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【Pan BJJ】天下無双・無差別級準決勝ロ×ガルバォン、ファリア×スプリッグス

3月17日(木・現地時間)から20日(日・同)にかけて、米国カリフォルニア州アーヴァインのブレン・イベントセンターにてIBJJF主催のブラジリアン柔術パン選手権が行われた。世界選手権への前哨戦として、多くの強豪が顔を揃えたこの大会の男子アダルト黒帯の部レポート。第5弾は大会クライマックス・無差別級の準決勝の模様をお伝えしたい。

<無差別級準決勝戦/10分1R>
レアンドロ・ロ(ブラジル)
Def. by 2-0
アンドレ・ガルバォン(ブラジル)

今回も通常体重を度外視して最重量級に挑戦するアトスの総帥ガルバォンと、ここ数年間階級を上げ、ついにガルバォンの通常体重であるミディアムヘビーまで上げたロ(Nsブラザーフッド)。階級別ではすれ違いとなってしまった大一番が無差別級で実現した。ちなみに両者は一昨年のパン大会の無差別級でも激突し、この時は僅差でガルバォンが勝利を収めている。

試合開始後、テイクダウンを試みるガルバォンと引き込みたいロが、お互いの狙いを切り合う緊張感のある攻防が続く。そして引き込みに成功したロに対して、ガルバヴォンは両足担ぎに。ロは強靭な体を伸ばして二つ折りにされることを防ぐが、やがてガルバォンはロの体を引きつけて、腹のあたりで両手のグリップを組むことに成功。

ガルバォンはそのまま体重をかけてロを後転させようとするが、ロは両腕でスティッフアームを作り、ガルバォンの体を遠ざけて防御。距離を作って片襟を取ったロは、すかさず自らの左足をガルバォンの股間に入れて、その右足を引き出してみせた。逃げようと立ち上がるガルバォンの右足をキープして一緒に立ちあがったロは、さらにその左足も掴みながら押し倒して先制のスイープに成功する。 

上を取ったロは、横に回ってのパス狙いに。後転を余儀なくされたガルバォンは逆向きにロの体を挟む逆クローズドガードの体勢に入る。ここでロにアドバンテージが追加され、下から目の前のロの足を狙うガルバォンだが、ロは右足を取られたまま正対する。ガルバォンはさらにスイープで煽るもののバランスをキープするロが、ガルバォンをがぶっていく。

それでも腹這いのままロのズボンを掴んだガルバォンは、腰を起こしてタックルに移行して上に。しかし、この攻防でガルバォンにポイントは入らず、逆にロにアドバンテージが追加される。ガルバォンのスイープ狙いをロが一度完全に潰した、つまりガルバォンのタックルによる上奪取はスイープではなく、潰された状態からのリバーサルに過ぎないという判断か。

残り時間が少なくなるなか、ポイント&アドバンテージともにリードされた状態で、序盤同様に両足担ぎでロのオープンガードに対処せざるをなくなったガルバォン。なんとか引きつけてのスタックを狙うが、ロは強靭な身体とスティッフアームでそれを許さない。結局そのまま時間が過ぎてゆき、ガルバォンにポイントを許さなかったロの勝利が決定した。

後半のスイープからのタックルがポイントにならなかったのは、ガルバォンには気の毒だった。ただ、その部分を差し引いてなお強靭なオープンガードを用いてのパスはもちろん、アドバンテージすら許さず、逆に得意の片足を引き出すスイープ/テイクダウンを綺麗に決めてみせたロが、見事に雪辱を果たしてみせた。

<無差別級準決勝戦/10分1R>
ベルナルド・ファリア(ブラジル)
Def. 片羽締め
ティム・スプリッグス(米国)

昨年度のパン大会&世界柔術の階級別及び無差別を圧倒的な強さで制して、全階級を通した「世界最強の柔術家」となったファリア(アリアンシ)が、今回もその強さを見せつけて全て一本勝ちで準決勝に。決勝ではトップゲームを活かして3試合ポイント勝ちで勝ち上がったティム・スプリッグス(ロイド・アーウィン)と対戦した。

開始と同時に前に出たスプリッグスに対して、ファリアはカラードラッグからの引き込み。スプリッグスの体は、この動きで完全に崩されて流れていたにもかかわらず、テイクダウンと判定されてスプリッグスに先制の2点が入った。ちなみにスプリッグスは去年の世界柔術でも、このような微妙なテイクダウン判定で得た点を守り抜いてキーナン・コーネリアス(アトス)を倒している。

しかし、ファリアはすかさずハーフでスプリッグスの左足に絡むと、両足で挟んでキープしたまま膝立ちになってシングルレッグに移行。足を開いて粘ろうとしたスプリッグスだが、粘り強く密着して右足のズボンも引きつけたファリアがテイクダウンに成功。伝家の宝刀で同点に追い付いてみせた。純粋なレスリング力でははるかに上を行くスプリッグスをも倒す、ズボンを掴める着衣競技ならではのテイクダウン術だ。

それでもなんとか立ち上がろうとするスプリッグスだが、ファリアはその足に上半身を重く密着させて離れない。やがて完全に背中を付けさせられたスプリッグスに対し、ファリアは体重をかけてオーバーアンダーの噛みつき体勢を作り、そのまま両足を超えることに成功する。さらに暴れて逃げようとしたスプリッグスの背中に付いたファリアは、やがて完全に両足フックを作り4点を追加。そしてそのままギを用いた締めの体勢に。スプリッグスも粘ったものの、結局最後はファリアが片羽絞めを極めた。

レスラーのスクランブル力を柔術で制したファリアが、ハーフからスイープ→オーバーアンダーでパス→フィニッシュという、去年誰も止めることのできなかった必勝パターンで完勝。翌日最終日の最終試合となるロとの決勝戦に駒を進めてみせた。何をしてくるかは分かり切っているのに防ぐことができない、まさに必殺技と呼ぶべきこのファリアの攻め。去年二度までもこれに屈したロは、今年こそ破ることができるのだろうか?

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