、ライト級に続き3年振りのベルトを賭けた戦いに戻る可能性がグンと高まる。

距離間とタイミング、この2つが持ち味の朴にとってトンガーの圧力をどういなすかが最大の焦点となる。トンガーは強烈なオーバーハンドやフックを振り回し、かつ極真やキックで培った蹴り技も駆使できる。フックだけなら、その圧力をモロに受けずに戦うだけの経験値を朴も持っているが、あのフックに少しずれたようなタイミングでハイキックやスピニングバックキックが混ざってくるのは厄介だ。

何より、そのキックを意識することでトンガーのフックを被弾する可能性も高まる。加えていうなら、トンガーはMMAの主軸にあるような動きではないが、小手を巻いた状態で外無双=モンゴル相撲でいうところのガルアチャーという投げや、アンダーフックからワキを潜って相手を送るようにしてのバック奪取、あるいはワキを差し上げた逆の手でヒザに支点を作って倒すなど、一風変わったテイクダウンにも強い。

いってみればモンゴル流シュートボックスに長けているトンガー。朴としては、自身では寝技という部分を全面に打ち出すことはないが、打撃戦と見せてテイクダウンに持ち込む動きは有効になって来るに違いない。というのもトンガーはガードワークに難がある。体力と精神力の固まりのようなトンガーだが、力ずくのガードワークで体力を消耗することが、過去にも見られた。削られれば、振りの大きなパンチは軸が乱れ──さらなる体力の消耗を呼ぶ。

3R戦ではなかなか選択し辛い戦略であることは確かだが、スタンド&レンジより弱冠外という位置取りだけでなく、ゼロ距離から寝技に持ち込めば、そのレンジの外の打撃戦がずっと有利に展開できる朴だが、果たして……。

■ ONE41対戦カード

<ONE世界女子アトム級(※52.2キロ)王座決定戦/5分5R>
アンジェラ・リー(シンガポール)
V.V Mei(日本)

<ONE世界ライトヘビー級(※102.1キロ)王座決定戦/5分5R>
ホジャー・グレイシー(ブラジル)
ミカル・パスタルナック(ポーランド)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
アミール・カーン(シンガポール)
ジョン・ジャン(台湾)

<ミドル級(※93.0キロ)/5分3R>
水野竜也(日本)
ムハンマド・アリ(エジプト)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
キャリー・バロス(フィリピン)
クリスチャン・リー(シンガポール)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ジャダンバ・ナラントンガラグ(モンゴル)
朴光哲(日本)

<88キロ契約/5分3R>
ブラッド・ロビンソン(米国)
アギラン・タニ(マレーシア)

<ライト級(※77.1キロ)級/5分3R>
サイー・フセイン・アサリエフ(ロシア)
マー・ジャワン(中国)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ベネディクト・アン(シンガポール)
ジミー・ヤボ(フィリピン)

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